57. 難易度をハードコアに設定した理由
すべては、まるで誤植のようにこの小説から私を消し去ろうとする刃をかわしたことから始まった。
アビスナイトは容赦なかった。彼らの武器の一振り一振りは、ただ殺すためだけではなかった。違う。彼らは私を抹消しようとしたのだ。まるで私が生まれてこなかったかのように、存在しなかったかのように。記憶さえ、脚注さえも。ただ消え去った。
一方、ルーシーは?
「第三発電機破壊。アップロード完了」と彼女はリンク越しに言った。
ああ、そうか。私が鎧を着た生きたプロットホールと「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」をしている間、存在を定義する発電機を蒸発させているだけだった。彼女はアーキテクトたちにも協力してもらい、まるで誘導ミサイルのように地形の弱点を回避させていた。
「マスター、よくやってるわね~」と彼女は通信機越しにニヤリと笑って言った。
これが終わったら、人事部に苦情を申し立てるわ。
三つの発電機がすべてダウンし、空気が波打った。世界がヒクヒクした。
残っていたアビスナイトたちはよろめき、振りかぶる途中でグリッチを起こした。鎧はひび割れ、剣は鈍り、彼らは無防備になった。
「今だ!」私は叫んだ。その声はヴァージに雷鳴のように響き渡った。
決意と復讐心に燃えるアーキテクトたちは、私の後ろに集結した。苦痛から光が生まれ、記憶は刃へと変わった。
そして我々は突撃した。
そして彼が現れた。
巨人。少なくとも15フィートの身長。消去されたタイムラインで編まれたマントが彼の後ろにたなびいている。彼の兜には顔はなく、ただ沈黙とともにこちらを見つめる虚空だけが浮かんでいた。
アビスナイトの隊長。
彼らがヌルマーチと呼ぶ者。
そして、誰が彼と戦わなければならなかったと思う?
「おいおい、何でまた難易度スライダーを『ゴッド・オブ・ウォー』にしたような気分なんだ?」
ルーシーの返事はあまりにも陽気だった。
「だって、マスターがそうしたんだから。」
ヌルマーチは巨大な大剣を振り上げた。鋭くもなく、刃も付いていない。まるで一枚岩のようだった。一振りごとに論理が崩壊し、時空が紙のように歪んでいく。それが動くたびに、概念が死んでいくのを感じた。
彼は攻撃した。
私はかろうじて避けた。外套は消え、息も絶え絶えだった。私の左半身全体が、まるで電波の受信状態が悪いかのようにちらついた。
「もういい。」
私は剣に概念エネルギーを注ぎ込んだ。今や、あらゆる斬撃は単なる物理的なものではなく、象徴的なものとなった。
一刀両断=虚無への拒絶。
私たちは無の嵐の中で激突した。
剣と概念がぶつかり合った。
沈黙と叫びがぶつかり合った。
そして私は耐え抜いた。
私が最強だったからではない。
だが、誰かがこの壊れた物語の結末を書かなければならなかった。
ヌルマーチはよろめいた。
私は高く跳躍した――ソウルファイア、クォンタムアーク、そしてヴォイドライトの炎が私を包み込み――そして、ルーシーが私の刃に刻み込んだフィニッシャーの名を叫んだ。
「概念切断――ゴッドブレイカードライブ!」
斬りつける。
衝撃。
書かれざる静寂が反響を呼んだ。
ヌルマーチは崩れ落ち、その存在は脆いガラスのように砕け散った。
私は息を切らしながら着地した。
ルーシーが私のそばにワープし、肩から存在しない塵を払いのけた。
「発電機を綺麗に爆発させるって言ったでしょ。」
「ああ、ああ。二度と『ハードモード』なんて頼まないでくれ。」
深淵の領域への門は今、開かれていた――静寂に、ひび割れ、泣き叫ぶ影。だが、進むべき道は我々のものだった。
そして私の後ろには?
アーキテクトの軍団。
そして、とても自信過剰なAIパートナーが一人。




