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3.謎の少女

まばゆい光が消えた。


そして――彼女が見えた。


小さい。


ちっちゃい。


身長120センチにも満たない、ちっちゃい。


白いドレス。月光にきらめく銀髪。私の魂をまっすぐに見つめる、大きな金色の瞳。


「…ロイルだ。」


一陣の風が吹き抜けた。


彼女は地面からわずかに浮かび、背後の頂点の怪物が唸り声を上げてさえ、びくともしなかった。


彼女は私の方を向いた。


「アビサル・センチネルを飲み込んだのはあなたですか?」と彼女は尋ねた。


穏やか。


柔らかな。


可愛い。


「え、ええ?」私は、まるでパニックに陥った魂の風船のように漂いながら、救世主が魔法幼稚園に通っているような顔をしているという事実を受け止めようとしていた。


そして――ドカン。


彼女のオーラはまるで大陸のように私を襲った。


森全体が凍りついた。風は止んだ。魂を喰らう巨大な死の獣、バエルスでさえ一歩後ずさりした。


彼女の金色の瞳は輝き、髪はまるで重力が恐れて触れることさえできないかのように舞い上がった。


[オーラ検知:??? 階層 - 現実破壊者クラス]

[状態:抑制中。安全のため、魔法で膝をかぶせています。]


「くそっ、なんで彼女のオーラはあんなに強力なんだ!?」


「魔法ステロイドでも飲んだのか!? 竜の血? 宇宙的存在と融合しているのか??」


バエルスは緊張した様子で低い唸り声を上げ、そして…


振り返った。


そして立ち去った。


ただそれだけのことで。


彼女は手を下ろし、輝きは消えていった。


私は呆然と立ち尽くし、混乱していた。恐怖が残っていて、まだかすかに光っていた。


彼女は私の方を振り返ったが、表情は読み取れなかった。


「一緒に行くのね。」


「…え?!」


「あなたは封印された災厄の一つを食べた。これであなたは私のものよ。」


「…わ、私はペットじゃないわ、お嬢様…」


「あなたを鍛える。あるいは、滅ぼす。あなたがどれだけ迷惑かによるわ。」


「…わかった、わかった。存在しない荷物をまとめて行くわ!」


それで、私はそこにいた。


まるで幼稚園の読み聞かせに行く途中で迷子になったかのような小さな女の子の後ろを漂っていた。しかし、その女の子のマナ圧は、まるで核弾頭と不気味な借金取りでできたブラックホールを抱きしめているようだった。


歩きながら私はぶつぶつと呟いた。いや、彼女が歩き、私が後悔の気球のように漂っていた。


「子供に偉そうに言われるなんて嫌だ」と私は呟いた。


彼女は何も言わなかった。


だって、そうする必要なんてないんだから。


彼女の存在だけで、こう叫んでいるようだった。「朝食を抜いたら惑星だって蒸発させられる」


私はため息をついた。


「でも、彼女のマナ容量は違うことを示唆している…」


「違うこと」というのは、ああ、彼女は脚の生えた生きた魔法核だ、という意味だ。


[ステータスチェック:未知の存在 - 「アリア」]

推定マナ:??? (無限?)

種族:人間に見える - 「見える」

称号:世界破壊者候補|封印された魔術師|ロリ・ターミネーター

脅威度:彼女を苛立たせるな

注:現在、彼女の魔法抑制フィールドの0.1%未満です。謙虚に進んでください。


私たちは、紅海の怪物を分けたモーセのように、暗い森を抜けていった。どんなに大きくても呪われていても、彼女が近づくと、あらゆる生き物は影の中に溶け込んでしまった。


「どうしてそんなに強いの?」と私は尋ねた。


彼女はようやく少し頭を向けた。


「退屈だったの。」


「退屈で核兵器級のマナを得たの?」


彼女は肩をすくめた。まるでそれで全てが説明できたかのように。


そして、ある意味そうだった。


私は再びため息をつき、彼女の後ろを漂い続けた。


「ああ、人間だった頃が懐かしい。腕もあって、ピザもあって。それから、自然発火の危険もなく、人に意地悪できる能力も。」


彼女の耳がぴくっと動いた。私は黙った。


私たちは歩き続けた。


森の中を抜けたが、彼女の影の下では、もはや不気味さを拒んでいた。夜空さえも、彼女の近くではより明るく見えた。


その間、私は彼女の後ろで、まるで世界で一番ストレスの溜まったヘリウム風船のように漂っていた。


「ところで」私は、体育の授業に無理やり連れてこられた高校生のように、まだむっつりしながら呟いた。「君、正確には何歳なの?」


彼女はすぐには答えなかった。


彼女は、まるでこれが「世界最強のモンスターに追われた」後味ではなく、火曜日の散歩のように、ただ歩き続けた。


ようやく彼女が口を開いた。声は穏やかで、どこか退屈そうだった。


「32万2614です。」


私は空中で立ち止まった。


間を置いた。


思わず二度見した。


「ごめんなさい。何ですって。」


[認知安定性:低下中]

[魂の完全性:信じられないといった表情]


「30万年も?!」


「星々がまだマナを流していた頃から生きていたのよ」と彼女は、まるでそれで事態が好転するかのように付け加えた。


「ほとんどの大陸よりも長く生きてきたって言うの?」


「ええ。」


「人間の年齢では、そんなに長く生きられるはずがないわ。ハイエルフだって苔に変わってたわ。」


彼女は私を横目で見た。


「私は人間じゃない。」


「ええ、冗談じゃない。」


[新しい思考「実存的メルトダウン」をアンロックしました]


私は存在しない魂の手で想像上のこめかみをこすり、大げさにため息をついた。


「わかった。すごい。トラウマを負った精霊玉を引きずり回す、古代ロリ魔女。次はきっと、家が浮いて、喋って、レーザーを発射するって言い出すんだろうな。」


「…そうだよ。」


私はまた立ち止まった。


「冗談だよ。」


彼女は歩き続けた。


私は心の中で叫んだ。


魂がすねて、古びたロリの沈黙が永遠にも感じられた後、ようやく空き地にたどり着いた。


そして、そこにあった。


彼女の家。


家と呼べるかどうかはさておき。


「…一体全体、何を見ているんだ?」


それは浮かんでいた。


そう、浮かんでいたのだ。


でも、まるで空に浮かぶクールな城のような雰囲気ではない。


違う。まるで誰かが魔法使いの塔と東洋の神殿とビクトリア朝の邸宅と宇宙のクラゲを適当に組み合わせて、偶然に意識をもたせてしまったかのようだった。


まるで呼吸をしているかのように、それは空中でゆっくりと揺れ動いていた。


巨大な鎖が、重力に逆らって漂う黒曜石に固定され、成層圏へと漂い落ちないようにしていた。


ルーン文字が、魔法のWi-Fi信号が乱れたように、縁にパチパチと音を立てていた。巨大な目玉がドア枠越しにぱちくりと開き、私を見たかと思うと、まるで私がちょっと面白い虫であるかのようにまた閉じた。


[構造: ??? クラス住居 - 「響き渡る永遠」]

タイプ: 生命体 | 魂に縛られた要塞

所有者: アリア、時を超越する者

気分: 好奇心旺盛。少し空腹。攻撃的ではない(まだ)。


「…彼女の家には気分がある。そして消化器系もある。」


アリアは入り口へと続く浮遊する石畳の端で立ち止まった。


「入って。」


彼女は振り向きもしなかった。


「本当に食べられないの?」私は慎重に浮かびながら言った。


「もし食べられたら、吐き出してやる。」


「それは…全然安心できないな…」


ドアが音を立てて開いた。まるで誰かが現実の缶詰を開けるような音だった。


私はプライドも恐怖も、そして残っていた期待もすべて飲み込んだ。


「…さあ、熱狂の夢の中へ入っていく時間だ。」


私は浮かび上がった。


ドアが後ろで濡れた音を立てて閉まった。

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