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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

〇〇の怪人。

作者: まるえす。

誰にだって隠したいことの1つや2つ、ありますよね?

誰にも知られたくない隠し事…。


自分から周りの人に言わなければ恐らく知られることはないでしょうし、言ったところでどうにかなるってことはないのかもしれません。


そんなあなたの隠したい秘密を見たことも会ったこともない、得体の知れないある者にもし、見抜かれたら………。


あなたならどうしますか?


そんなことをできる者が深夜の公園に現れるらしいんです。

でも会いたくないですよね?自分の秘密を見抜かれる人になんて……。


でもですね、その者にはあなたの秘密を見抜く以外にもっとすごいことをできるらしいのです。


という噂話を聞いた時の話をみなさんにお話したいと思います……。


「なぁなぁ、真眼って知ってるか?」

「まがん?なにそれ…。」

「その眼を持ってる人はその人を見るだけでその人の秘密を全て見抜くんだってさ。」


「へぇ〜…。」

「でさ、本題はここからなんだけどさ、最近、その眼を持つ怪人が深夜、あの公園に出るんだってさ。」


「…………。」

「な、なんだよその反応」

「お前ってそういう類の噂話ほんと好きよな、いつもどこからネタ仕入れてくんだよ。」


「ネタじゃねーし!俺が仕入れてくんのはぜ、ぜんぶ信憑性のある噂話だし!」


「その自信はどこからくんだよ…笑。で?あの公園ってどこの公園だよ」

「あれれ?バカにしてる割には気になってるみたいですけど?」


「ちげーよ、あの公園っていうのが引っかかったから聞いただけだよ」

「あのなぁ、それをこの世の中では気になってるって言うんじゃね?」


「そう思ってんのはお前だけだよ笑」

「ったく、またバカにしやがって…。」


「まぁまぁそう怒んなって」

「お、怒ってなんかね、ねぇーし?!」


(それを世の中では怒ってるっていうんだけどなぁ…。)


「あ、今、心の中で俺のことまたバカにしただろ?」

「そ、そんなことないよ?」

「ほんとかよ…。まぁいいや、でさ、あの公園っていうのはさ、俺らがよく行く公園だよ。」


「あぁ、あのちっさくて誰も来ない公園のこと?」

「そうそう、って…、ちっさくては余計な?」


「わりぃわりぃ…笑」

「あの公園ってさいつも誰もいねーじゃん?でも、最近さ、変なやつが現れるらしいんだよ。」


「変なやつ?ってさっき言ってた真眼を持つ怪人ってやつのことか?」

「それ以外になにがあんだよ笑」


「さ、さーせんっ笑」

「その怪人はさ、噂話によるふつーじゃないらしいんだけどさ…。」


「ふつーじゃないって?」

「…………。」

「おーい、聞いてっか?」


「問題はそこなんだよ」

「どゆこと?」

「そこがわからないってことだよ」


「はぁ?そこが肝心だろーが」

「そうなのよなぁ…。で、お願いがあるんだけどさ…。」


「な、何急に…。」

「俺らでさ、その怪人のこと調べてみねーか?」


「あっ、やべっ、きゅ、急用思い出した!帰るわ!」


「帰らせねーよ?」

「離せよっ」

「まぁまぁ、帰る前にさこの封筒を受け取ってくれ」


振り返ると封筒を持った友達が立っていました。


「なにこの封筒…。」

「まっ見れば分かるよ」


封筒を開けるとそこには……。


「お、お前…。これどういうつもりだよ」

「もし、怪人について協力してくれるならそれ、やるよっ」


封筒の中に入っていたのはお金だったのです。それも50万円くらいはある感じに見えたのです。


「この金どうしたんだよ」

「貯金を取り崩してきたやつだよ。って言ってもそれ、貯金全額だけどな笑」


その時の僕はなぜ友達は自分の貯金を投げ打ってまで協力を迫るのか、理解できませんでした。


ですが、このあとすぐにその理由を知ることになるのです。


「ぜ、全額って、お前さ、なんでそこまでしてその怪人のこと知りたいんだよ」

「……………。」

「貯金全額まで渡してきて理由なしなんてあり得ないよな?」


「……………。」

「答えられないか……。じゃあわりぃけど俺帰らせてもらうわ。こんなことお前に言いたかないけどさ、この際だから言わせてもらうわ。いい加減信憑性のない噂話信じるのやめよーぜ?」


「……………。じゃあよ!理由話したら協力してくれるのかよ…。」

「協力するしないは置いといて、話は聞くよ」


そう言うと友達はぽつりぽつりとその理由を話し始めたんです。


「とりあえず立って話すのもあれだからよ、座ってくれないか?」

「お、おう、それもそうだな」


それから友達は少し間を置いたあとにこう話したんです。


「驚かないで聞いてほしい。じ、実はよ…俺の彼女の唯ちゃんいるじゃん?」

「あ、俺が紹介した子?」

「うん。でさ、唯ちゃんが1週間前から行方不明なんだ……。」


「えっ……。な、なんだよそれ……。なんで黙ってたんだよ!」

「心配かけたくなくてよ…。」


友達の彼女の唯ちゃんは僕が努めている会社の後輩で友達が「彼女がどうしてもほしい!」と話していた頃に紹介した子でした。


紹介してすぐの頃はまさか付き合う関係にまで発展するなんて思ってもいませんでした。


唯ちゃんはとても頑張り屋さんで人懐っこくてとても料理が上手な子です。


そんな子が突然行方不明………。僕は信じられませんでした。


「行方不明って…。心当たりのあるところは全部探したのか?!」

「あぁ、連絡がとれなくなってから毎日探したんだ…。けど、唯ちゃんはどこにもいなかった。」


そう話す友達の目には涙が溜まっていました。


「そ、そうなのか…。け、警察とかには相談したんだよな?!」

「あぁ、けど手がかりがなさすぎてまともに話を聞いてもらえなかったんだ…。」


「そ、そんな…。」

「俺……もうどうしたらいいのかわからなくてよ…。そしたら今日、俺の家にある手紙が届いたんよ。」


「手紙?って、もしかして唯ちゃんからか?!」

「いや、俺も一瞬期待したんだけど、違った」


「じゃあ誰からの手紙だったの?」


そう言うと友達はその届いたという手紙を見せてくれたんです。

そこには……。


「こ、これって……。」


「あなたの大切なものを奪わさせていただきます。 怪人」


手紙にはそう書かれていました。


「俺、この手紙を見たときにふと思い出したことがあってさ」

「思い出したことって?」


「さっき話した噂話さ、唯ちゃんから聞いたんだ…。唯ちゃんも噂話が大好きみたいでこの怪人について楽しそうに話てた」

「そうなんだ…。」


「でさ、唯ちゃん、怪人に会ったらしいんだ」

「は?会ったって、いつ?」

「行方不明になる1日前にあの公園で偶然会ったらしい」


「怪人について唯ちゃんは何か言ってなかったか?」

「…………。あ、思い出した。噂話の通りだったらしくて自分しか知らないことをいくつも話してきて、秘密も全部知ってたみたい」


「まじかよ…。」

「そ、それとさ…。」

「ん?なに?」


「俺のことも話してたらしいんだ。秘密も何もかも全部…。」

「どういうことだ?」

「さっきこの怪人はふつーじゃないって話ししたじゃん?」

「うん、それで?」


「この怪人、会った人のことだけじゃなくて、その人と関係がある人のこともすべて知ってるらしいんだ…。」

「おいおいまじかよ」


僕は正直驚きを隠せませんでした。会った人だけではなく、その人と関係がある人のことも見抜くなんて……。


「な、なぁ、この手紙さ、おかしくないか?」

僕は手紙に書かれている内容に違和感を感じていました。


「おかしいってなにがだよ」

「このさ、『奪わさせていただきます』ってところなんだけどさ、ふつー奪ったあとにこの文言使うか?」


「それどういう意味だよ」

「だから、過去形じゃないってことは唯ちゃんはまだどこかにいるってことじゃないかな?」


「そ、それが本当だとしたら…………。」

「今すぐ動けばまだ間に合うかもしれない!」


こうして俺たちはその日から唯ちゃんを取り戻すべく怪人について丹念に調べ尽くした。


そして1年後…………。


唯ちゃんは無事に僕らのもとへ帰ってきました。一体あの怪人はなにが目的だったのでしょうか……。


僕らがどのようにして怪人のことを調べ、唯ちゃんを取り戻したか…………。


それについてはまた、どこかで機会があればお話ししたいと思います………。

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