お礼の準備と歯磨き
僕はご飯を食べて、紅茶を飲んで、やっと一息吐いた。
「あー、お腹いっぱいだー」横になりたあーい。
ドロシーとルイーズがそわそわしてる。
「・・・あっ、あの優、お礼をしたいの、手伝って」
「優、だからね、このテーブルを片付けて、ここを広くしたいの」
「隣の部屋でも良いけど」
「ダメ、私も、ルイーズも、その、・・・いっぱい動くから、広くないと」
「・・・二人だからね、・・・凄いかも、・・・しれない」
「おっ、おう、分かった」
僕は紅茶や食料をキッチンへ持って行った。
コタツもキッチンに移動させ、立て掛ける。
テレビは壁掛けなのでそのまま、後、敷物。
「ねぇ~、優、この敷物も、・・・汚しちゃうかもしれないから」
「でも、痛くないかな」「大丈夫、上手にするから、心配しないで優」
「そうなの、ドロシーがそう言うなら」
僕は敷物を丸めてテレビと反対の壁側に置いた。
これでリビング兼ダイニングは、丸めて隅に寄せられた敷物以外はなく、ほぼ6畳の空間が空けられた。
ドロシーとルイーズが僕の両脇に来て腕を取る。
「ほっ、ほら、こっち来て」「優、こっち」
部屋の中央に来た時。
「そうだ、ルイーズ、歯磨きしないと」
「そうだよね、やっぱり、優も、歯磨きして」
「うっ、うん分かった、二人には買い置きの新しいのをちゃんとだすから」
そうして僕達は順番に歯磨きをした。
「皆お願い」
そうドロシーが言うと、電気が明滅し、ドロシーの顔に影が落ち、やがて真っ黒になり、辺りから光と熱を奪う。
しかし今回は、公園の時の様に、霜が降りる事は無かった。
うーん、どうやらドロシーの顔のパーツが分離する時、エネルギーを必要とし、
そして、元に戻ろうとする時は、余剰のエネルギーを、熱と光を含む電磁波に変えて放出している様だ。
「よっ」「僕は邪魔をしないよ、観察するだけだから」
「だっ、ダメ、ブリキもするの」えぇ~、僕、普通で良いんだけどなー。
「ガゥ」「あぅーううっうっうっ」「トト、吠えないで」「わん」
「ねえー、ドロシー、その、・・・直ぐ本番で良いでしょう、ねっ」
「ルイーズ、・・・恥ずかしくないの」
「恥ずかしい、今もドキドキしてて、凄く恥ずかしい、でも、優には、見て欲しいの、・・・それから、・・・その、いっぱい感じて欲しい」
「ルイーズ、私も」二人は軽くハグをする。