汁だく
ぴーぃ、ぴーぃ。ドロシー達の洗濯が終わった。
お湯に浸かりたかったが、面倒くさくなってシャワーだけにした。
僕の洗浄が終わったら、そのままお風呂の掃除をしてあがった。
ドロシーとルイーズに洗濯が終了した事を教えよう。
外に干すのか、乾燥機能を使うのか分からないし、何より女の子の衣服の取り扱いが分らない。
この時期はまだ暑い、一人ならパンツだけでもいいが、今日はそう言う訳にはいかない。
Tシャツにトランクスのパンツ、その上に短パン。
食べ終わってたら、紅茶でも入れて、チョコでも出して、それから僕もご飯だ。
かちゃ、きーぃ。テレビを見てるけど、内容分かるのかな。
「ドロシー、ルイーズ、洗濯終わったけど、どうするの」
「うん、有難う、ルイーズ行こう」「優、触った」
「誘惑に打ち勝ったよ」「えーっ、つまんない」「ルイーズったら」
「外に干すなら、隣の部屋の方にバルコニーがあるから、狭いけど、乾燥するなら、浴室に掛けといて、縮まない物で急ぐなら、洗濯機に残しといて」
「うん、ルイーズ早く」「あっ、紅茶飲む、アールグレイしかないけど」
「飲む、お菓子も」「ルイーズ、まだ食べるの」
「ドロシーも食べないと、これからすっごく激しい運動するのに」
「もっ、もうぉ~、・・・じゃ私も」ドロシーが両手で頬を挟む。
「分かった、行って来て、用意しとく」
すたすたすた。僕がキッチン側にそれて、二人が浴室の方へ向かった。
二人の食べた容器をキッチンに移動させ、ティーポットにお湯を入れる。
カップと板チョコとクッキーを出して、コタツ布団の無いコタツに持って行く。
ポットのお湯を捨て、茶葉を適当に入れお湯を注ぎ、これも持って行く。
「ティーポット、ティーカップ、結構幅を取るなあ、いっぱいになった」
「できたよぉ~、浴室にお洋服を干したから、残りはそのまま」
「分かった、乾かしてくる」「うん、今度は使い方教えてね」
築31年だけど、僕が入居する前にユニットバスを入れ替えていた。
「機会があったらね、暑かったらエアコン入れるから」
僕は浴室に行き中を覗く、着ていた服が全部干されていた。
乾燥は時間かかるので直ぐにセットする。
おかしいな、パンツが無い、じゃあ、洗濯機の中、ルイーズのあの黒い模様は何だったのか、確認しようかな。
ごぽ。ドラム型の洗濯機を開ける。
乾きを良くする為に衣類を広げないと、脱水したままだと上手く乾かないから。
こっ、これがパンツ。ぱさぱさ。母さんのとはぜっんぜん違う。
小さくて、白地に、白っぽい花柄、きっとドロシーのだ、きっと。
すんすん。うーーーん、やっぱり洗剤の香りしかしないな、うん確認OK。
もう一つがルイーズ、と言う事になりますなあー。
ぱさぱさ。やっぱり小さい、良くあのお尻がはいるなあー、うーん。
あ~~、見えていたのは、この黒猫かあー、うーんなるほっどぉー。
ちゃっ、ちゃんと洗えてるかな、これはその確認作業だ。
すんすん。うん、洗剤だな、もう少し下の方はどうかあーなあー。
すんすん。うーん、ざんね、洗剤だねっ、うん、ちゃんと洗えてる。
ん、ブラが無い、ルイーズを背負った感じ、必要ない、と言うサイズでは無い感じだったけど、ふむぅー、まあ、僕的には良いけど、調査完了。
僕は洗濯機の乾燥機能を稼働させた。
やっと、ご飯が食べられる。
ドロシーとルイーズは、テレビの正面に二人並んで座り、紅茶を飲んでいる。
僕は邪魔にならない様、その横に座り、牛丼弁当の蓋を開けた。
「なっ、・・・んだと、お肉が無い」
「ちっ、違うの、私は止めたの、でもルイーズが少しぐらい分からないって」
少しって、一片も残ってない。
「ドロシーもぱくぱく食べたぁ~」
「それはルイーズが食べるから、私は保護して上げようと思って、私の処に」
「うん、なるほど、それで間違えて一緒に食べちゃったんだね、仕方ないね、まあ、しょうがもあるし」
「ねえ~、どうしてドロシーだけ庇うの、私も」
「分かってる、ルイーズは、僕のお肉が迷子にならない様に保護してくれたんだよねー」
「・・・そっ、そうなの迷子にならない様に保護してあげたの、・・・そ、そしたら、懐いちゃて、私の処が良いって言うから、・・・その」
「じゃあ、仕方ないないね、好きな人の処にいたいよね、うん、なら仕方ない」
「そうなのー、・・・御免なさい」
「気にしなくていいから、好きな人の直ぐ傍に、誰だっていたいと思うさ」
「・・・そう、だよね、好きな人の直ぐ傍にいたいよね」「うーんもうっ」
おう、ドロシーが怒っていらっしゃる、まだピカソ風の配置、実に美しい。
さて、食べよか、唯一の救いは、汁だくのご飯が残っている事。
いやぁ~っ、ここは自身を偽る事無く、正直に言う。
僕は、この後の『お礼』が楽しみなんだあーーーっ。
まあー、まず、ご飯だ、体力勝負だからねっ。
「色々と、いたーだきますっ」