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私、ドロシー?  作者: パパスリア
ラヴさんは帰りたくない
61/70

予想を裏切らない落ち

 多少、時間をロスしたが、始めはルイーズから、30分後にドロシーと交代する事になった。

 二人共、この前買った服装で、シャツにパンツ、(かかと)の低い靴、トレンチコート。

 帽子は二人が手を加えて、シャーロックホームズ・ハットと言う物になっていた。


 更に僕達は、緊急(きんきゅう)時に全力疾走(しっそう)しなければならない。

 下見をした後、手に荷物を持って走るのは、難しい事が予想され、皆で相談した結果、3人御揃いのウエストポーチバッグを急遽(きゅうきょ)発注した。


 大きさは13.5×7.5×26と、トランシーバーもいれるので大きめだ。

 (ちな)みに、ルイーズが『これが良い』と言うので本革製に、一つ1万9440(まどか)、×3と結構な出費だ。

 届いた品物はとても良い、ベルトはナイロン素材、これなら少々手荒に扱っても大丈夫そうだ。


 ドロシーは『絶対経費で落として見せる』と意気込んでいる。

 しかし、二人共腰が細い、パンツにベルトを通して止めている、ポーチは前。


 「ち、えっち、配置に付いた」「ト、キャット、了解、感度良好」

 「トム、ストーム、到着しました、本日、ミンチが特価」


 「ち、えっち、ストーム、場所が特定される様な事言っちゃだめだよ」

 「ト、キャット、明日ハンバーグにする、感度良好」

 「トム、ストーム、御免なさい、ハンバーグは考えとく」

 「ち、えっち、後は定期連絡をして」

 「ト、キャット、了解」「トム、ストーム、了解」「ち、えっち、了解」


 それからは定期連絡と言うより、コールサインを除けば日常会話だった。

 「ト、キャット、ねぇ、ドロシー、あの番組録画入れといてくれた」

 「トム、ストーム、えーっ、あれはルイーズが入れとくって言った」

 「ト、キャット、私言ってない、ドロシーが入れとくって言ったじゃん」


 「ち、えっち、僕が入れといた、それに今日はDVDを見る約束だろう」

 「ト、キャット、見せて」「トム、ストーム、くれない」

 「ち、えっち、御免なさい、いやでも、両隣にこんなに可愛いお嫁さんが」


 「ろに後ろに、誰かいる、(ゆたか)(ゆたか)、スンスンしてるよぉ~」

 「ち、えっち、ルイーズ少しだけ我慢して、すぐ行く」

 「トム、ストーム、私も行く、ルイーズ頑張って」


 待ち伏せをしている公園は60cmぐらいの柵で仕切られ、その内側に背の高い木が植えられ、その下に背の低い木が植えられている。

 しかし背の低い木はびっしりと植えられていないので隙間がある。


 公園に到着した僕は、木々の隙間から策を(また)いで、一旦(いったん)身を(ひそ)め、ルイーズとその周辺を視認(しにん)する。


 「ち、えっち、ルイーズ、じっとしてて、後ろに人影(ひとかげ)がある」

 「トム、ストーム、私も視認(しにん)出来た、けど、暗くてどんな人かは分からないの」


 「たか、(ゆたか)、早く早くコートの中に入って来てすんすんしてるう」

 「ち、えっち、ルイーズ、もう少しだ、今近付いてる、ドロシー」

 「トム、ストーム、私、直ぐ(そば)、ルイーズ、コートからゆっくりと手を抜いて」


 「ロシーーー、ゆたかぁ~~~」

 「ち、えっち、ルイーズ、振り向いちゃだめだよ、コートから腕を抜いたら教えて」


 「尻お尻さわあってるう~~~」「イーズ、ルイーズ、落ち着て、腕ぬけた」

 「ううっ、お尻お尻お尻に何かあたってるうううう」


 「イーズ、コートを脱いで前に走って」「いやあああああああああっ」

 ルイーズがコートを脱ぎ棄て、前方にダシュ。

 ルイーズのお尻を襲っていた人物は、ルイーズがいなくなった事で両手を地面に付く、加えて、コートが(おお)(かぶ)さり、逃走(とうそう)する方向を見失っている。

 「うりゃぁぁぁぁぁぁっ」「やああああああああっ」


 僕とドロシーが犯人に伸し掛かり、取り押さえる。

 「ドロシー、こいつの足首に手錠掛けてっ」

 ルイーズが帰って来てドロシーを手伝う。


 ばたばたばたばた。「放して」

 「こいつめ、私のお尻は(ゆたか)だけなんだから」


 ばたばたばたばた。「放して」

 「ルイーズのえっち」「ちっ、違うのぉ~、あほおーーーーーーーっ」

 がちゃがちゃ、ギリギリ。「ドロシー、こっち押さえて、任せて」


 がちゃがちゃ、ギリギリ。ばたばたばたばた。「放して放してよお~~~」

 「ドロシー、ルイーズ、今度は両手、僕が押さえてるから、ポーチから手錠出して、こいつに掛けて」

 「「あい、sir!」」がちゃがちゃ、ギリギリ。がちゃがちゃ、ギリギリ。

 「二人共離れて」「「あい」」二人が僕の後ろに隠れる。


 「僕の大切な人に何てことするっだあっ」

 犯人は両手両足に手錠を掛けられ、さすがに(あば)れるのを止めた。

 つるるるるっ、つるるるるっ、がちゃ。「マリオンさん捕獲(ほかく)成功です」

 「はい、それはよろしゅうございました、直ぐに車でお迎えにあがりますので、暫くその人とご歓談(かんだん)下さい」

 「出来るだけ急いでお願いします」「はい、2~3分お待ち下さい」


 「ドロシー、ルイーズ、マリオンさんが直ぐに来る、まずコートを返してもらう、一体どんな(やつ)だっ」

 僕はルイーズに酷い事をした(やつ)からのコートを乱暴(らんぼう)()ぎ取る。


 ばさばさ。僕達は一瞬、声を失った。

 (おどろ)いたからではなく、ドロシーもルイーズも僕も、心のどこかで、こんな“落ち”じゃないかなあーっと思っていたからだ。

 「「 「「ラヴさん」」 」「押し倒されるってこんな感じ」「「ちっがうからっ」」


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