残金の入金
翌日。
ピンポン、ピンポン。「はいはい、今あけます」がちゃがちゃ、きぃー。
「お早う御座います、優様」「お早う御座います」
僕はマリオンさんの背後に視線を凝らす。「ラヴさんは」
「お嬢様はお屋敷で、不貞腐れておいでです」
「じゃあ、あがって下さい」「失礼いたします」事務所にあがってもらった。
「ドロシー、ルイーズ、ラヴさんはいないよ、マリオンさんだけ」
二人共警戒して、寝室に隠れていた。がらがら。
「分かったあー、お茶を持って行く」「じゃあ、私はお菓子を用意する」
がらがら。「お茶です」「つまらない物ですが」二人も両脇に座る。
「本日のご用向きは」「残金をお持ちしました」と封筒をテーブルの上に置く。
「確かめさせて頂いても良いですか」「是非」沢山入ってる。
数えると339334円、昨日の分と合わせると、きっちり40万7200円。
「確かに、ルイーズ、領収書と収入印紙取って、ドロシー、そこのボールペン頂戴」
「「あい」」それぞれ手渡してくれた、何だろう、何かにやけちゃうな。
「こほん、お嬢様が拗ねる訳ですね」
僕は領収書に印紙を貼って、マリオンさんに手渡した。
マリオンさんは内容を確認すると、ジャケットの内ポケットにしまい込んだ。
かちゃかちゃ。マリオンさんが一気に紅茶を飲み干す。
「ラヴさん、拗ねてるんですか」「ええ、それはもう」
「許嫁さんの事ですか」
「皆様のご様子を見てしまわれましたから、結婚後の生活に過剰なイメージを持ってしまわれたのです」
「えぇ~、新婚でこんなものでしょう」
「跡取りがおられれば、そうかもしれませんが、今の真法家本家には、お嬢様しかおいでになりません。このままでは血筋が絶えるのです」
「いや~、でも昨日の話ではかなりの人ですよね」
「旦那様も奥様も大変お困りで、苦渋の選択なのです。かと言って、大事な一人娘、できれば思い人で、毎日の営みがお強く、洋物美少女を二人ぐらい孕ませてしまいそうな、そんな殿方がいれば」
「「帰って」」「あ~ぁ、婿にとは申しません、生で種さえ頂ければ良いのです」
ほぉ~、生、種だけ。「いだだだだだだだあぁっ、二人共痛いよう、妬いてる」
「妬いてないっ」「べぇーーーーっ」ちゅっ、ちゅっ。「二人がいれば幸せだ」
「うーん、次は許さないから」「今度変な事考えたら、許さない、本当だから」
ドロシーの耳が真っ赤だ、許してもらえない方が良いかも。
アリオンさんは、丁寧に挨拶をして、帰っていった。
入金完了。「ドロシー、ルイーズ、今日の夕食は外に行こうか」
「「行くーっ」」「回ってないお寿司」
「ルイーズ、それは犯人を捕まえる事が出来て、成功報酬が入ったらにしよう」
「じゃあ、回ってるお寿司で良い」「ドロシーは」「私もそれが良い」
朝から夕食が“スシハイ”に決定した。




