表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、ドロシー?  作者: パパスリア
真法家本家の事情
53/70

好きな人といられるって良いな

 薄い雲が広がる空、西に傾いた太陽の光が(まぶ)しい。

 黄色く色付いた銀杏(いちょう)の葉の隙間を通って目に届く。

 でも同じ様に風が隙間を通ると、葉っぱがかさかさと音を立てて舞い落ちる。

 こんなにも光が溢れているのに寒い、地面に落ちた葉っぱがかさかさと動く。

 可愛らしい二人の少女達の足元に、かさかさと吹き寄せる。


 「あああああああ、僕のお嫁達さんは素敵だ」

 そしてここが、待ち伏せをする公園だ。

 「(ゆたか)、寒~い」「もう12月前だからね」「コート着て来て良かった」

 「二人共、絵になるよ、素敵だよ」「当然」「有難う(ゆたか)


 「でぇ、どうしてラヴさんも来てるんですか」

 「良いじゃない、お婿さんの仕事ぶりを見に来て何が悪いの」「誰ですそれ」

 ラヴさんが指をさす、しかしその先には銀杏(いちょう)の木があるのみ。

 ふふふ、僕は避けた。


 「いやぁ~~、ラヴさんの様な美人に見初(みそ)められた彼は、果報(かほう)者だなあ~、あっ、いや、字が違うな、この場合家宝物(かほうもの)かなっ、がはははははっ」

 「いぃーーーっ、マリィ、やっておしまい」ぽかん。「痛いぃ」「出来ません」

 「それじゃあ、依頼はキャンセル、赤字で終了させてやるぅー」

 僕は二人を引き寄せる。


 「望ところです、僕はドロシーもルイーズも危ない目に遭わせたくない、是非そうして下さい」

 「マリィ、マリィ、わたくしもこの様に言って下さる殿方が良いですぅ~~~」

 「その様な事を望まれてはなりません、お相手の方は、没落(ぼつらく)された名家の末裔(まつえ)、気位だけが大変高く、『世界中の女は俺の性処理肉便器だあー』と、(はばか)る事なく口になさる、大(うつ)けに御座います」


 「いぃーやあぁーっ、どうして、どうして、わたくしがその様な(うつ)けと、婚姻せねばならないのです」

 「ご安心なさいませ、お嬢様。私の調べでは、口にするだけの事はあって、(いとな)みの方は大変お強く、早い時期から性犯罪を重ね、未成年期には、この国の法を盾にやりたい放題。被害者は数知れず、成人してからは順当に前科が付きまして御座います。あっと言う間にお嬢様を(はら)ませて下さる事でしょう。これで真法(まのり)家本家に跡取(あとと)りが生まれれば安泰(あんたい)で御座います」


 「嫌っ、嫌っ、嫌っ、聞いてない、聞いてないから」

 ラヴさんはマリオンさんに(すが)る様に取り付く。

 「可哀想(かわいそう)」「と言うか(あわ)れ」

 「二人共」「「御免なさい」」


 「マリィ、マリィはそんな男の子供を産めるの、ねぇ~」

 「お断りです、私を物の様に扱う者の子供など、絶対宿しません」

 「どうして、ねぇ、どうして私、ねぇ~、どうしてよぉ~、助けてよ百合(ゆり)ぃ~」

 ラヴさんが、マリオンさんの(えり)を掴んで、泣きながら()する。


 「百合(ゆり)様は女性ですからお助けす事はかないません、もしこの瞬間にお嬢様の身に何かあれば、真法(まのり)家本家の血筋が絶えてしまいます。それ故に、後を継ぐ事のできるお子様が必要なのです」

 「マリィ、お父様とお母様はどちらにおいでになるの、ぐすん」復活した。

 「今日はお二人共、お屋敷においでになります」

 「マリィ、帰ります」「どちらに」「お屋敷です」「(おお)せのままに」

 ラヴさんは歩き出していた。


 「あの~、このまま進めても良いんですか」

 「お嬢様に心残りが有ってはなりません、このまま進めて下さい、残金は明日、私がお持ちします」


 「マリィ、お急ぎなさい、それから、お父様とお母様に伝えて頂戴」

 「はい、お嬢様」マリオンさんは、お辞儀(じぎ)をして立ち去った。

 二人が僕の両側に来て、腕を組む。


 「お金がないのは困るけど、私は好きな人と一緒に居られてよかった」

 「(ゆたか)は、私の事もルイーズの事も、一番に考えてくれてる。私達も(ゆたか)の事を考えてるの、これから生まれて来る家族の事も、だから手伝わせてね」

 「・・・有難う、でも避けれるなら避けたい」

 「大丈夫、(ゆたか)、来てくれるでしょう」

 「うん、助けに行くよ」「うわ~ぃ、頼もしいぃ~」


 僕達は、広くはない道を腕を組んだまま、僕が待機する予定の公園に向かう。

 何て迷惑な奴等だと行き過ぎる人は思っているだろう。

 100、2、30m、この幸せな時間をどうか許して欲しい。


 それから僕達は、ドロシーとルイーズが交代で待機する予定の駅前に移動した。

 すっかり日が落ちてしまい、ケーキ屋さんには行けない。

 目の前にいつものスーパーがあるので、市販のちょっといい目のプリンと、パン売り場の横に並べてあった、一応モンブランを買って、この日は引き上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ