依頼の完了
僕はラヴさんに報告書の入った茶封筒を手渡した。
ラヴさんはそれを受け取り、しばし僕を見る。
依頼主にして見れば何も解決していない、納得いかないかもしれないが、これ以上僕には何も出来ない。
「・・・ご依頼は」「でも」「完了しました」「でも」
「ご依頼は、犯人の手掛かりを探す事、でしたね」「はい」
「手掛かりがない時は、諦めて下さいと、予め申し上げました、あっ、遅れましたが、僕は2日間、調査に加わらなかったので、費用を計算し直した差額分、14400円は返金します」
「ドロシー、用意した分を貰える」「うん、待って、・・・はい」
僕はドロシーから封筒と領収書を受け取り、ラヴさんに手渡す。
ラヴさんは受け取ったが、確認はしない。
「あの」
「ホームズ探偵事務所を紹介します、あそこなら人員も機材も申し分ないですし、明朗会計です、きっと引き受けてくれます」
「こちらで」
「そうだ、毛里探偵事務所、僕からホームズさんに頼んで、紹介状書を書いてもらいましょうか、あそこの娘さんは空手有段者ですし、やたらと頭の切れる小学生もいますし」
「あの、こちらで受けて」
「だったら、明知探偵事務所はどうでしょう、イケメンですよ、それに少年少女探偵団って言うNPO活動もやってますし」
「ここで受けて下さい」「お断りします」「泣きますよ」「どうぞ」
「あれ、言いふらしますよ」「いやいやいや、僕、ちゃんと仕事しましたよ」
「ねえぇ~、指輪、欲しくない」
「ドロシーとルイーズには、いずれちゃんと買います、・・・お金が貯まったら」
「ドロシーちゃん、ルイーズちゃん、デート、お金いるよ」なっ、まずい。
「今の優、ちょっと冷たいかも」「いやっ、ドロシー」
「優、もっと優しい人だと思ってた、ちょっとがっかり」
「いやいやいやいやいやっ、ちょっと待ってルイーズ」
「いつもの優となんか違う気がする」「そんな事ない、ドロシー」
「なんかさぁ、そっけなくて冷たくて、やな感じ」「ルイーズ、違うから」
「依頼したいです」
「嫌です、ドロシーとルイーズを危険に曝すのは、お断りです」
「「ゆたかぁ」」二人が僕の首に腕を回して両側から顔を寄せる。
そして、耳許で囁く。
「有難う優、でもね、このままだと、超赤字なの、どうしよう」
「やっぱり優しい人、だけど、預金残高が、半減期を迎えたんだ」
二人共、すっごく優しい顔してるのに、声が怖い。
「これじゃあ、赤ちゃん産めないよう、しくしく」
「あぁ~~~、赤ちゃんは私が立派に育てて見せます、しくしく」
なっ、えーーーっ、何でそんな怖い事言うのさ。
「パパ、現実を見なさい」「パパ、子育てにはお金が要るの」うーーーん。
「・・・お話を聞かせて下さい、・・・まず聞くだけだから、二人共」
「「わ~い、おっかね、おっかねぇ~~~」」お嫁達さんは超現実的だった。
「ありがとうぉ~~~」




