お嫁さん達、危機一髪
僕は、大学の午後の授業2枠を受けて帰る事にした。
気は進まなかったが、探偵として、下請けではない初めての依頼だ。
授業に出ては見たものの、落ち着かない。
顔見知りを見つけて、今度奢る約束で、こっそり授業を動画で撮ってもらう事にした。
あいつ等結構飲むからな、2万で収まるかな。
僕もアルコールが入ると口が軽くなるから、ドロシーやルイーズの事を自慢しない様にしないと、それに守秘義務を厳守。
受けた案件の事を、面白がって聞き出そうとするからなあー、しつこいし。
ともあれ早く帰って、二人と作戦会議だ。
がちゃがちゃ、きぃー。どたどたどた。ばたばたばた。
「いやあぁぁぁぁぁっ」「まあ~てぇ~、ドロシーちゃぁ~ん」
「ルイーズ、ルイーズ、早く行ってっ」「嫌よっ、ドロシーが何とかして」
「ぎゃっ、ルイーズ、どうして止まるのっ」
「向きがかわたあぁぁぁぁぁっ」「ドロシー、早く早く、あっちいてえぇー」
何騒いでるんだ。「来たあぁぁぁぁぁっ、あっちてっ、来るなあ、来るなあぁ」
がらがら。あっ、リビングの片隅にドロシーとルイーズが追い込まれてる。
「優助けて、襲われるぅ」「優優優」
ラヴさんが怪しげな手つきで、獲物に迫っている。
「うへへへへへっ、観念して、おねぇ~様のものになっちゃいなさぁ~い」
こん。「あいったっ、誰、打つんならぁ~、もぉ~と、強くぅ~」
だだだっ、どたどたどた。二人が僕の後ろに隠れる。
「優、おそーーーいっ」「遅いよお~、襲われちゃうよう」
「ラヴさん、15時で帰るはずでは」「あれぇ~、もう帰って来たのぉ~」
「僕のお嫁さんに手を出さないで下さい、18時過ぎてますよ」
「えぇ~ん、もう少しだったのにぃ~、明日も来るから待っててねぇ」
「もういいです」「来ないで」
「だってぇ~、お金、持って来るからぁ、それとお~、『私を好きにしていい』券も、持って来るから」
「そんなの要らない」「要らないです、ねっ、優」
『私を好きにしていい』券、・・・かあー。
「優、要らないって言って」「言えないの、優」
「そっ、そんなのは要らないです、ええ要りませんとも、お金だけでいいです」
「じゃあ、お金を持って、明日も来ますねぇ~」「「来るなっ」」
ラヴさんは帰っていった、まさか二人が襲われているとは想像してなかった。
実はラヴさんが犯人でした、とか言う落ちじゃないだろうなあ。




