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私、ドロシー?  作者: パパスリア
警察に任せたいから、断り営業。
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警察に任せたい

 この部屋を事務所として整理した時、ホワイトボードとプロジェクターも、事務所の備品として、経費に計上(けいじょう)して買った。

 まあ、依頼がないと意味がないけど、だから普段は寝室にある。

 そして80型のスクリーンで見る映画は良い、ただスピーカーが内臓の物しかないので結構残念、儲かったらスピーカーも欲しい。


 がらがら。「すみません、お茶とお菓子を隣の机に置かせてもらっていいですか」

 とにかく狭いので、その都度物を動かさないと、置く場所がない。

 「はい、私は構いません」


 お茶とお菓子を僕の机に動かしてもらい、プロジェクターを来客用の小さいテーブルに置く。

 延長ケーブルで電源を確保し、スイッチオン。

 ルイサさんが、ゲートを作った物置を半分塞いでいるホワイトボードに、ドロシーが使っているパソコンの内容が表示される。


 「それじゃ、うーんっと、お名前をお聞きしてませんでした、僕は木下(ゆたか)、僕の右側の可愛い子がルイーズ、左の可愛い子がドロシー、二人共僕の助手を務めます、それであなたは」

 「あのう、フルネームですか」


 「出来れば、契約の時も、フルネームでお願いします」

 「私は、真法(まのり)・クリスティアナ(Christiana)・ラヴ(Love)と申します、私立千波大学付属高等部2年です」


 「被害に遭われた方は」

 「妹音(いもおと)百合(ゆり)私立千波大学付属中等部2年です」


 「ここまでお聞きした事柄(ことがら)をまとめると、百合(ゆり)さんが、被害(ひがいに)にあった場所は、青い葉っぱの森公園、そしてここ一月ほど、そこでレイプ未遂事件が多発している、ここまで間違いないですね」

 「はい」


 「百合(ゆり)さんを襲った犯人は、え~っと、何てお呼びしましょう」

 「ラヴ(Love)、愛です」


 「襲った犯人は、ラヴさんに瓜二つの容姿(ようし)で男だと」

 「そうです」


 「で、百合(ゆり)さんは、ラヴさんの手の込んだ悪戯(いたずら)だと思い込んでいるので、被害届を出す事を躊躇(ちゅうちょ)している」

 「はい」


 「このままだと、同じ犯人に再び出会った時、百合(ゆり)さんは、ラヴさんと思い込んでいる為、受け入れていちゃいちゃする可能性が高いので、犯人を(さが)して欲しいと言う事ですか」

 「Yes」


 「犯人を(さが)して、百合(ゆり)さんに被害届を出させる訳ですか」

 「説得はします、でも百合(ゆり)が、本当の犯罪に直面したと知った時に、怖がったら、それ以上は何も言わず、私が今以上に愛して上げようと思います」

 じゅるり。


 「僕が口を挟む事ではないのですが、ここのままあなたの悪戯(いたずら)とした方が丸く収まるのではありませんか、こう言っては語弊(ごへい)があるかもしれませんが、具体的な被害は、・・・無かったようですし、僕としては警察に任せたい」

 「(ゆたか)」「何とかならないの」


 「僕はドロシーやルイーズを危険な目に遭わせたくない」

 「引き受けて頂けない」

 「そうです、現状で、全く手がかりがありません」


 「(おぞ)ましい証拠は残してあります」

 「僕は科学捜査を出来ません、DNAが残っていても、犯人を特定する為の比較対象がありません」


 「何も出来ないのですか」

 「・・・出来るとすれば、(おとり)を使って、現行犯で捕まえる事です、

僕の所では受ける事は出来ません、僕がお世話になっている、ホームズ探偵事務所をご紹介します、あそこなら、人員も経験も機材あります、きっと助けてくれます、お金があれば」


 「お金ですか」「(ゆたか)冷たくない、ねえ」「私達も手伝うから」

 「ダメ、男なのに女子高生に化ける事が出来る、しかも最も親しい人間に成りすます事が出来る奴だ、きっと男に化けるのはもっと簡単だと思う」


 「私、(ゆたか)じゃない人は絶対分かると思う」「私も分る、絶対」

 「それだけじゃないよ、被害が頻発してるから、犯人が一人とは限らない」


 「複数犯と言う事ですか」

 「いえ、お聞きした内容からだと、模倣犯(もほうはん)愉快犯(ゆかいはん)の可能性です。警察が動いてない訳ですから、被害届が全く出されてない、もしそうなら、犯人は、どうやってターゲットと親しくしている人間の情報集めたのか、探偵より凄い」


 「・・・十分な報酬をお支払いすれば、引き受けて頂けますか」

 「いえ、それは」「どのくらいですか」「いっぱいくれるの」

 「はい、いっぱい、お支払いします、私のから」「「お断りします、帰って」」


 「え~~~ぇ、良いじゃないですかぁ~、二人共可愛いしぃ~、わたしぃ~、殿方もぉ~、大丈夫なんですぅ~~~」

 「帰って」「お引き取り下さい」


 「いだぁ」「「(ゆたか)見ないのっ」」

 両側から太ももを(つね)られた。

 「じゃあぁ、お幾らなら、引き受けて貰えますぅ~」


 「もう帰って下さい」「出て行って」「ドロシー、ルイーズ」「「だってっ」」

 一応お客さんだ、穏便(おんびん)にお引き取り願おう。


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