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HannaH II  作者: LR エルアール
序章
6/8

第4話 敵襲

読者の皆様え



•第4話。いよいよ戦闘開始です。


•一番上の、「へ」が「え」になってしまいました。申し訳御座いません。


•この小説を書きながら、"午前"に「午後の紅茶」を飲んでしまいました。大変申し訳ありません。


•ついさっき、友達の唐揚げに、勝手にレモンをかけてしまいました。大変申し訳御座いませんでした。

2月10日 8:57 ガリア地方 某酒場のカウンター


ハクはネミーから渡された紙を見て、言葉を失った。いずれ来ると予測はしていた。だが、こんなにも早く来るのは想定外だった。


バング地方軍地方司令官の任命書。


被任命者の欄にはハクの名前が書かれていた。

「まだこの私が承認(サイン)をしていないから安心したまえ。現在のバング地方司令官の要望を受けて作らせたものだ。」

ネミーはそう言いながら、酒を一口飲んだ。

ハクは何も言わず沈黙し、任命書を見ていた。


ネミーはその様子を気にも止めず、そのまま話し続けた。

「ハク•テンポー。バースにおいて、2番目に"所持者(アヴァラン)"にさせられた家系に生まれる。

軍の中でも極めて優秀な成績を叩きだし、僅か13歳という年で地方司令官に上り詰め、第1次ルーガ軍侵攻の際も大いに活躍したと評判。(ちまた)では"轟音"と呼ばれるまでになった。

しかし、そんな君は"深傷を負って以前の能力を失った"という理由で地方司令官を辞任。

現在は下っ端の兵士として活躍中。

ん~、辞任した理由は本当に"以前の力を失った"だけなのかなあ?」

ネミーはわざとらしくハクを軽く小突いた。

ハクは黙ってうつむいたままだった。

「はてさて、何故かな~?何故かな~?」

まるで、テストで高得点をとったことを自慢するかの如くハイトーン&至近距離で囁いた。


「分かってて訊いてますよね?」

少しの沈黙の後、ハクがやっと口を開いて、ネミーに目を合わせた。

「うん。でも、私は君の口から直接聞きたいんだ。」

ネミーは至近距離から少し顔を離すと、先程のおちょくり口調とは打って変わって、真剣な様子で言った。


「•••分かりました。話します。」

ハクは観念して、その事について話そうとすると、ネミーが突然懐中時計をだしてカウンターの上に置いた。

「えっと、これは?」

「今日の業務は9時で終わりだ。いいね?業務が終わったら上司と部下ではなく、プライベート感覚で話してくれるね?これは軍の最高司令官である私の命令だ。拒否はできないぞ?」

やってることがまるでパワハラだ。だが、立場上どうやっても逆らえない。


「•••分かりました。」

ハクは仕方なく了承すると、時計の針がカチッと9時を指した。

「よっし、じゃ全部話してよ?ハー君♪」

先程の真剣な口調が、今度は甘えるような話し方に変わった。

「久しぶりやな、その呼ばれ方。じゃあとりあえず俺が地方司令官やめた理由なんやけd」

「ちょっと待ちなよ。ハー君、まだ私にあの呼び方してないじゃない。言ってからじゃないと駄目だよ?」

ハクは、人が何とか昔の感覚で喋ろうと頑張っているのに、ネミーが水を差したことにイラッときた。


「•••ミーチャ•••」

「何?聞こえない。」

「ミーちゃん!」

ネミーに対して今、この呼び方をすることがハクにとってはかなりの苦痛だった。

「アッハッハッハ!ハー君ったら、顔真っ赤!」

ネミーは大笑いした。今この居酒屋に時間帯の影響もあって、客がハクとネミーだけなのが良かった。と、ハクは思った。

「笑いすぎや。てか、こういう状況やのに何でこんな事させられてんねん。」

ハクは真面目な話をするつもりだった。真面目な話なら真面目な話し方をするべきだ。

だが、ネミーは、真面目な話をふざけた話し方で話させようとしてくる。


「良いじゃん、良いじゃん、凄えじゃん。私とハー君の仲なんだし。」

久しぶりに例の呼び方をされて、ネミーは非常に上機嫌になった。

「はいはい。じゃあ話すで?」

溜め息を吐きながら、話し始めた。


ーーー


ハクはルーガ軍の一次侵攻の際に、カロワ•ヴァンテルアやゾー•ジーバンブーを始めとした猛者と前線で共闘し、大いに活躍したと世間では評判だった。

一次侵攻のルーガ軍撤退の決め手となった、精鋭部隊での敵本部突撃の時も、ハクは側面を担って味方の援護をし、敵の撃退に貢献した。

そんな功績を上げ続けたハクは、いつしか"轟音"と呼ばれ、敵からも要注意人物として警戒されるようになった。


が、実際のところはカロワやゾーのお零れにあずかっているだけで、功績も何もない。

敵の撃退も、ほぼカロワやゾー等の数人だけでやったようなものだ。


自分に高い位に就く資格など無い。

ただ、強者の隣に居ただけの男が何故称えられるのか、ハクは納得がいかなかった。


そして自分が足を引っ張ったせいで、カロワは敵に捕まり、ゾーを始めとしたジーバンブー血族の人間はほぼ全員が戦闘不能。

未だに意識が戻らない人もいる程だ。


自分に司令官でいる資格はない。

せいぜい、底辺でもがいているのがお似合いだ。

ハクはそう思って、バング地方司令官の座を降りたのだった。


ーーー


「まず"深傷を負って、以前の力を失った"てゆうのはホンマや。嘘ちゃうで。」

全て話し終わると、ハクはネミーに念を押した。

「それは分かってるよ。ハー君が嘘なんかつくわけないもんね。言うなれば本音と建前でしょ。」

ネミーはそう言って、餃子を頬張った。

「とにかく、今話したのが俺が地方司令官を降りた理由や。もうええやろ?俺にはあの席に座る資格は無い。」

ハクはそう言って、焼き鳥をかじった。


「やっとハク自身の口から聞けて良かった。じゃあ今度は私からハ-君に、ちょっと伝えたいことがあるから聞いてくれない?」

ネミーはなにやら企んでいるような笑みを浮かべて、言った。

「ええよ。何?」

「これはハ-君にとって凄~く大事な話だから良く聞いてね?」

「おん、分かったわ。それで何についての話なん?」

ハクはネミーを急かした。


「今から話すのはある3人についての話。

ティア•ゴッツタイン、テトラ•ロノーザ、ヴィラ•アプリシエイタルについてだよ。」

ネミーは3本の指を立てると話し始めた。


ーーー


2月14日 バレンタインデー バング地方 某病院付近


ダント、ハンナ、シン、ビットの4人は、ユリアをもといた病院に送っていた。

「ねえ、ビットちゃん。シフォルンはどこ行ったん?」

ビットに車椅子を押してもらっている、ユリアが聞いた。

「あいつなら、妹が倒れたかなんかで実家に行ったよ。ユリアにお大事にって伝言残してったけど。」

「うわあ、大丈夫かな?妹さん。」

ダントはビットの言葉を聞いて、少し懸念した。

「いや、あいつの事だからまた女遊びの可能性もある。というかそっちの方が信憑性がある。」

シンがさらっと酷いことを言ったが、そこにいた全員が(ハンナですら)うんうんとうなずいた。


「にしてもアウェインホテルがあった港町から大分離れたね。」

ダントが遥か約3km遠くに、かすかに見える海を眺めて言った。

〔ここから見ると、やっぱり港って大きいんだなあ 。凄い数の船だ。〕

ダントは港に泊まる大量の船を見て、目を見開いた。

「そりゃ、敵の進撃を受けないようにしているからな。この辺の病院は、ユリアみたいに防衛線で負傷した兵士が運ばれてくることもあるし。」

シンが言った。


そんな話をしていると、病院の入口に着いた。

「ありがとう皆、送ってくれて。しっかり体治してくるで。」

ユリアはそう言って病院の人に連れられて、入口に入っていった。

ビットが「またね~。チョコありがとう~。」とホテルでユリアに貰ったチョコレートを持って言った。

ダントは「バイバーイ。」と言った。

シンは「しっかり体治せよ~。」と言った。

3人は各々別れの言葉を言って、手を振った。

(ハンナは何も言わず軽く手を振るだけだったが)

「うん、またね~。」

ユリアも手を振り返して、ロビーに連れられていった。

4人はユリアを見送って、帰り道の方向に体を向けた。一行が一歩足を踏み出した瞬間だった。


ドッッッゴオオオオン!!


耳を破るような爆発音と、大きな揺れが辺りに響いた。

「な、何!?これ地震?」

ダントは倒れそうになりながら言った。

「いや、地震にしちゃ今の爆発音はおかしい!」

シンがふらつきながら言った。

「え?どっかで爆発事故でもあったのかな?」

ビットが電柱に掴まりながら言った。

「オイ、あれ。」

唯一微動だにしなかったハンナが淡々と言って、少し遠くの建物を右指で指した。

ビット、シン、ダントの3人はハンナの指した方向を見た。


燃え上がる炎。崩れる4階建ての住宅。


そして大量の、武器をもったルーガ軍兵士。


「馬鹿な• • • ここは前線からかなり離れてるんだぞ• • • 。」

シンが顔面蒼白になった。

「いつの間に前線が抜かr」

「いや、全く抜かれてないな。港を見ろ。」

ダントの危惧をハンナが否定した。

ダント達は港の方向を見た。確かに何もおかしな様子はない。いつもの港だ。

「• • • じゃあ、何で突然こんなところにいきなり現れたの• • • ?」

ビットが動揺して、頭を抱えた。


「いや、そんな事気にしてる暇はない!急いで本部への連絡と敵の撃退及び住民救助だ!アバリエナジーの解放(アンロック)を許可する!急ぐぞ皆!」

シンの号令で4人はアバリエナジーを解放すると、ダントの目が緑色に、シンとビットの目が黄色に変色し光り輝いた。

「本部への連絡はもう私がした。さっさと敵

の殲滅だな。」

こんな状況でもハンナは冷静な話し方で、淡々と言った。

「よし、急ごう皆!」

ダントはそう言って、全力で地面を蹴って走った。

キャラ図鑑4




シフォルン•フォスター(今回は未登場でごめん!)


身長186cm 体重70kg ♂5月20日誕


血液型AB型


趣味:サウナ、ハクとどっかに遊びに行くこと

嫌いなもの:生意気な子供、クレーマー。

好きなもの:金、酒、女、友。


外見:赤色の髪に茶色の目。スタイルも良い上にイケメン。


得意:敵の撹乱、市民の救助及び味方の救出、高速移動

不得意:頭脳戦、持久戦


エナジーレベル:84(フェーズ2)


眼色:赤、青


戦闘タイプ:サポーター


ステータス


攻撃:☆☆☆☆

速度:★★★★★★(Max)

頭脳:☆☆☆

能力:☆☆☆☆☆

体力:☆☆






ロノーザの富裕層に生まれる。乳児の頃に故郷のロノーザからバースに亡命してきた。


おふざけ気質なため、真面目な性格であるハクとは相性が悪いと思われがちだが、乳児の頃からの仲良し。

ハクと一緒にいることが多いが、たまに一人で✕✕✕✕✕に遊びに行く。

陽気な性格で、支持を集めやすいが批判も集めやすい。危機感が無く、地震で宿が崩壊しても笑って済ましていた。


ビットを筆頭とした舎弟のような人が数多く存在する。

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