ハットトリックを決めたのでアキバにでも行こうかな?
葉仙高校サッカー部のマネージャー・原田京子は頭を抱えた。
表彰台とは無縁のサッカー部が校長から廃部を言い渡されたからだ。
最後のチャンスとして昨年のインターハイで都内ベスト4となった名門校との試合で勝つことを条件とした。
そんな時、市立葉前高校に一人の生徒が入学してくる。
少年の名は秋村誠。小学生時代少年サッカーで一躍有名となり、中学校では全国制覇に導いた得点王だ。
京子は誠を部に勧誘するが断られる。
原田はしつこく食い下がり、なぜ断るのかを尋ねると――
「遊ぶ時間が――――、なくなるから」
「…………はあ?」
実は誠はエースストライカーとして活躍してきた一方、秋葉通いが大好きな趣味を謳歌するために生きるオタクだった。
「で……でも、それだけの実力を身につけたってことは、サッカーが好きだからじゃないの!?」
「サッカーは親に無理矢理やらされてきたんだよ」
誠は元プロサッカー選手の父のもとで、幼い頃からサッカー選手としての厳しい英才教育を受けていた。練習をサボろうものなら、殴られることさえあった。誠にとってサッカーは義務であり、楽しむためのものではなかったのだ。
対して、そんな誠をのびのび育てたかった母は、父のやり方を見るに見かねて争い、最終的に離婚し、誠は母に引き取られた。
父の圧力から解放された誠は、高校では自由に過ごすと決めたのだった。
――試合当日、前半戦終了0―1で葉仙が負けている。
さらに追い打ちをかけるように、選手一人が負傷し葉仙は十人で試合をすることに……。
もうだめかと思った矢先、帰宅直前でその騒ぎを聞きつけた誠が現れる。
必死に戦う葉仙サッカー部の姿に心を動かされたのかもしれない。
試合に出る条件として――
「三回シュートを決めたら、帰らせてください」
誠はそう言って、選手交代後の十分以内にハットトリックを決めた。
観客は歓喜に沸き立っている。
京子と選手たちは誠に感謝の言葉を伝えようとしたが、既に誠の姿はない。
「急がないと……店が閉まっちゃう!」
そういって誠はアニメショップへと駆けるのだった。
のちに誠は葉仙サッカー部とともにインターハイに新風を巻き起こすこととなる。
描いた後で見返してみて思ったのは……
わけわからん(笑)
なろラジでお題が出たら必ず一作送ると
決めているので、何とかひねり出したのですが
難しいですね……自分への戒めの意味も込めて
投稿します⤵