文頭に『ガチャを引いた結果』を入れると大爆死したように見えるマッチ売りの少女
ガチャを引いた結果、雪が深々と降り積もる夜の町で一人の少女がマッチを売っておりました。
「ガチャを引いた結果、マッチはいりませんか? マッチはいりませんか?」
ガチャを引いた結果、少女が懸命に声を掛けますが、誰もマッチを買ってはくれませんでした。マッチを売らないと家には帰れないので、少女はそれでも声を掛け続けます。
ガチャを引いた結果、少女は空腹でよろめき、レンガ造りの家の壁にもたれ掛かり、団らんの時を楽しむ家族を窓から見つめました。暖かい部屋、温かいスープ、温かい家族……少女はその一つですら持ち合わせておらず、手元には冷たくなったマッチしかありませんでした。
ガチャを引いた結果、少女は気を紛らわせる為にマッチを一つ取り出して、火をつけました。小さな火が少女のかじかんだ手を僅かに温めました。
ガチャを引いた結果、少女はもう一つマッチを取り出して、火をつけました。すると少女がお婆ちゃんと暮らした懐かしい姿がマッチの火から現れました。しかしお婆ちゃんはもう死んでしまっており、少女の目には涙があふれました。頬を伝う涙は、地面に落ちる前に冷たくなってしまいます。
ガチャを引いた結果、少女はマッチに次々と火をつけました。楽しかった思い出があふれ出し、少女の胸は僅かに満たされました。
そして──
ガチャを引いた結果……少女は明け方前に倒れてしまい、雪に埋もれて冷たくなってしまいました。