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光り輝く君であれ  作者: 天草 詩音
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生きる意味

毎晩見る夢は変わり映えしなくて、常に私は同じところでずっと一人。

 まるでいつ落ちるかわからない、暗黒の淵を彷徨っていた。私しかいない、私だけの世界で、死んだ魚のような目をして、足枷をつけられているかのような重たい足取りだった。

 

 あの日からこの暗闇いる間はずっと、両親の泣き叫ぶ声が頭の中を劈くように響き渡る。

 こういう時何かを考えていないと、そのまま崩れるように淵に落っこちてしまいそうな恐怖感に追いつめられる。

 私が両親を殺した。あの時、私が勝手なことをしなければあんなことにはならなかったんだ。あの鋭利な刃物が身体に刺さっていく感覚と、銃弾の音が10年以上たった今でも頭も片隅に残っている。

 

 今まで年を重ねるごとに、私には生きる意味があるんだろうかとずっと考えていた。唯一、怜音が私の家族に近いが、怜音だって死ぬまで一緒にいられるわけじゃない。いつかは、私も怜音から離れて自立しなければいけない時が来る。怜音は大人になったら大事な人や、心の底から信じあえる友人ができるかもしれない。

 そうなったとき、私は一人で生きていけるのだろうか。それが耐えられるんだろうか

 

 怜音から一緒に高校に通わないか、と言われたときに考えてたことがある。

 もし、高校を卒業したら、怜音に何も言わず、この土地から離れ、両親の好きだったスイートピーがいっぱいあるお花畑でこの命を絶ってしまおうと。

 そうすればもうこんな暗闇の中、永遠と一人でいる苦しみはなくなる。どうせならば、地獄で償いきれなかった罪を償わせてもらえないだろうか。

  

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