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二日目(手術の日)

手術の様子があります。グロくはありませんが、気になる方はお気を付けくださいー。


 そして二日目、手術です!

 手術は朝一番とのこと。

 朝食はいつも通り食べてよくて、手術45分前になったら術衣に着替えて点眼開始です。点眼は看護師さんがしてくれるのですが、眼科の病棟じゃないせいか、慣れていない看護師さんで、プルプル震えていました。・・・やりましょうか?

 さーて、緊張してきたぞ!

 私はまな板の上で寝ているだけとわかっているのに、なぜ緊張するのでしょうね。頑張るのは先生です。それでも私はかなり緊張していました。15分前になったらこの緊張もマックスになって緊張しすぎて気持ち悪くなったり手先が冷たくなったりするんだー・・・

「マロンさーん、もう先生呼んでるので行きましょう」

「えっ、まだ40分前ですよ?」

 先生、せっかちだなー。

 仕方ないので、とりあえずトイレだけ行かせてもらって手術室へ向かいました。


 手術室(前の準備室)へ行くと、手を振って待っている先生。フレンドリー。そんで駆けてきて

「おはようございます!よろしくお願いします!」

「お、おねがいしますぅ」

 先生元気だな。しかも先生自ら私に術帽をかぶせてくれてるし。ひぃ~。しかもまだ看護師さんたちが何か話してるのに、私の車いすをドンドコ押して手術室へ連れて行ってくれました。


 手術台へは自分で上がりました。シーツが敷いてありますが、その下には柔らかい凸凹が。あー、大きなスポンジ?そんな感じのところへ寝転がり、心電図、酸素チェッカーを取り付けます。ピッピッと私の心音が規則正しく・・・ないっ!

 私は平常時一分間に60回(心臓が)鳴りますが、明らかに速く82くらいになっていました。

しかも時々、ピ、ピ、ピ、うん、ピ、と休みが入ります。何、今の休み!?カスタネットじゃないんだから、全部ちゃんと打とうよ!

 あと、なぜか時々半音下がるんですけど、あれ、なんですかねー・・・気になります。


 さて手術は、いつものY先生と、もうひとり見慣れない眼科の先生がいて、あとは看護師さんがわらわらと数人いました。

 最初に両目の消毒をして、それから手術をする右目の消毒をさらにしますが、これがね、すごい勢いなんですよ。小さな鍋に入れたゆで卵かき混ぜてるみたいな感じ。それを水(じゃないかな?何か水分)をジャージャー流しながらやるもんですから、目ん玉バカになりそうです。

 それができたら、右目部分をくりぬいたビニールシートみたいなものを顔にかけます。で、右目が閉じないように固定します。毎度思いますが、あれでまつげ抜けないんですかね?抜けた気配はありませんが。


 手術の様子は、私、つまり手術されてる人間の視点になります。先生が何をやってるかは全然わかりません。感覚的には歯医者さんに近いかもしれませんね。

「上の照明見てください」

「うわっ、まぶしいです」

「がまんしてねー」

 いやいやいや、無理ですよ!!瞳孔開いてるんですけど!?

「あの3つの光の真ん中を見ててくださいね」

 目線を3つの光の真ん中に持ってくると「そうそう上手、そこ見ててくださいね」と言われて手術が始まりました。

 私の頭上にY先生、私の右側にもう一人の先生。このもう一人の先生はわき役に徹してて、ひたすら私の目に何かをかけています。たぶん、目が乾かないようになのでしょうけど、それをかけると視界がぶわーっと揺れるので、3つの光の真ん中を見てるのが難しいんです。反射的に瞬きをしたくなりますが、瞼がないし!


 さて、私の目はかなりやっかいらしく、しばらく私の目をごにょごにょやっていたY先生が

「うーん、これどうしようかな」

 って、今っすか!?今ごろその発言ですか!?

 と思ったら、意を決したらしい先生は、かなりぐいぐいと私の目の中の何かを引きはがしにかかっているようでした。

 先生がグーっと引っ張ると、私の視界がぐんにゃり歪むんです。

 当然3つの光はどこかへ行ってしまうので、それを見るべきか、それともなすがままにぐんにゃりしておくのか・・・私は前者を選び、ひたすら3つの光を追い続けました。

 しかしね、いくらシートがかかってるからと言っても、先生、そこは鼻の穴です。塞がないでください。

 ていうか、多分、顔の上に先生の使う器具が置いてあるらしい・・・


 長い間先生は私の頑固な癒着と戦っていました。

 私の視界はすでに3つの光を認識することができず、はっきり言って悪魔の顔にしか見えません。ムンクの叫びにもちょっと似ています。まあ、そこを見ていればいいのですが、もうちょっとこう、可愛らしく歪んでくれてもよさそうなものを・・・

 時間もかかり私の目も限界でした。

 たとえ寝転がっているだけとはいえ、ずっと目をかっぴらいて強い光を当てられているということだけでも消耗するようです。

「もうちょっと力抜いて」

「はいー」

 抜いてるつもりなんですけど、目の力って何?

「疲れてるのかな、そうだよね」

 と、先生もわかってくださっていました。

 それからズンと重い衝撃があったり、視界はすっかりぼやぼやになったり、痛かったりなんだったりしつつ、手術はやっと終わりました。


「数か所はがしましたからね。大丈夫ですよ。はい、次の人呼んでー」

 と、先生はまだ手術があるようでした。お疲れ様です!

 私の右目には大きな眼帯がつけられ、その中は軟膏が塗られていいるらしく、べたべたした感覚がありました。

 それにしても、痛い。

 目の中の切ったところは結構痛いんですね。頭が近いですし、小さな傷なのに大したものです。

 車いすで部屋に戻り、術衣を脱いだところで看護師さんが来ました。

「術後一時間は安静にしてくださいね。その間にトイレに行きたくなったらナースコール押してくださいね。その後も病棟からは出ないように、静かにしていてくださいねー」

 と言って去っていきました。

 なに!?

 今日はもう、病棟から出ちゃダメだと!?

 なんてこったーい。

 コーヒー飲みたかったから、コンビニ行こうと思ってたのにー!


 とはいえ、やはり体力的にはきつく、その後ぐっすり1時間眠ったところでお昼ご飯で起こされました。

 大きな眼帯(プラスチックの上からガーゼ)をしているので、うっかりすると食事に入りそうです。眼帯を抑えつつ、スプーンでご飯をかっこんで完食しました。ていうか、私、食欲あるなー。

 午後はとくにやることもなく、その日は安静にということだったので、本を読もうと思っていたのですが、痛かったり不快だったりして目を開けていられませんでした。手術ってこういうものですよねー。結局ラジオを聞いていました。

 そして就寝時間の22時を前に、気が付いたら眠っていました。



手術が終わりました。あとは退院だけですので、今日中に完結します。

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