7話:奥さんが妊娠、家の改修
1月を迎えると塾の方ではラストスパートに入り塾生も佐野も真剣になりピリピリした感じになった。1月になり最終模擬テストをして、自分の弱点補強の最後のチャンスとなり、3月を向けて合格の知らせが入った。3週目には8割方わかり3月21日に最終結果20人合格が決まり志望校合格率91%で予想通りの結果だった。
その後、4月になり新塾生の勧誘を4人で、すると今年は高校生が28名で中学生6人になった。今年から八王子でもビラ配りした事もあり最終的に高校生が34人となり佐野は八王子の中央大学に言ってアルバイト募集のビラを構内に貼らせてもらった。
そして5人学生の応募があり全員採用した。その中の1人は女性で。奥さん1人では大変だし、もし子供ができても対応できるようにした。そして給料を時給制にして、もし1人が用事で来れなくなっても他の学生が代理で交代できるようにし、先生の欠員が出ないように調整した。
そして、そのもしもが6月8日に起きた。その日、奥さん体調が悪く医者で調べると妊娠がわかり、出産予定日が12月12日と告げられた。そして奥さんが体調良いときだけは塾に来てもらい、悪い時は無理せず、彼女の実家で休んでもらう事にした。
やがて暑くなり、大きなお腹で、汗を拭きながら家事をしていた。そして寝室にベッド入れ新しいエアコンに変えた。学生の先生ぶりは春には、ぎこちなかったが夏を過ぎてだいぶ板についてきて、指示の仕方も上手になった。そこで、佐野は勉強の進まない高校生を呼んでマンツーマン指導をするようにした。
そして今年から年に4回、4,7,10,1月に模擬試験をするようにして受験生の弱点を早期に発見することに努めて、その弱点克服のために佐野が徹底指導を開始した。10月の試験で豪華が危なそうな4人がわかり徹底指導を始めると3人が自信をつけた。
しかし、もう1人がどうしても弱気癖が治らず、困っているときに、奥さんの文代さんが自分は絶対に受かると3回となえて、私は大丈夫と思いながら試験を受けなさいと指導すると、塾生の彼女が、口に出しても言いですかと聞くので他人に聞こえないくらい小さな声でねと言った。
実際に予行演習すると自信がわくような気がすると言い、明るい顔にかわった。12月9日に奥さんが産婦人科に入院し12月12日、元気な男のを出産し母子ともに異常なしで12月15日奥さんの実家に帰った。長男の名前を考え、鉄のような強い子に育って欲しいと佐野鉄男とした。
奥さんに勇気づけられた女学生が実家に行き、おめでとうございますと言ってくれた。そして1983年を迎えた。2月から試験が始まり2月末奥さんに励まされ女の子が志望校の橫浜市立大学経済学部に合格。その後、合格が続き最終3月17日に遂に1人が不合格になり完全制覇の夢は消えた。
それでも34人中33人の合格と、ほぼ完璧のできだった。そして来年度から高校生だけの応募を受けるようにした。今年は、アルバイト学生、全員にビラ配りに参加してもらった。そして、八王子、西八王子、高尾、相模湖、藤野の各駅でビラ配りした。
すると、最初から高校生の応募が53人に増えて、現在の学生が就職活動もなりやめたので全員交代となり10人の学生を応募して採用でき10人のうち3人が女性だった。この頃には塾での収益が加算されて佐野の投資資金500万円と資産が700万円となった。
今年3月最終週に父の知り合いの近く工務店に依頼して家を全部、1つの大きな教室にして18畳の大きなホールにして80人、入れる様にした。工務店の人が、土地が意外に広く建ぺい率も調べると150%あるから、将来、手狭になっても現在の平屋をそのまま2階建てにも出来ると言った。