5話:文代さんをデートに誘い、やがて胸キュン
最終的に17人の生徒で志望校には入れたのが14人で3人が不合格だった。それでも落ちた子に佐野は、すみませんでしたと謝っている姿を見て文代は、内心、素敵な人だなと思った。3月が終わり4月になり文代が来年受験の生徒募集のためのビラ配りに両親と弟を連れて手伝うと言った。
だから4人で、手分けしてビラ配りしましょうと言うと、そりゃ、ありがたいと、お礼を言った。但しバイト料金、1日千円お願いしますと言うので了解した。そして4月1日、2日の2日間、文代の母と弟は相模湖町駅で、文代と佐野が藤野駅でビラ配りをした。
その後、文代さんに6千円を渡すと、私は、入りませんと言い2千円返すので、そう言うわずに取っておいてと言うと、律儀なのですねと笑った。4月5日に高校生が16人、中学生が6人やってきた。そして4月中に高校生が22人中学生が6人になった。
これには佐野が喜んだ。昨年17人で今年22人で6人も増えたと言うと、今年こそは高校生全員合格を狙いましょうと文恵さんが言った。その後も増えて5月連休後までの高校生20人中学生10人の合計30人になった。そのため佐野が文代さんの給料を5万円に上げると言った。
人数が増え土日祭日で高校生の授業が2時間が3時間になり午前8時から11時までの3つになった。それでも、文代さんが昼食を用意してくれ、佐野は非常に助かった。今年の5月の連休の最終日、5月5日、時間空いてると佐野が文代さんに恐る恐る聞いた。
すると、ご希望なら空けておきますと言うと、あー良かったと言った。それを聞いた文代さんが、お腹を抱えて笑った。八王子で一緒に「スター・ウォーズ エピソード4・新たなる希望」の映画を見に行かないと言うので分かりましたと答えた。
そして八王子駅の北改札口、朝9時に待ち合わせた。時間通りに来て、ゆっくり歩き10分で映画館に入り、あらかじめ買っておいたチケットを出して入場して席に座った。その後、ポップコーンとジュースとコーラを買ってくると佐野が立ち上がり買って戻って来た。
映画は12時半に終了しデパートの食堂へ行きビーフランチとチキンランチを頼んで食後、佐野が映画の話を興奮しながらすると文代さんが佐野さんて意外に子供っぽいのですねと笑った。そして文代さんとデパートを回って洋服売り場に行った。
すると文代さんが、あのブラウス素敵と言うので見ると似合いそうですねと言った。佐野が、試しに試着させてもらったらと言うと試着すれば買いたくなるからと困った顔をすると、佐野が似合ってたら僕が買ってあげるよと言うとホントと言って着替えた。
色はピンクでデザインも良く似合っていたので買えばと言い値段を見ると8500円だった。それを見てレジへ行こうと佐野が言い、支払うと佐野さんは気前が良いから、お金ないのでしょと文代が言うと図星と佐野が、笑った。そして16時に喫茶店に行き、お茶して17時に店を出た。
八王子の駅から電車で先に佐野が、藤野で降りると、文代が今日は本当にありがとうございましたとお礼言った。それに対して、どういたしましてと笑いながら言って電車のドアが閉まると佐野は文代さんの顔が見えなくなるまで手を振った。
「この姿を見て文代は、胸がキュンとして佐野に母性本能をくすぐられたような気がした」
その後、文代さんは、まるで佐野の奥さんみたいに、まめに動いて教室の掃除や洗濯、炊事まで、してくあげるようになった。