12話:本田君の引越
やがて夏休みが終わり9月になり特に大きな問題もなく1987年を迎えた。そして1月の最終模擬試験をして106人中、8人が問題を抱えてることが解った。3人がメンタルの問題で、その他5人のうち3人が英語、2人が数学の弱点が渡った。
すると、ケイトが佐野に3人の英語の弱点を聞いて私が教えると言い3人を呼んで彼女は開口一番、英語は学問ではない単なる語学、覚えるだけよとハッパをかけた。問題用紙の英文を読ませて、すぐ紙を伏せ英文を話しなさいと言い、これを何回も繰り返し覚えた人から順に席に戻した。
つまり特訓をして最後に残った男子生徒に、
「あんた金を稼ぐために勉強してるのよ遊びじゃないのよ」とハッパをかけた。この大きな声に佐野も本田君も生徒達も驚いた。
30分位しごかれ、最後の男子生徒も解放された。その時、数学に問題を抱えた2人を佐野が教えていた。そして2月の受験シーズンを迎えた。2月終了時、志望校に不合格の生徒が10人いて、まいったな、今年は最先が悪いと佐野が心の中でつぶやいた。
3月に終了して最終不合格者数が4人の102人が合格。ケイトの特訓した3人は全員合格。国公立の第一志望校に不合格だったのが10人。それでも最終合格率96%志望校合格率91%となった。そして今年から予備校の人数を100人を超えた時点で募集を中止し最大110人までにした。
そして10人中5人が、彼らが捜してきた後輩学生と交代した。そしてケイトに本田君達が出て言ったので英会話教室が出来るようになったと言うと大学卒業後に使わせていただきたいと言われ了解した。そして今年もアルバイト学生全員で進学塾の塾生募集を各駅で1人2回、行った。
100人を超えた時に塾で待ってる佐野に電話をする事にしていた。そして100人集まった団塊で募集をすぐ止めた。知名度が上がったのか進学塾に直接12人来たので入学させた。その後、重複した人が3人いたの事が判明し、最終的に5月連休前に1987年度109名の塾生が集まった。
過去最高の数字に佐野は十分満足した。一方、株投資の方では1987年4月14日に証券会社から電話でソニー株さげて買い時ではないかと連絡があり120万円を追加送金し600万円とした。4月15日2600円で2千株を520万円で買い口座の残高が80万円となった。
そして佐野の資産は600万円となった。その後、何故かケイトが、佐野に先生が株投資してるって本当と聞いたので誰に聞いたと問い詰めると笑いながら、私、ボーイフレンドが多いから情報入手が早いのよといった。
佐野が、瞬時に、この話は、本田君にしかしていないので聞くと本田君が素直に認めた。最近、ケイトに駅前の喫茶店に誘われて佐野先生のことを根掘り葉掘り聞くので、今迄の出来事を全部話したと白状したようだ。
そして最後にデートにも誘われたと、うれしそーに話した。それを聞いて、佐野が本田に、お前、ケイトのタイプなのかも知れないぞと言い、上手くやれよと、肩をたたいた。彼は照れくさそうに、応援して下さいと笑った。