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天国のアルバ

作者: 朝倉新五郎

 遠い遠い昔の話


 アルバは仲間と共に宇宙を移動していた。

 肉体を持たない精神だけの存在。

 それがアルバ達だった。


 永い永い時間を掛けて宇宙を漂う。


 その旅は星を見つけるまで続いた。


 アルバ達には時間の感覚はない。

 仲間との会話もゆらゆらとした光で行う。


 そうして漂っていると、アルバはある星を見つけた。


 「僕はこの星にするよ」

 アルバはその星に可能性を見つけたようだ。


 まだ火の玉だがアルバはその星を優しく包んだ。


 やがて星は冷え、陸と海が出来た。


 アルバはゆっくりと降りると、最初の生物がうまれた。

 これはアルバが意図したことではない、星の進化だ。


 その生物に魂を与えた。


 アルバ達はこうやって星の生き物全てに魂を与える。


 単細胞生物は進化し、小さな生き物たちになっていった。



 草木や動物、全てにアルバは自分の魂を分け与えた。

 全てがアルバの子供達であり兄弟とも言える。


 1つのアルバの魂を分け与えられた存在だから。


 そして、その生命が無くなると星を包むアルバのところへ帰って来る。




 やがて永い永い時間を掛けて最初の人が出来た。





 「ねぇお父さん」

 まだ幼い子供がきいた

 「おじいさんはおほしさまになったんだよね?どれかな?」


 人は誰かを失うと空や夜空を見上げる。


 「チャッピーもいっしょだよね、きっと」

 子供はずっと空を見ていた。



 全ての魂は元々1つのアルバなのだから、空へと一度帰る。


 そしてまた生まれるとアルバから魂を分け与えられる。



 誰かを愛したり、失うことに涙したりするのは当たり前のこと。


 みんな元々1つのアルバなのだから。




 だいじょうぶだよ、みんなアルバのところへかえって


 またうまれてくるんだから


 あなたたちはすべてのいきものたちとつながっている


 ひとつのたましいだったものがまたひとつのたましいにもどるだけ



 この星をアルバが見守っている限りずっとずっと、それはつづく

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