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奇運な少年の日常

作者: きなっこ

僕は(あずま) 翔悟(しょうご)。何処にでもいる一般人。でも最近、ちょっと変わった出来事に遭遇したんだ。


何日か前に甘いものでも買おうとコンビニに足を運んだら、レジで銀色に光る物を持った怪しい男の人が店員さんと揉めててビックリした。

「−−警察−−−−早く金を−−!」なんて聞こえたし、強盗さんかな?



そういえばコンビニに行く途中、僕の前を歩いていた高校生のカップルの足元が光ったと思ったら消えちゃったんだけど大丈夫かなぁ。


たまたま近くにいたおばあちゃんが光に驚いて腰を抜かしちゃったから、お家まで僕の背中に負ぶって送ってあげたら美味しいお茶とお菓子をいただいちゃった。また食べたいな。



うわっ、今目の前を通ったトラックが、道路で立ち止まってしまった子供を助けに出てきた男の人を轢いちゃった…うぇぇ…。

子供は無事だったし、男の人が成仏できますように。



お家に帰ったら、1年半前から行方不明だったお兄ちゃんが帰ってきてた!

慌てて仕事から帰ってきた父さんと母さんが今まで何処にいたのか、って聞いたらお兄ちゃんは

「信じられないだろうけど…」

って前置きした後、ゲームの世界にいたって言ったんだけど、流石に聞いてた僕らも怪訝そうにお兄ちゃんを見ざるを得ないよね。



それを察したのかお兄ちゃんは今までどんな事があったのか事細かに話してくれたんだけど、お兄ちゃんはアクションゲームの主人公になっていたらしい。

でもやっぱりどこか現実から離れた話だったから、僕らも半信半疑だったけど、お兄ちゃんの体に数十センチの刃物で切られたような傷があるのを偶然見ちゃったから信じるしかないんだよね。


ちなみに傷を見た父さんと母さんは大慌て。

お兄ちゃんが傷は昔の物だし、漢はコレぐらいの方が魅力が増すんだ、ってどこかズレた事言いながら2人を落ち着かせてた。



==============================================


お兄ちゃんと久しぶりにお風呂入った。

「俺な、向こうの世界で女が出来たんだ」


良かったじゃん。

ゲームの世界に入る前はずっと彼女欲しいって言ってたもんね。


「あと、お前の姪も出来たぞ」


えっ?お兄ちゃん子供もいるの!?

お嫁さんも赤ちゃんも向こうの世界に置いてコッチに来ちゃっていいの?

お兄ちゃんが帰ってきたのは嬉しいけど、赤ちゃんにお父さんがいないのは可哀想だよ。


「だから、また向こうの世界に行こうと思っているんだ。勿論ちゃんと父さんと母さんに話す」


うん。それでこそ僕が憧れるカッコイイお兄ちゃんだよ。


==============================================



結局、父さんと母さんに話をしたお兄ちゃんはもう帰ってこれない事を知った僕らが開いたお別れ会をやった次の日、儀式のような物をやって向こうに行っちゃった。


魔法って本当にあるんだね。満月に照らされた魔法陣がキラキラ光って綺麗だったなぁ。


明日は学校があるし、準備して寝なきゃ。












半年後、お兄ちゃんは赤ちゃんを抱いた金髪碧眼の綺麗な女の人と帰ってきました。

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