2次元ワールド
ここは真っ暗な闇に包まれた部屋だ。
でも、あるボタンを押すと一気に明るくなる。
そのボタンは画面・・・パソコンの画面をつけるスイッチだ。
天井についている電気なんていらない。
ずっとそう思って暮らしている。
俺は・・・俺たちは、いつもここで作業をしている。
部屋から出るのは飯調達のときぐらいだ。
だがニートではない。
引きこもりに変わりはないが…
内職で食事代と電気代を稼いでいる。
まぁ無職に近いわけだが……。
俺たちにとってこの世界は生き抜くには厳しい環境なのだ。
全てが画面の中で、2次元で決まればいいのに…と何百、何千と思ったことか。
だがそんなことは不可能だと理解している。
そんな夢世界があるなら連れていって欲しいくらいだ。
そしてある日……
いつものように俺と妹はネトゲをしていた。
だが全て得意というわけではない。
人間だれでも得意不得意がある。
全ネットゲームをやり尽くしてなおやりたりない。
そんな2人に一通のメールが届いたのは徹夜明けの午後日が沈む頃だった。
「全ネットゲームをプレイしてなお足りない兄妹へ」という件名。
俺たち2人は他人に自慢するのが何より好きなのである。だから兄妹と知っていてもおかしくはない。だがメールアドレスまで知っているということに違和感を感じた。
2人に届くメールは全てゲームからだったりするのだから。
そして恐る恐るメールを開いてみた。
「あなたたちに相応しい世界を用意しました。是非来てください。」という妙な本文…その後に続く謎のURL…。
2人はゲームなどのURLは大抵覚えている。知らないURLを開くのは少し戸惑ったが結局開いてしまった。
するとその瞬間画面が一瞬「ピカッ」と光りいきなりライトを向けられたような感覚に襲われ目を閉じてしまった…。
そして少し経ってから体が変な感覚に襲われていることに気づいた。右手にはしっかりと妹の左手があることを感覚で確認したあと目を開けてみるとそこは・・・
見たことのない植物がはえていた。そして、今、自分がどこにいるのかを確認すると同時に悲鳴をあげそうになった・・・が妹はすでにあげていたので妹の前でみっともない真似はするものかと思い、堪えた。
空を猛スピードで落下している。
そしてなぜか背中には羽が…
羽の動かし方は知らなかったが今までネトゲ三昧が幸いしたのかそれをイメージして羽を動かした。
そしてここで俺は考えた。
あのメールの一件から全ての事柄を思い出し、考えた。
そしてここは現実ではないことがわかり。
俺たちが求めていた世界だとわかった。
すなわち、【2次元ワールド】