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新型コロナウイルス(COVID-19)がない世界線2

 「いやーいい世界だね」と未来。


「でもリモートもUberEatsとかのデリバリーもあまり使われてないし、やっぱりコロナで変わったことも多いんだね」

 テイクアウトはコロナで発展した産業の一つです。鬼滅の刃もそこまでヒットしてないのかな?あの時期は事前予約制のイベントや遊園地ばかりでしたね。キャッシュレスやセルフレジの普及も遅れています。サブスクもあんまりですし切符のネット移行も進んでいません。飲食店もタブレットを使ってませんし。


「それにあの騒動で普通の日常に改めて感謝できたしね」


「どんなことがあっても第三次世界大戦とかが無ければなんとかなるって考えられるし、いや第三次世界大戦も起きそうな雰囲気あるけど」


「そういえばいろんな表見てたんだけどこの世界は不登校の人がちょっと減ってるんだね」


 不登校。2024年現在小中学校で34万人がなっています。100人いたら3人は不登校なのです。私たちの学年にも不登校の人はいますし。


「でもなんでコロナで不登校が増えたの?」

「コロナの時ってオンライン授業だったでしょ、別に学校行かなくても勉強出来てるじゃんって話になっちゃったからね、その環境も整備されたし」

 コロナはやっぱりいろいろと変えたんですね。


「そろそろ戻ろうよ、この世界にずっと居たくなっちゃうし」


 ボタンを押して元の世界に戻りました。




 ふとコロナ禍の生活を思い出しました。ずっと家でスマホをいじってたこと、お母さんと二人でGotoEatで「無限くら寿司」に行ったこと、毎日3時くらいに速報で東京都の感染者数が出ていたこと、天気予報のように昨日の感染者数が流れていた朝のニュースも。そしてそれに慣れきっていたことも。初めてコロナに感染してちょっと苦しかった時のこと、リモートの授業のやる気が出ないあの感覚も。初めてワクチンを打ったこと。3密、パンデミック、アベノマスク、ステイホーム、ソーシャルディスタンス、アマビエ、いろんな用語達。コロナの閉塞感とかギスギスした感じ。誰もいない銀座や渋谷の映像。コンビニや飲食店のフェイスシールド。もう全てが懐かしいです。




(世界はあのとき物凄く変わってしまったけど、なんだかんだで慣れちゃったし人間ってすごいなあ)

 あの時期は逆に風邪とか全然ひきませんでしたし。逆にその後免疫が落ちて病気にかかりやすくなりましたけど。マスクを付けるのにもすっかり慣れちゃいました。若者はずっとマスクなんて可愛そうという人がいますが、私は自分たちを可愛そうだとは思いませんし別にマスクでいいじゃんとも思います。


 戦時中ってこんな感じだったんだろうな、と「この世界の片隅に」を見たときのように思いました。

 もしかしたらコロナで人生がいい方に変わった人もいるだろうし。


「でも卒業式とか修学旅行とか大会とかイベントをつぶしまくったのは許さないからね」

「それはそう」


 未来と二人で笑いました。


 「そういえばこんなところにノートなんか置いてあったっけ」と未来。

「本当だ」ふとそのノートを開いてみます。そこには


「この状態で頑張ってくれて、この世界の私たちありがとうございます」

「大変だっただろうけどよくやったね!」「医療関係者の皆さん、ありがとうございます。」


という寄せ書きがありました。


 「きっと向こうの私たちはすごい驚いただろうね」

「まあ振り返ってみると映画の世界みたいだったからね。」

2019年の私は絶対信じないでしょうし。

「ポストコロナと呼ばれる時代になったけど、あのときより前には絶対に戻れないんだね」

「まあ、また頑張っていこう」


「未来何やってます~?、早く行きますよ~」と楓が声をかけてきました。


「はいはーい」と未来は振り返ります。


 空はまるでコロナの大変な時期を超えて気分が落ち着いたように晴れてきました。

新型コロナウイルスで当たり前の日常が当たり前でないと分かった人も多いのではないでしょうか。

このコロナ禍で亡くなった方にご冥福をお祈りいたします。

 次回はバブル崩壊をうまいこと回避した日本です。

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