表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/47

枢軸国がWW2で勝利した世界線4 

 様々な問題があるこの世界。


 そして最後にこの世界の問題としてー


日本史の授業


「え!?こんなに覚えんの?」


とても驚いて声を上げる未来。


「当たり前ですよ鈴木さん、台湾も朝鮮半島も日本なんだから」と当然のように言う先生。

「・・・」



 日本史や日本地理で覚える内容が増えたことです。都道府県の数は47に加えて台湾13県、樺太2道、朝

鮮半島13道22府、南洋諸島1県に昭南特別市(シンガポール)と、かなり面倒になっています。朝鮮半島

や台湾も日本なので大河ドラマでも世宗(セジョン)などそのあたりの偉人も取り上げられています。

 この世界の私たちの修学旅行先は沖縄から南洋諸島に変わっていました。


 大戦勝利すぐの頃はインドシナやマレー半島も日本の領土でしたが、まあ広すぎて日本の管理も難しか

ったのでしょう。冷戦が始まると、日本軍駐留を条件に独立させました。




「ねえ、そろそろ戻らない?」


 放課後になって教室に人が少なくなった頃、未来が話しかけてきました。


「歴史や地理を覚えるのが面倒なだけじゃ・・・」

「うっ!それよりこの世界はけっこう面白かったよね。大変そうだけど」ごまかしましたね。

「世界の警察の役割は重いね、ホントにアメリカは大変なんだね・・・」

 トランプ大統領が登場するわけです。

「実はあのタブレット持ってきたんだ」



 かばんから昨日の「元の世界線に戻る」と表示されたタブレットが出てきました。


「タブレットは持ち込み禁止なのによく持ってきたね」

「じゃあ押す?」

「ちょっと待って」


私は涼子に駆け寄り質問しました。


「ねえ涼子、日本が太平洋・・・大東亜戦争に負けたらどうなると思う?」


「えー・・・そりゃ日本はアメリカとソ連で分割統治されて、日本語の使用が禁じられて、陛下は殺されて日本の2600年の歴史が終わり、欧米列強による植民地支配も永遠に続いて日本や亜細亜は永遠に搾取される貧乏な国になるんじゃないの?」


「・・・ありがとう教えてくれて」



 涼子が?という顔をしていました。


「これがこの世界の予想・・・」


「悲惨すぎる、日本が世界2位の経済大国になるとか言っても誰も信じないと思うよ(今は4位だけど)」


「こういう予想は難しいね・・・」

「じゃあせーので押そう」


 せーのでボタンを押すと周りがまた光って、目を閉じました。



 目を開けるとそこはもちろんいつもの教室でした。


「ほ、本当に戻ったのかな」


 日本史の教科書を確認してみます。


1945(昭和20)年8月 広島、長崎に原子爆弾。

ソ連参戦。

ポツダム宣言受託。


「も、戻れたんだ」


「それにしてもこの二日ですっかりあたしと話せるようになったじゃん」


「え、そうかな」

 言われてみれば・・・

「ほらLINEまで交換したし」


 なんとなくLINEを確認してみました。するとそこにはこう記されていました。


「いやー今日はいろいろあったね!まさか神国日本が負けてるなんてかなりショック、お休み」


 思わず二人で顔を見合わせて笑ってしまいました。


 そうか、あの説明によると向こうの世界線の私たちと入れ替わったんだから、こういうことになるのかな。


向こうの私はこの世界をどう思ったんだろう。さっきの涼子の考えをみるに「思ってたよりだいぶマシ」

という評価でしょうか。あの世界の日本も「世界の警察」としての役割が大変そうでしたが、頑張ってほ

しいものです。


「沙羅、また鈴木さんと話してるー痛った」振り返ると涼子がいます。なぜか机に体を思い切りぶつけて

いましたが。

「そろそろ行こ、今日は美術部あるんだから」

「あ、私も今日ダンス部だ、沙羅バイバーイ」


「バイバイ」

挿絵(By みてみん)


未来はそのままタブレットをバッグにしまって行ってしまいました。


「それにしても沙羅、本当に鈴木さんと仲良くなったじゃん名前呼びまでしてたし、何かあったの?」


「いや、特になんもなかったよ」


 またあのタブレットを使ってみたいですね。そして未来ともっと仲良くなりたいです。

日本の戦勝編はこれでおしまいです。

次回は「もし新型コロナウイルスがなかったら」となります。次回も読んでくれたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ