日本が南北に分断された世界線14
これ以前は「日本が南北に分断されていたら2」をご覧下さい。
1994年3月 南北実務者会議「ここから東京は遠くありません。戦争が起きれば火の海になりますよ」
6月 北日本、IAEAからの脱退を宣言。
11月
アメリカが北の核兵器製造を阻止するため青森六ヶ所村の核関連施設を攻撃、第二次日本戦争開戦。北日本も東京へミサイル攻撃、地上侵攻など反撃し全土に戒厳令が発令される。しかし国連安保理でロシアや中国(中立を宣言、アメリカに対して停戦を要請するに留まった)による協力を得られなかった北日本は劣勢に立たされる。
ロシアや朝鮮に渡る難民が大量に発生、問題となる。アメリカは全世界の半分に展開する航空戦力の半分を回し、日本は時限立法を制定しアメリカに最大限協力、国連軍の介入も決定。北では戦時独裁体制となり大粛正も敢行。戦争孤児やインフラ破壊による人道危機が発生。
1995年1月 阪神淡路大震災発生。戦争の最中の地震は流言流布などが起き日本を混乱させた。
3月 ○○書記長、中国へ亡命し指導者が不在の状態に(地下鉄サリン事件は警察のオウム捜査が戦争により停滞したため未発)。北日本軍は指揮系統を失い混乱。アメリカが支援していた反体制派による円卓会議が開催され無政府状態を解消した。
北日本の国有資産接収を目的とした公団が設立。
4月 日本国防軍と在日米軍、北日本全域を制圧。この第二次日本戦争で軍人と民間人合わせて50万人が死亡した。北日本は国連のPKO暫定統治下におかれる。選挙制度や資本主義について国民への教育準備を開始する。アメリカ・ドイツが復興支援に数兆円規模の援助。札幌は失業者であふれ荒廃した。
5月 5カ国首脳会談開催。
7月 南北日本のEATO加入を確認。旧北日本を特別経済再建区とし通貨交換レートでドイツの失敗を避けて適切な交換レートを設定。しかし経済へのダメージは大きく「失われた10年」に突入。
9月 アメリカ・イギリス・ロシアと南北日本で日本最終規定条約が締結される(ロシアは統一に反対だったが、ドイツと同じく日本を押さえ込むためにEATOに加盟することを条件に賛成した)。中国・朝鮮はこの条約に強く反対した。
10月 日本再統一法可決。旧北日本国民に日本国籍を付与し東北6県と北海道地方11県と樺太道が成立した。旧北日本軍も国防軍への再編が実施されるが、その課程で多くの失業者が出た。
1996年8月 自民党が政権を奪還、橋本龍太郎大統領就任。
1997年6月 徴兵制、良心的兵役拒否が認められる。軍の余剰兵器を廃棄する国営会社を設立。その課程で多くの軍需品が闇市場への流出や武器の国外密輸がされていたことが後に明らかとなっている。
7月 アジア通貨危機発生。日本は戦争の混乱もあり経済危機が深刻になった結果、IMFによる救済が実施。
12月 京都議定書採択。
1998年2月 冬季オリンピック長野大会開催。
2000年4月 小泉純一郎が大統領に就任。旧北日本地域の人口を再集計する。
2001年9月 アメリカ同時多発テロ発生。
2003年3月 イラク戦争開戦。日本も参戦し、国防軍再編のため設置された海外派遣部隊が派遣された。
6月 民間軍事会社(PMC)関連法案が成立。旧北日本軍人の就職支援及び治安悪化への対応のために制定された。
2004年5月 沖ノ鳥島で中国の海洋調査船が資源調査を行って軍事衝突の危機(沖ノ鳥島危機)。
2005年2月 規制緩和により非正規雇用拡大、日本の「失われた10年」からゆっくり脱却し始める。旧北日本の経済問題も仙台・札幌・釧路・豊原・稚内・苫小牧などに構造改革特区を作り半導体の工場などが集積し解決に向かう。また、石油や石炭など天然資源の輸出と武器生産も主要産業となった。
2006年8月 麻生太郎が大統領に就任。
10月 日本に核兵器保有疑惑が浮上し、IAEAの査察をうける。
2008年9月 リーマンショック発生。再び日本は深刻な不況に入る。
10月 東北自動車道開通。
11月 G20に日本も参加。
2010年3月 東北新幹線開業。
4月 青少年健全育成法制定。児童ポルノなど不適切表現を規制。
8月 政権交代、民主党の鳩山由紀夫が大統領に就任。
2011年3月 東日本大震災発生。旧ソ連製の福島原発で原発事故発生。
2014年8月 安倍晋三が政権を奪還、大統領に就任。この際、南北共同で初めての選挙が実施される。「第2の建国」宣言。
2015年12月 新日本国憲法公布。日本の統一を反映するとともに、財政規律条項の制定、一票の格差是正などが加わる。
2016年3月 羽越新幹線開業。
10月 福岡協定締結、日本と朝鮮のパスポートなしでの行き来が認められた。
2020年4月 新型コロナウイルスによって都市封鎖。
9月 青函トンネル開通。現在、宗谷海峡にもトンネル建設中。
2022年2月 ロシアによるウクライナ侵攻開戦。日本はロシアとの国境地帯の警備を強化した。
7月 ヘイトスピーチ禁止法制定。
9月 菅義偉大統領就任(初の旧北日本出身大統領)。
12月 仙台で北日本体制の復活を目論む集団によるクーデター未遂事件発生。
2023年4月 和歌山県で菅大統領襲撃事件発生。
2030年 冬季オリンピック札幌大会開催予定。札幌まで北海道新幹線開通予定。
「で、これはどうしてこうなったの?」
「北日本の核問題がこじれてアメリカと戦争になって統一された世界だね、現実の北朝鮮もこうなりかけたけどぎりぎりで回避されたわけだね」
さてこの世界では統一により日本の大規模支援や企業が次々旧北日本に参入し、旧北日本の企業が倒産、南でも安価な労働力の登場により多くの失業者が出ました(失われた10年)。しかし新幹線や高速道路の再整備、戦争からの復興工事といったインフラ整備で失業率は低下しました。さらに安価な労働力が一気にもたらされて、(この世界ではプラザ合意を締結してない)景気回復。ITや携帯電話への投資も積極的にされています。
1990年に1.57ショックも起きたばかりでしたが北日本の登場で少子化問題も延命されました。なのでこの世界でも日本は長い統一の不景気から立ち直り世界3位の経済大国です。ただ不景気の度に「統一前の方が良かった」の声が聞かれるようです。2022年にはこれによる国会議事堂襲撃計画などクーデター未遂事件も発生しました。しかし仙台や札幌、豊原などの特区へ投資が集中的に行われたので一極集中は鈍化しています(もともとこの世界では京都大阪に分散してましたし)。一方で北出身者への差別や反体制運動が問題になっています。さらに治安の悪化によるギャングや麻薬の密売、地下に潜った反体制運動などもありそうです。また旧北日本の武器密輸も大きな問題になっています。
「でも徴兵制はあるんだ」と未来。
「この世界、朝鮮半島が全部北朝鮮だし、樺太でロシアと国境接したし、さらに中国もいるからね・・・」日本周辺はどっちみち大変です。ロシアはこの戦争以降、極東での軍備を大幅に増強しています。米露の緩衝地帯も作りたいでしょうし。
「まあそれはおいといて・・・未来、ありがとう!」
「え、なんで急に♪」
「もし私一人だったらこの世全てに絶望してたと思う・・・未来が一緒だったから安心したの、それで、えっと」
言おう、この場で今度こそ・・・断られたらどうしよう。気まずくなっちゃう、もう二人で楽しく過ごせないかも・・・
「ずっと友達でいようね」
やっぱり言えなかった・・・
そしてタブレットで「元の世界に戻る」を押すのでした。
帰りの電車の中で未来は久しぶりにインスタをチェックしています。すると突然「あー!!!!」と大声を出すのですからびっくり。
「どどどどうしたの!?」
「これ、勝子じゃないの?」とスマホの画面を見せられます。
そこには有名なインスタグラマーらしき人のアカウント。服装はおろか名前も違うし写真も加工されてるけど・・・確かに勝子です。そう直感しました。
「勝子、幸せそう★」
「向こうの世界でも楽しく過ごせますように」と私たちはそう願うのでした。
未来と別れて家に着き、クッションとぬいぐるみを大切に抱きしめていると涼子からLINEが。
「皆でキャンプいかない?」
・・・行こうかな。夏休みっぽいこと全くしてないし。
次回は番外編です。




