表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/56

日露戦争で日本が惜敗した世界線2(大正デモクラシーが成功した世界線2)

「こんな都合良く行く?」と作者も思っていますが、相当に運が良かったんでしょうねこの世界の日本。

 教室に入るといつもと変わりません。さっそく教科書を見てみたら上の通りです。

 「日本史も冷戦もめちゃくちゃだよ、米独冷戦状態になってるし」まさかのドイツとの冷戦が発生してます。バタフライエフェクトにも程がありません?


「なんか考え方とかもあたし達と同じになってない★」

「そうだね、日露戦争で負けたからかな?」


 確かに大日本帝国にしては変わってますね。そもそも名前が日本国になってますけど。この世界の日本は「朝鮮や満州などに大陸に利権を持ってない、持てない」のでその分日本国内に投資や改革が出来てさらにアメリカの防波堤となるという戦後の流れを40年速めたわけです。大正時代からの流れで「自由と個性」が認められ自由に創作表現ができたりとにかく民主化されています。名前だけ大日本帝国なんですけどね。


 日露戦争の敗戦や欧州に派兵して参戦した第一次世界大戦の凄惨なことが伝わって国内では軍を信頼することなく安定した民主主義国家が続きます。第二次世界大戦でも欧州に日本の力を見せるためか援欧部隊として全力で出撃しています。日本は連合国の一員なので軍縮とはいいながらも核保有、常任理事国入りしてます。


 日本は空襲も受けてないので現実では消滅した名古屋城天守閣や広島県産業奨励館などの文化財が多く残されています。鉄道の戦時買収もないので、関東には南武鉄道や武蔵野鉄道、関西では阪和電気軌道や新京阪電鉄が今も走っています。統帥権も明確に内閣が持っていることとなっています。というか財閥解体・農地改革をGHQなしでやってるあたりがこの世界の民主主義のすごさを物語っています。


 女性の議員比率も高くなっており、選択的夫婦別姓・同性婚も認められています。



「また歴史の教科書二人で見てる」「何やってるんでしょうね?」

 お二人さん聞こえてるよ。

「・・・楓のお弁当そんなだっけ?静岡のご飯ばっかり」

 楓のを見るとしらすと黒はんぺんがのっかっています。

「未来ったらまたまた~食育推進政策で半分は地元由来の食材使いましょうってなってるじゃないですか~」

「そ、そうだったねー」

 な、なるほどこの世界の民主主義のレベルはすごい高いようです。というかもう自由に話せる社会主義国家では・・・?


「次の現代文は札幌の人とリモート対話ですよ、未来も楽しみですよね~」と楓。

「私あれ苦手なんだよなー」と涼子はぼやきます。

「う、うんそうだねー楽しみ」と若干棒読みの未来。

涼子は食べ終わったようで「ごちそうさまでした」と丁寧な挨拶をします。



 教育のレベルもなんだか上に変わっています。学校同士の交流が盛んです。


 この世界の子育ては、まず産まれたら「子育てパートナー制度」が自動的に適用され保健士やカウンセラーが連携し支援してくれます。育児休暇の取得率も男性も8割を超えています。小中高が義務教育で学費・給食費・教材費・交通費は大学院まで全て税金負担されます。教育バウチャー制度も導入されてるし大学や大学院も学び直しが簡単にできる制度だってあります。また、AIなどの最新技術を使った個別最適プログラムが構成されています。


「私のプログラムは・・・やっぱり私の得意教科が中心だけど数学とか理系もわかりやすく教えてくれるって感じなんだね」


 他にもこの世界の社会保障は本当に充実しており、平均寿命は世界最長なのはもちろん、貧困率はとても低く大学進学率は8割と驚異的な高さを誇ります。出産費用の他病院の経費も税金で負担されるので医療サービスも充実しています。北欧以上の高負担高福祉国家ができてるんですけど。養育費立替金制度という、離婚後養育費の支払いが滞った場合に保険局が立て替えるという制度もあります。


 またこの世界では環境対策も進んでいます。ビルの屋上はどこも緑化とソーラーパネル化されています。窓ガラスによる発電技術や洋上風力発電も積極的に使われています。一方で、山にメガソーラーを作ることは法律的にほとんどできないようになっていますし太陽光パネルの再利用も設置業者に義務づけられています。海には道路を走るクルマは水素を燃料とした燃料電池車や水素エンジンを使った車が日本のクルマ全体の1割を占めています。当然水素ステーションもあちこちにあります。


「水素が当たり前に使われてるんだ!?」

「水素作る課程で二酸化炭素は出るけど、そこは二酸化炭素貯留技術とかで解決できるし」


 水素で走る電車や船などエネルギーとしての利用の研究はこの世界でも現実でもどんどん進んでいますが、この世界はその技術革新が早めのようです。日本の技術が本気で環境に投資された結果がこれですか・・・SDGsの理想図なのではこの世界の日本。


 あとは消費税が24%なことくらいですかね。食料品や交通機関などは軽減税率が適用されて19%、7%で文化施設への入館・・・みたいな感じです。医療費や教育費はただです。

「高いよー!!」

「まあそのおかげで福祉が行き届いてるのはいいことだよ」


「惜敗だから酷い目に合わないし、世界である程度の地位を持った国、民主主義がいきとどいて社会保障が充実・・・この世界の方がいいんじゃ・・・」


 そしてこの世界、世界情勢がとんでもなく変わっています。

「日露戦争は日本だけじゃなくて世界に様々な影響をもたらしたんだね」

 この世界では社会主義が早くに崩壊したため、それこそ現実のナチスドイツのような扱いを受けており、新自由主義の考えも早くから広まっています。その分今では左派政権が台頭してきています。


「日露戦争は第ゼロ次世界大戦と呼ばれるほど様々な国が関わってるからね」


「その結果こうなったかも・・・?ってことだね」と納得する未来。



「そういえばロシアってなんでウクライナと戦争してるの?」

素朴な疑問を未来は出してきました。

「それはナトーが関係するの」

「納豆?美味しいよね★」

「北大西洋条約機構(NATO)!!」思わず強くつっこんじゃいました。

「でNATOってなんだっけ?ニュースで聞いたことあるよ」

「NATOはアメリカが作ったやつで簡単に言えばこれに加盟したらもし他の国が攻撃してきたらアメリカとか他の加盟国みんなが助けてくれるって感じのやつだね、これは冷戦時にソ連・ロシア対策にできたモノなの」

 集団的自衛権というやつですね。今の日米安全保障条約もこれにあたります。

 「へー、じゃあウクライナもそのNATO入ればロシアは戦争をやめてくれるんじゃないの?」

 そ、そうきたか。

「じゃあロシアの立場になって考えてみて、もし周りの国がどんどん自分たちの敵になってってとうとう隣の国まで敵になるっていったらどう思う?」

 日本で言えば韓国が敵になる感じ・・・?

「それは怖いね・・・」

「そう、ロシアの隣のウクライナもNATOに入ろうとした、だからロシアはこれを止めさせるために特別軍事作戦を決行したの」

 でもウクライナにとってみればロシアは怖いし、クリミアをすでにロシアに無理やりとられたので何が何でも自分の国を守りたいというのも当然です。

「ウクライナは停戦するならNATOに入れさせて、ロシアは停戦するならNATOは諦めてと言ってるから戦争が終わらないの」

 戦争は始めるのは簡単だが、終わらせるのは難しいとはよくいったものです。

「どっちもこの条件は譲れないもんね」


「戦争の理由にはお互いに理由があるし、どっちも正義と考えてることを念頭におかなきゃ」

 結局どうしたらお互いが納得する停戦方法が見つかるのでしょうか。本当に難しいはなしです。




「この世界の日露戦争で日本は、陸は負けて海では大勝したけど大陸権益を失ったから実質惜敗判定ということみたい」


「あ、現実の日本とほぼ同じ感じの土地になるんだね」ただ、竹島とか北方領土問題とかはないでしょうね。尖閣諸島問題はあります。

 だけどこの世界、日露戦争も第二次世界大戦もないせいで東南アジアなどの植民地の独立が10年くらい遅れてるんですよね。それも冷戦構造の中でちょっとずつ直りましたが。




「ただこの世界は[惜敗]であって[大敗]だとどうなってたか・・・」

 そもそも皆さんお察しの通り、この世界すごく都合良く進んできてますからね。「WW2で日本が勝利した世界線」などと差別化しようとした作者の苦労の産物です。

「どうなるの?」

「それは又の機会にってことで」

「えー」

 この後元の世界に戻りました。

次回は「最悪のシナリオ」の世界です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ