探訪の始まり
この作品を閲覧して頂きありがとうございます。
初登校の作品のため、至らないところがあるかもしれませんがどうかよろしくお願いします。
なおこのシリーズに特定の個人や団体は関係しておらず、誹謗中傷をする目的も一切ありません。また特定の政治思想とも一切関係はありません。またできる限り政治面で公平中立にしますが、どうしても思想が偏ってしまうかもしれません。
静岡県焼津市、静岡市の西隣にある魚の水揚げ金額が日本一で有名な町です。歴史で言えば小泉八雲が晩年を過ごし、第五福竜丸事件でも有名な場所です。ヤマトタケルが草薙の剣を使った場所でもありますね(地名の由来でもあります)。
あ、えっといいのかな話して・・・内山沙羅です。16歳で高校2年生に上がったばかりの女子高生です。成績は真ん中くらいです。一応?このシリーズの主人公になります(私なんかでいいのかな・・・)。よろしくお願いします・・・
それから・・・長所とか好きな物?長所・・えっと絵は自分で言うのもなんですがうまいとちょっとだけ自身を持って言えます。一応ネットに絵を上げたりしてますが、無名の存在ですね。というか絵以外に自分の自慢出来るとこなんてないですね。・・・あ、歴史とか公民は得意です。電車に乗るのも好きです。あとは・・・アニメ好きです。あと何言えばいいんだっけ?・・・あ、でもルールはちゃんと守るタイプです・・・たぶん・・・あと「優しい」って言われることあるけど自分ではよく分かりません。
短所・・・すぐ緊張しちゃうし運動が極端に苦手だし好きなこと以外の物覚えも悪いし、主体性もないし器用でもなければ要領も悪いし授業中に関係ないこと妄想して話聞けてなかったり、座ってても足や手をどこか動かしてて落ち着きもあまりないです。感想文を書くことと、人と話すのも苦手です。ほんといっぱいあります、暗くなっちゃってすみません。
まあ一言で言えば「陰キャ」というやつですね。もちろん恋人なんて今までも今もいません。こういうの恥ずかしいな・・・
ピリリリリリリ!!
枕の下に入れたスマホのアラームで目が覚めました。時刻は朝5時半です。黒猫のぬいぐるみを抱きしめて、眠い目をこすりながらゆっくりと体を起こします。ちょっと動画でも見てようかな・・・と思ったけどボーッとしちゃう。今日はイヤな夢見ちゃったな。自分が貨物列車にひかれて死ぬ夢なんて見たくないよ。
しばらくして正気に戻ると、そーっと歩いてお手洗いに行って、洗面所で顔を洗います。冷たい水にびっくりしながら、寝癖がないか顔をあげて鏡を見ます。背は平均よりちょっと下で眠そうな目に、おっきな黒い丸い縁の眼鏡をかけていて、肌は日焼けなんて一切無く真っ白で、黄緑で胸元にリボンがついたパジャマを着てておかっぱの髪の毛をしたパッとしない地味な子。これが私です。
「今日も一日、頑張るぞい!」
私は狭いアパートの一室でお母さんと二人で暮らしています。6時になると眠そうにお母さんも起きるので、カーテンを開けて太陽の光をいれたらテレビをつけます。
<おはようございます、令和6(2024)年4月15日、月曜日です。最初のニュースは・・・>
テレビを見ながらの朝ご飯は食パンとヨーグルトを食べます。私はパンを焼かず何もかけない方が好みです。パッケージのシールをお皿引き換え用の紙に貼り、歯を磨き、髪をクシでとかします。靴下をはいて制服を着ると、学校に行くって実感とちょっとの面倒くささがわきます。
お皿を洗って掃除機かけてゴミの日なのでゴミ出して、あっという間に7時を過ぎました。
私が通う学校があるのは家の最寄り駅から東海道線で東へ約25分、静岡市。
静岡市といえば静岡県の県庁所在地で人口約68万人の政令指定都市。今川義元が居城を構え、徳川家康が幼少期と晩年に過ごし、プラモデル生産やマグロ水揚げ量日本一。サッカーでおなじみで、清水のちび○子ちゃんも有名ですね。そして都会と田舎のちょうど中間な感じの街です。
そんな静岡市にある幼稚園から大学までそろったエスカレーター式でカトリックの聖葉学園付属高校、それが私の通う高校です。ちなみに私は3階の2年B組です。
しっかり忘れ物がないか確認したら黒猫のキーホルダーがついた黒いリュックをしょって、小さく「行ってきます」とぬいぐるみに呟いてお母さんと一緒に外に出ます。お母さんの車で5分ほど進むと駅前です。
「行ってきます」毎日駅まで送ってくれるお母さんに挨拶。
「行ってらっしゃい」
狭い階段を登れば狭い改札口があるから、定期券をピってして。ホームの奥の方まで行って鼻歌を歌いながらそっと電車を待ちます。7時19分の電車は211と313の連結した6両編成。満員電車でイヤホンをつけて流れていく景色を見たら、月曜日の憂鬱気分もちょっと晴れます。電車は住宅の間を抜けて川を渡ってトンネルを抜けたらちらっと海が見えて、新幹線の線路や国1の車と併走し、安倍川を渡ると建物がどんどん高くなって、ってどんどん景色が流れていくのを見るのが私は好きです。
<静岡ー、静岡です>
他の人と一緒に電車から降りたら2番線に熱海行きが止まってるからそっちに乗換え。7分で学校の最寄り駅。私と同じ制服を着た子といっぱい並びながら北口への階段を降りて、国1の歩道橋を渡ります。歩道橋からは学校が見渡せて、陸上部が朝練してるのが見えます。校門をくぐって靴を変えて教室に到着。
「おはよー」
「お、おはようございます・・・・」
小っちゃい声でクラスメイトに挨拶。もっと大きな声でやらないといけないのは分かってるけど・・・やっぱり恥ずかしくてつい小さくなっちゃう。ダメですね私。
教室に着いたら、二酸化炭素の濃度を確認して窓を開けて換気、この学校はスマホの校内使用禁止なのでスマホを前のかごに出します。今日は天気が良くて、窓から見える桜の木はいつの間にか葉桜になっています。いつもの、何も変わらない平凡な朝です。
1時間目は憂鬱ですが体育です。ひえっ・・・
「今日は新年度入ってすぐなのでドッヂボールにします!!」担任であり体育の岡田先生はそう言います。
ドドドドドドドッヂボール!!??しかも持ってるボールすごい固そう!せめて百均のおもちゃコーナーにある柔らかいボールでお願いします!あれならまあ大丈夫だって納得します。しかも男女混合とか、男子は手加減なさそうだし絶対無理!いつもは男女別なのにー!
みんな「やったー!!」と大騒ぎです。私もあんなふうに喜びたいものです。そしてご褒美であろうドッヂボールを喜べない自分自身の運動音痴さが一番嫌です。
なるべく目立たないように、ぶつかりませんようにって祈りながら3回ほど試合をやって、その試合の中盤くらいでいつも外野に回ります。その度に痛い思いをするのが嫌ですが、まあ避けられなかった自分が悪いと諦めるのでした。当然私が外野で活躍できるわけも無く、3回目はなんとかクラスに貢献しようとしてボールを受け止めようとしたら失敗してしまいました。
「・・・またクラスに貢献出来なかったな」
「お前役に立たねえな」
こういうとき、毎回どこかからそんな声が聞こえてくるような気がして、もっとクラスに、この日本に、社会に私が役に立たないと。じゃないと私に価値はない。
そして時間的に最後の試合になりました。ここでは何の奇跡か、最後の方まで残っていてあと1分で終
わりです。(今度は痛い目見なくてよさそう!!)って思っちゃう自分。
しかし、ちょうどその時ふいにボールが私めがけて飛んできました。このままではコース的に顔に直撃です。
とても時間的に避けきれないし受け止めよう!・・・うん、威力が強いから受け止めるのも無理!!
今まで当たったボールは女子が投げた物だけど、今度はサッカーの男子だから手加減というものがない!
そう咄嗟に判断しました。当たったら痛いんだろうな、泣いちゃうかも。てかメガネ割れちゃうんじゃ・・・目をつむります。
あれ?ボールこない?
目を開けるとそこにはボールをキャッチして投げ返すクラスメイトの、鈴木未来さんの姿がありました。
彼女は下まで伸びた長い茶髪(地毛だと本人が話しているのを聞いたことがあるんです)、整った顔立ちと凜とした表情でよく日焼けした肌のとても可愛い子です。そして人当たりが良く、まだ4月入ってすぐなのにこのクラス内をまとめるような存在です。挨拶もすごく明るく、先生方や清掃員さんにも大きな声でハキハキ挨拶します。私なんて清掃員さんには小さくお辞儀するしか出来ないのに。
「大丈夫?無理しないであたしの後ろにいていいよ!!」
「・・・あ、ありがとう、ございます・・・」
「いいのいいの、お互い頑張ろうね!」とても明るく笑顔でにこっと微笑む鈴木さん。
私みたいなのと分け隔て無く親しげに接してくれるなんて、なんて優しいんでしょう!!
「15番、鈴木未来ですっ!!誕生日は10月18日で、オシャレ好きです!皆仲良くしてくれると嬉しいです!」
この裏表のなさといつも明るいこの性格から男女問わず大人気です。彼女は所属しているダンス部でも大活躍しているそうです。私がこのクラスの最弱、ミジンコ以下だとしたら彼女は「太陽のような存在」と言えます。私は1年生の時からクラスの違う鈴木さんのことがなんとなく気になっていました。まあ向こうからしたら「なんかそこら辺にいる根暗女子」程度でしょうけど・・・人を自然に元気づけられる人ってすごいな。彼女みたいに誰にでも明るく笑える人になってみたいな。
あっという間に午前の授業は終わり、ついに昼食の時間になりました。疲れたしお腹空いたな。
「涼子、一緒に食べよう」
涼子こと望月涼子は私のたった一人の友人で、髪型が妙に古風でマスクをいつもつけてるマスク女子。そして私のお絵描き仲間で、ときどき変なことを言う子です。ただ頭は凄く良くて、一度見たものは忘れません。
「ごめん、今日は委員会があって早く食べないとだから」
「そっか・・・涼子靴下半分違くない?」
「・・・ホントだ」
左は学校指定の靴下なのに右は赤い靴下でした、昼まで私や先生含め涼子の靴下の異変に誰も気づいて
なかったんですね。
「そういえば昨日コ○ンの新しい映画見てきたよ!!」と涼子。
「ええ、いいなー」私はお金ないし来年の金曜まで持ち越しですかね・・・
「ネタバレするけど、なんと人が死ぬよ」
「でしょうね」何当たり前のことを言ってるんでしょうか。私は涼子には割と辛辣です。それだけ気を許してるってことでしょうけど。
「なんと爆発もするよ!!」
「・・・でしょうね、てか早くお弁当食べなきゃなんじゃ・・・」
「あ、そうだった!」
そんなことはおいといて一人でお弁当をのんびり食べます。お弁当はお母さんが作った物でおかかのふりかけご飯と、きんぴらごぼうとひじき、コロッケです。茶色と黒ばかりだけどどれも好きだし美味しいです!
外を見ると運動場の向こうに国道1号線があり、トラックや車がずっと行き来しています。おしゃれなデザインした系列の大学の向こうには東海道新幹線の高架と東海道線、左を見ると製紙工場と学生マンションの奥に静岡銀行の高層ビルとタワマンがそびえます。奥に行くにつれ土地が高くなるから住宅は段々状に上がっていき、茶色い静岡大学の上は日本平の山です。私はこういう街の景色が好きです。人の生活を感じられる、とでもいうんでしょうか。ちょうど新幹線の高架をドクターイエローが通過していきます。今日はいいことあるかな?っていけないいけない、食べることを忘れちゃってました。
ご飯を食べ終わるとパソコンを広げて画像を検索、絵を描き始めます。さっきの涼子の話から着想を得て、今日はコ○ンのキャラを描こうかな。
最近はアニメキャラを描くのにはまっています。正直私は風景画のほうが得意で人物画なんてまだまだ下手なんですけども、そういう気分なのです。練習してうまくならなきゃ。
昼休みも終わりに近づく頃、鼻歌を誰にも気づかれないくらいの声で歌っていると後ろから突然、
「うわー内山さんの絵、やっぱりうまーい!!」
「ひゃっ!!」
いきなり話しかけられ驚き、小さな悲鳴を上げて後ろを向くと鈴木未来さんがいました。心臓がバクバクです。名前を呼ばれただけなのに、ただそれだけなのに頭が真っ白。
入学式で初めてみたとき、彼女は廊下で笑いながら話しててその笑顔がすごく明るくて綺麗で、思わず立ち止まって見てしまいました。そうしたら初対面でクラスも違う私ににっこり笑って「おはよ!!」って言ってくれました。一緒に話してみたいな、友達になってみたいなとその時からずっとずっと思っていました。でも話しかける自信もなかったのですから向こうの方から来るなんていい機会、なんですけど・・・
え、でも心の準備というのが出来てないよ!!声を返さなきゃと思うのに、喉が詰まってしまいます。
「え、驚かせちゃった?ごめん」
「あ、いや全然大丈夫です・・・」やっとかすれた声がでました。
か、顔が近い!そして陽キャオーラがまぶしすぎて直視できない!彼女にはやっぱりなんというか光属性というか人を惹きつける力があります。いるだけで空間がふわっとお花が一斉に咲いたように明るくなる感じが、可愛いです。
「いつも休み時間になにか描いててすごいなって思ってたの!あたし絵全然描けないから尊敬しちゃうよ!!」と私の絵をまじまじと覗き込みます。まっすぐなまなざしがくすぐったくてまぶしすぎる!彼女の後ろにLEDライトでも付いてるのかな?とか馬鹿みたいなこと考えました。
「あ、ありがとうございます!」
思わず顔が赤くなってしまいました。正直褒めてもらえてうれしい!!けど恥ずかしい!!
鈴木さんは少し考えた後、何かを思いついたようにこう言いました。
「内山さんの最寄りって西焼津だっけ」
「そ、そうです・・・」
「あたし、隣の藤枝だから今日一緒に帰ろうよ」
藤枝は焼津の隣にある市で、静岡や浜松・沼津には及びませんが駅前に映画館もある人口14万人の大きな街です。藤枝MYFCというJ2のサッカーチームがあります。あとは蓮花寺池公園という大きな公園もありますね。なんて藤枝市の解説してる場合じゃない!
(えぇ!!どうしよう!)
「たまたま今日一緒に帰る人がいなくって寂しくて、あ、もう授業始まっちゃうからまた後でねー」
彼女はそう言って向こうの机へ行ってしまいました。
帰る!?帰るって・・・帰るってことだよね!?(混乱)あの鈴木さんと、一緒に!?ええええええええ、どうしようどうしようどうしよう!!
落ち着きなさい私。こういうときは山手線の駅名を順番に言ってみよう。品川大崎五反田目黒恵比寿渋谷・・・
どうすればいいか考えているうちにあっという間に授業と掃除の時間は過ぎていきます。
「りょ、涼子~~~どうしよう!!」
「落ち着きなって」
「落ち着けないよーあの鈴木さんだよ!雲の上に居るようで私たちとは真逆のお方だよ!」
「まったくもー、オーストラリアの首都は?」
「シド・・・じゃなくてキャンベラ」
「ソ連の最高指導者で在任期間が9日だったのは?」
「マレンコフ・・・ってなにこれ?」
「はい沙羅落ち着いた、残念だけど私は放課後に委員会が入ったからついてけないよ」
まあ涼子の家は反対方面だから駅の改札ですぐに別れることになったはずですけどね。
「そうなの・・・じゃあどうすればいいかな・・・」
「うーん、自然にいつもの沙羅でいれば、それでいいんじゃないかな」
自然・・・ネイチャー、環境、地球温暖化・・・ってあれ、何の話だっけ。あーもう!
いつもはただ祈りを唱えるだけの終礼のお祈りで「どうか、鈴木さんとうまく話せますように」と祈るくらいには困っていました。
「沙羅はMBTIってどれ?」
「や、やったことないからわかんないかな、ごめん・・・」
「そっか、沙羅は好きな飲み物ってあるの?」
「ぶ、ぶどうジュースとかヤ、ヤクルトとか・・・かな」
「沙羅は兄弟とか姉妹とかいるの?」
「い、いないです・・・」
「あたしにはねー6歳の弟がいるのーすっごい生意気だけどね」
・・・いつの間にか名前呼びになってるんですけど!!早いよ!!ってかさっきから質問に私が答えてる
だけになってる。何か、何か・・こっちから話しかけないと!!それにしても鈴木さん、まるで「オタクに優しいギャル」みたいだな。せっかく鈴木さんが話しかけてくれてるのに何もしないなんて失礼だし、迷惑かけちゃう。じゃないと、また、また・・・
と話すきっかけがないか周りを見渡すといつものように高架の上を東海道新幹線が轟音をたてて通過し
ていきます。その高架下はいつも自転車が勝手に止められていて、駐輪禁止の紐で区切られています。そして新幹線によって地面も少し揺れ、その弾みからか高架下の草むらから黒い少し画面の割れたタブレットが落ちてきました。
「・・・あれ、今落ちたタブレット、な、なにかな?」
「本当だ、落とし物かな」
はー。やっとこんな形だけどこちらから話しかけることができました。少し安心。でも私からの最初の会話がこれって・・・もっとマシな話しかけ方あったでしょ私の無能!!
などとまあいろいろ考えている間に鈴木さんが駆け寄ってタブレットを拾い上げた途端、画面が光りま
した。
「うわっ!!」
二人ですごくビックリした後、さらに画面が切り替わります。そこにはこう記されていました。
「こんにちは 鈴木未来さん 内山沙羅さん」
(え!?なんで私たちの名前を!?)
と二人で口を大きく開けてびっくりしてしまいました。さらに続いて出てきた文字を二人で読み上げま
す。
「このタブレットはIF歴史探索タブレットと呼ばれる物です。歴史には様々なもしもあの時ああだった
ら、こうだったらというものがありますよね。そんな世界を実際に体験できるのです」
私「・・・ようするにもしもボッ○スみたいなもの?」
また画面が変わりました。音声認識機能があるのかな?
「はい、その通りです。今回は特別に半年間自由にこのタブレットを使う権利があなた方二人に当たりま
した、もちろん全て無料です」
半年って事は10月16日までってことだけど、そんなうさんくさいネット広告みたいな・・・端っこに小さく重要な注意書きとか書いてないよね。
「うーん、とりあえず使ってみよう。どうやって使うの?」
「え、使うの?大丈夫かな・・・」
「はい。まずは行きたいIFの歴史をおっしゃって下さい。たとえば『日本が第二次世界大戦で勝っていた
ら』などです。すると選択肢が出てきますのでそれを押せば、その別世界のあなた方と入れ替わる形で移動できます。元に戻るときは『戻る』をタッチすればOKです。」
「あれ、それだと向こうのあたしたちは突然別世界に飛ばされるんですから困っちゃいませんか?」
「た、確かにそうだね」
未来の言うとおりで、もっともな疑問です。
「大丈夫です。向こうのあなた方も同時にこのタブレットを拾い『日本が第二次世界大戦で負けていたら』のこの世界に同時に移動しています」
「都合良すぎません?」
「まあまあ、これでお金を請求されることはないだろうし、一回試してみようよ」
「うーん、まあ一回だけなら・・・」
一応、しっかりとタブレットの隅から隅まで確認しておきました。
「とりあえずさっき言ってた日本が戦争に勝った世界を見てみよう」
「うん、えーと『日本が第二次世界大戦で勝っていたら』」
すると画面が切り替わり、「一番人気!!枢軸国が勝った世界1」が一番上に出てきました。これでいいのかな。「この世界に移動する」というタップ画面が出てきました。
「じゃあ、せーので押すよ」
「あ、えと、じゃあ私も一緒に・・・」
「「せーの!!」」
すると画面がまぶしく光って、周りが見えなくなりました。まぶしくて思わず目を閉じます。
「うわっまぶしっ」と声をあげる未来。
(どんな世界なんだろう?そもそも本当に別世界に移動なんて出来るの?)
最後までこんな稚拙な文章と絵の作品をお読みいただき、本当にありがとうございます!!
今後もちょっとだけでも見て下さるとありがたいです。