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インターネットが存在しない世界線

 ゴールデンウイークもすっかり終わって、またいつもの平日、5月9日です。


 席替えをして、涼子と楓、未来がみんな近くになりました。なので話す機会も大幅に増加、次の席替えは夏休み明けなのでしばらく楽しくなりそうです。


 さて先生がまたNHKニュースを昼の時間に流しています。今日はスポーツ選手への誹謗中傷についてのニュースが流れています。「もっとうまくやれよ!!」「なんで優勝できねえんだよ!」みたいな暴言です。

「なんでそんなことすんの」と未来は呆れたように言います。


「その人は自分が監督とでも勘違いしてるの?」と涼子も呆れています。


「ネットが無かったらこういうこと言う人も居なかっただろうね」心の底からそう思いました。


「ほんとにそうですね~、実は私も困ってることがありまして~」

「インスタに『何年生?』『僕が彼氏になってもいいですか?♥』みたいなDMが来るんですよ~」

「「「怖っ!!」」」

「しかもこれ、うちの生徒会の公式インスタに来たんですよ~!いくらブロックしてもアカウント作って送ってきますし~!」

「なんで生徒会の公式に・・・」

「怖すぎ」


「未来、あれ使ってみよう」と提案。

「あれね」未来は全て分かっていたようでさっそく廊下に移動。


「もしインターネットがなかったら」


インターネットが存在しない世界線 が出てきました。

二人でボタンを押すと周りが光りました。

(どんな世界になるんだろう)



アメリカのARPANET(インターネットの前身)の開発に失敗。現在もパソコン通信が細々と使われているのみにとどまる。


「インターネットの前身って大学同士のネットワークなんだね」と未来は復唱するように内容を確認。


「大学の研究には情報交換が重要だからね、まあ冷静に考えてアメリカが失敗してもどこかがつくりそうだからこうなるのはなかなか難しい確率だよね、あるいは冷戦そのものがなかったか」


「そいえばこの移動する道具タブレットだけどどうなるんだろう」


「あれ、確かに・・・」




 そこにはいつもの教室がありました・・・が、電子黒板は当然存在が消えていました。昔の教室ってこんな感じだったなと少し懐かしくなります。

 当然ギガスクール構想などないので私達一人一人にパソコンも配られていません。


 黒板横に貼られているチラシも違いますね。

「図書室のあれがなくなってる・・・」

「何だっけそれ?」

「ほらこの学校の図書室って、QRコードにパソコンのカメラかざして入力すれば返却期限の延長とか、各階のボックス内に返却っていうのが出来るんだけど、未来使ったことないっけ」

「図書室かー、そういえばあったっけ」

「あはは・・・」未来図書室に入ったことすらなさそうこれ。


 IF歴史探索タブレットを見てみるとなぜかノートになっていました。IFノートとでも呼ぶのでしょうか。どうやらこれはペンで書くことで移動するようです。まるでデ○ノートみたいです。


「教科書を見てみよう、ネットはこの世界に無いし」

そして教科書を見た結果、近年の歴史は少し変わっていました。


 中東でアラブの春が起きていない、トランプ大統領などが当選しておらず自国第一主義が加速しない、大まかにこの二つです。特にトランプ就任がないこの世界では自国第一主義や思想の偏りは少ないです。

むしろ問題はこういうところに載らない日常生活や価値観でしょう。インターネットが政治に影響をもたらすのはまだまだこれからです。


 ただN国党やれいわ、参政党や日本保守党がこれほど支持を集めていません。せいぜいが2009年のみんなの党どまりです。私も国民民主党の名前を初めて聞いたのはSNSでしたし(参政党は駅前の演説)。N国党に関しては登場したかすら怪しいですね。てかあの党の名前を最近聞きませんけど、どこに消えたんですか?


 変な候補者が出てくることも無いし、広島の石丸伸二氏も話題にはなりません。逆に言えば野党の社民党や共産党の支持率は今も高いのかな?立憲民主党はどうだろう?


「きっと11月の兵庫県では兵庫県知事は交代しただろうね、それから10月の衆院選は立憲民主党が与党になって第二次野田佳彦内閣誕生だね。都知事選も平和だったのかな?」と私がぼやきます。


「あ、都知事選は知ってるよ、tiktokで見たけど酷かったね!!」と、未来もあれについてはよく知っていました。まあポスターに全裸の女性出したり、政見放送でシャツを脱いだりポスターが破壊されたり掲示板をジャックしたりいろいろありましたね。うん。


こ れ は ひ ど い


「直球!!まあ私が選挙に出た方が良いのではと少し考えちゃったもん」

 正直あれなら私みたいな超バカな女子高生でも、年齢制限さえなければ都知事になれそうです。いや新党を立ち上げるまであります。


「沙羅なら出来るよ!演説はどうする?」

 少し考えて、閃きました。


「人口減少と言われている静岡県を栄えさせるには伊豆の山をダイナマイトで吹っ飛ばしてやればいい!!そしてその土で駿河湾を陸続きに出来る。そうなったら逆に東京から人が静岡に出稼ぎに来る!!!」


「す、すごい大胆なことを・・・」と感動する未来。


「急にどうしたの?田中角栄の真似なんかして」


・・・私何やってるんだろ。急に恥ずかしくなってきました。私にそもそも政治家になれるような自信も知能も能力も容姿もありません。潰れてない銀行を潰れたって発表して恐慌を発生させる私が目に見えてます。


「・・・あれ、まだ5月なのになんで兵庫のパワハラ問題とか選挙結果知ってるんだろ」と急に核心をつく未来。


「深く考えちゃ駄目」


 ただ最近、ネットを見てると政治系切り抜き動画の「日本終了のおしらせ」とか、見る人を煽る動画や広告ばかりが出てきてうんざりします。テレビが偏向報道だからってネットでも偏ってたら意味ありませんよね。まあ新聞もそうですけど極端な見出しをつければ人は見るし儲かりますからね。

 昔「嫌韓」や「日本すごい!」の動画ばっか見てた元ネトウヨの私が断言します。私も「日本は在日に支配されている」「手を体の前で交差するのは韓国式のお辞儀でそれをするのは売国奴」とか本気で信じてましたし・・・


 韓国式のお辞儀とかよく言われるものについては日本の百貨店が明治時代に始めた物でそれがたまたま韓国と同じだった、それだけのはなしです(第一それで韓国にどんなうまみがあるのでしょうね)。



 さてそんな私たちの様子なんてお構いなしで涼子と楓が会話しています。

「昨日のあのテレビ見ました~?」


「あれ面白かったよねー」


 この世界では昔と同じようにみんなテレビや新聞を見ています。流行も風潮もテレビなどのマスコミが操作しています。ちなみに今は韓流ブームです。そして視聴率も高いのですが、過激な番組が多いです。

 新聞も夕刊を発行するところばかりです。皆新聞を取っていますからね。


「流行語大賞も納得いく物になってるのかな」と私は考えてみました。


「皆それを見てるだろうからね、今年の『ふて○ど』とか」と未来。


「今年の流行語大賞?のことには触れない、私も初めて聞いたときは???だったけど」


「私が流行に疎いのかな、世間ではとんでもなく見られた超話題作だったのかな」と不安そうに言う未来。


「絶対違うから、未来が流行に疎かったらもう何も信じられないよ」


「・・・あれ、5月なのになんで 以下略」

 そもそもあのドラマ自体がこの世界では無いと思いますが。



 私がお弁当箱を仕舞おうとすると財布が落ちて小銭が何枚か落ちました。未来は何も言わずに一緒に拾ってくれました。やっぱり未来はとても優しい子です。

「ありがとっ」

「あれ、これなんだろう?」私の財布から落ちた薄い緑のカードのような物を拾いました。こんなの私持ってたっけ。

「こ、これってテレホンカード!?」初めて見ました!

「何それ?」と未来。

「公衆電話で使えるカードだよ」

 私もテレホンカードの存在を知ってはいましたが、実物は初めて見ました。


「この世界では、皆に余裕がある気がする」なんか眠そうな人も心なしか少ないですし。


「良く寝てるからじゃないかな」と未来。なるほど。

「スマホ見てるだけで時間潰れちゃうからね」

「わかる」


 実際そうなのか確認してみましょう。

「涼子って今日何時に寝た?」


「11時だけど、、そんな夜中に見る物ないし」

「楓はいつも何時に寝てるの?」

「どうしたんですか未来~10時くらいですね~」


やっぱり。視力の低下や姿勢が悪くなったりする問題は起きていません。


「ちなみに未来はいつも何時に寝てるの?」

「1時くらいに寝て、登校時刻ぎりぎりで起きてるよ!!沙羅は元から早寝早起きだから、この世界でも変わんなそうだね」



「転売ヤーや頂き女子や再生数や注目されるために迷惑行為を働く人もいないね」


「インターネットは人の心を厳しくしたのかもね」


 他人のSNSを見て嫉妬する人もスマホゲームやVtuberにとんでもない課金をする人もいません。当然SNS依存もありません。ネットいじめもありません。私はネットでのいじめは受けたことないですけど苦しむ気持ちはよく分かります。出版不況も無く、本屋もTSUTAYAも全然閉店していません。レンタルビデオやゲームセンターも賑わっています。東日本大震災やコロナの際には、たくさんの人がTSUTAYAを利用していました。


「ということはあの人と比べて私は・・もっと美人になりたいみたいな整形も流行らないだろうね」


「私も二重とかプチ整形して可愛くなりたいな、もっと努力しなきゃ」とぼやく未来。え。


「・・・未来はそのままで可愛いよ」


「え?なんか言った?」


「なんでもないよ!!」


私、しれっと何を言ってんの!?まあ整形は自分が前向きになれるならいいんじゃないかな・・・


 もちろんスマホもありません。携帯電話はPHSやパカパカ開く携帯が主流です。機能は電話と写真と時計だけです。音楽を聴くときはCD、映画を見るときはDVDです。VHSっていうのを使う人もいます。

ちなみに音楽は元の世界と違っていきなりサビに入ったりしません。前奏が長めです。そもそもこの世界のここ10年くらいは音楽がまるっきり違います。


「デマも無いよねこの世界」と言う未来。

「いやあるでしょ、オイルショックのトイレットペーパーとか」と反例を私は出してみます。


「そういえばあったね」


「有名なネット関係ないデマといえば、ゆとり世代は円周率を3で習ったとかだね」


「あれデマだったの!?なんかおじいちゃん言ってたような」


「あれは塾が学習指導要領を都合良く解釈して、学校だけじゃ信用できないから塾行きましょうっていうキャンペーンに騙されただけ」実際円周率を3で教えた教科書は存在しませんからね。


「その塾はゆとり世代に謝罪しなきゃ駄目でしょ」


「あとはコロナワクチンとか人工地震とかDSとかの陰謀論もほぼないね」

「DS・・・懐かしい!」

「たぶんそれ3DSのことだよね・・・」

「まあマスコミが報道しない真実に目覚めたみたいなのはないからね」

せいぜいムーくらいかな。


「SNSもマスコミも全部信じちゃ駄目だね」


「両方しっかり見て自分で判断する・・・ディクロマポリシーだっけ」


「メディアリテラシーのこと?」


「そうそれ」


「嘘を嘘と見抜けない人がネットを使うのは難しいってことだね。例えばこの作品を全部信用するとかしないでほしいね、いやそんな人いないよね。とりあえず災害の時にデマを流す人は捕まれって思っちゃうけどね」


「ほんとそれ」


「2022年の静岡県の台風の時に『安倍川が氾濫したのは国葬反対派に怒った安倍総理の祟り』とか『良かったじゃん静岡県民水一杯あるよ』とか『楽しそう。県民はお水が好きなら災害も娯楽』とか安倍総理の国葬反対に勝手に利用したり、挙げ句の果てにデマ画像流したりまあいろいろとネットにいろいろ書き込んだ人を私は一生許さないよ!!」


「そんな人いたの?さすがにそれは引く、てか勝手に悪霊扱いされる安倍総理がかわいそう」


 まあ私がネトウヨを脱したのはこの暴言達のおかげですけどね。考えてるだけでムカつきます。結局自分の主張のために暴言吐いたりデマ流す人は右左とかその人の主義主張に関係なく最低です。


「人が死んでるんですよこの災害って感じ、あの時氾濫した巴川がこれまでどんな水害対策をしてきたか知りもせずに叩くんだから、控えめに言って人の心がないね!!そりゃ今日辞めるあの人にはいろいろと言いたいことあるけど、それとこれとは話が別でしょ!!

ところでデマとか陰謀論で思い出したんだけど1年生の時・・・」




(回想)

涼子「ねえ沙羅、富士山が世界自然遺産じゃなくて文化遺産な理由知ってる?」


私「え?ゴミが多いとか既に開発されてるとか自然としては珍しくないからとかじゃなかったっけ?」


「違うんだよ!!富士山は人工の山なんだよ!!!」


「え?急に何を言い出したかと思えば・・・陰謀論?」

 涼子はよく変なことをいいますからね。


「富士山のある場所には最初、小さな火山があった。でもよく噴火するから、古代の人はちょっとずつ噴火しないよう盛り土をどんどんとして、現代の富士山になったの!先小御岳、小御岳、古富士、現在の新富士の順ね。ちなみに土は琵琶湖と甲府盆地を作った余りね」


「ちょっと本当のことを混ぜてトンデモ説を作らない(富士山が最初小さな火山で、ちょっとずつさっき言ってた山の順に大きくなったのは本当。琵琶湖と甲府のくだりはダイダラボッチ伝説から引用したでしょ)」


「そして噴火しないよう山頂に神社を建てたの。これが浅間神社として有名だね。江戸時代以降は、技術の進歩で富士山噴火を食い止めているの!」


「じゃあ、地震が起きて富士山が噴火するかもっていう話は何なの?」


「地震が起きたら山が崩れて噴火するかもっていうことだと、ブラタ○リで言ってたよ」


割と調べた上でこれだからむかつく。

「絶対言ってない」


「以上のことから富士山は世界文化遺産なんだよ!」

「そんな嘘を信じる人がいるわけ・・・」


「と、思うでしょ?でもこの前、長野の子に大真面目に話したら信じちゃったよ」

 嘘なのは白状するんだ。


「本当に?適当に話流してたとかじゃなくて?」


「うん。静岡の人だからって信用したんでしょ」


「確かにちょっと筋は通った(?)理屈だったからね」



・・・って言う例があるの。このように大真面目にたまに本当のことを混ぜて話すと、一見それっぽく見えるから注意が必要だね」これは極端な例ですが。


「あの人が言ってることは詳しいはずだから全部正しい!!と盲目にならないようにしないとだね、それにしても涼子はよくそんな嘘思いついたね」


「本当そう。よく変なこと考えてるけどさ」


「ネット広告もないよね」と私。


「あのやたらとエロかったり詐欺の鬱陶しい広告もないってのは気分いいね!!」


「広告っていつもそう、私達のことなんだと思ってるのかな」


「ほんとにそれ、広告のバツボタンの小ささといったら・・・」

「そして出てきた広告がこの高校のだったりね」



 午後の授業はあっという間に過ぎて、帰りの電車に未来と二人で乗りました。車内では当然誰もスマホを触っていません。


「スマホが無い時って皆電車の中どうしてたんだろ?」


 雑誌や新聞、本を読む人や窓の外をボーっと見ている人ばかりでした。

なんだか昔のようです。スマホの普及するきっかけとなったIphoneがアメリカで発売されたのは私が生まれたのと同じ2007年の6月、私が生まれたのは7月なのでスマホの方が誕生したのがわずかに前なんですね。


「昔の人が現代にきて、皆スマホを操作してるのを見たら怖いと思うんじゃないかな」

 水木しげるさんの短編にそんなのがあったような。






「・・・あれ、これコロナの時大変になるんじゃ?」と急に気づいてしまった未来。


「・・・だよね」


 緊急事態宣言が出てもなお、多くの人がリモートも出来ずに出社して感染拡大、死者はとてつもなく増えました。また精神を病んで自殺する人もたくさん出ました。学校の休業はプリントの自習で行われリモート授業も出来ないため長引きました。そのため学習の遅れが発生したそうです。


「ネトフリもアマプラもTVerも無いからアニメも映画も見づらいね」


「ネトフリ限定のドラマも見れないじゃ~ん!」


「ボカロもほぼないの・・・」


 地方との格差、特にアニメは酷くそもそもアニメが流行っていません。静岡では延々とキテレツ大百科の再放送ばかりです。


 現実ではテレビの衰退にも関わらず見る人が多いアニメに「乗るしか無い、このビックウエーブに」

とばかりにアニメを強化していますが、この世界ではテレビが衰退していませんし、ニコニコ動画などのインターネットブームもないですからね。


「LINEでずっと無料通話なんてことも出来ないね」


「友達がいまどこにいるかもすぐ分かんないよ」


「Googleマップで日本中見るのが楽しいのに・・それもできない!生成AIもなさそう!」


「メルカリも通販もないから安く買えないじゃん!」


 価値観も趣味も多様化していません。


「信号とかマニアックな趣味は知られなかったのかな・・・」


「それはマニアックすぎる」


「信号って面白いよね!」

 信号を1個1個見てみると面白いですよ。世の中には変わった信号機もたくさんありますし。


「そ、そうだねー」少しひかれました。ごめんなさい。静岡市で珍しい信号機といえば国1が巴川を渡るところの交差点にあるワイヤーで吊り下げられたものですかね。他にも葵区には信号を支えるアームを直接信号機に刺した包丁灯器と呼ばれるものがあって(以下略)


「あとバルスでツイッターが盛り上がることも無いね」所詮バルス祭りというやつです。


 個人情報保護法も無いので個人情報ダダ漏れで、芸能人の住所が普通に本に載っています。タウンページも分厚く、またこの世界には学校連絡網と呼ばれる物が健在です。犯罪被害者の住所も顔写真も公開されまくっています。プライバシーという概念はありません。


「何それ?」未来は学校連絡網を知らない様です。まあ私もYouTubeで見たから知ってるだけで普通知らないよね。

「クラスや学年で伝えたい情報があるとき個人の電話番号で伝えるってやつだね、今でもあるけど昔は保護者にもそれが配られていたの」

「え!?個人情報バレバレじゃん」


「昔はそれが当たり前だったの」Z世代?という謎のくくりの私たちとしては信じられません。

「昔は『ジャニーズおっかけマップ』って本があって、住所も電話番号も普通に出てたらしいからね・・・」

「怖っ!」


「仮想通貨もNFTもないね」と私はさらに考えてみます。逆に言えば仮想通貨で失敗する人もいないわけですが、そういう人は結局別で失敗してた気もします。

「NFT?」と未来は私に質問。


「私もよく分からないんだけどその仕組みでザッカーバーグの最初のツイートが3億円で落札されたの」

「3億!?私もインスタの投稿を売ればお金になるってこと!?」

「なるかな?」

「で、それを買うとどうなるの?」

「そのツイートの権利を持ったので、売ることが出来る」

「それだけ?」

「それだけ」

「つまりどういうこと?」

「ありのまま起こったことを話すと、3億円で売る権利を購入した・・・な・・何を言っているか 分からないと分からないと思うけど、私も何が起こっているのか全然分からなかったよ 頭がどうにかなっちゃいそう」

 結局解説しといて何ですが私もよく分かりません。

「でも3億円なんてすごいね」

「それはNFTのバブルだったからそうなっただけだよ」

「へぇー、バブルってあの80年代以外にもあるんだね」

「仮想通貨にIT、いろんなバブルが昔から起こってきてるよ」


「結局インターネットは功罪はっきりと別れるってことだね」とこの世界に来たまとめをします。

「でもネットがない世界よりある世界の方がいいな」と未来。

「ネットミームも無いからね」

「草とか誠○ねとかのあれ?」

「なんであの人が出てくるの、てかどこで知ったの」

「Youtube shortで・・・」

  二人で表紙裏の説明通り「元の世界線に戻る」を書いて元の世界に戻りました。この世界は40年前と価値観があまり変わらず、技術も進歩しない停滞の時期になっていました。



 電車では皆スマホをいじっていました。

「でもこうしてみると異様な光景かもしれない」と未来。まあ確かに・・・

「結局ネットの使いすぎには注意ってことだね、とかいいながらも私も未来もスマホ見るんだけどね」

 スマホを開くとえっ!?


「えっ、私が昨日ネットに上げた絵がすごい拡散されてる」

「え、凄いじゃん

インターネットがあるから沙羅の絵を見てくれる人が居るんだよ、やっぱりネットはあった方がいいね」

「あ、ありがとう未来!!」

「ところで拡散された絵ってどれ?見せて見せて!!」

 恥ずかしいけどまあいろんな人に見られてるし。

「こ、これだよ」

「あれ、絵はデジタルじゃないんだ」

「私、アナログの絵の方が楽だし楽しいんだよね」

「そうなんだ」


「あーあ、私もBeRealやりたいな」

「なんだっけそれ」

「1日1回通知がランダムで来て今の自分を前後カメラで撮るアプリだよ!」

「ああ!!うちの学校はスマホを預けちゃうから出来ないってことね」

「そーいうこと」



「じゃーん、スイカゲーム」と未来が画面をバーンと見せてきました。

「流行りはもうとっくに過ぎたでしょそれ」

「でも単純で面白いよ、沙羅もやってみなよ」

「じゃあちょっとだけだよ」


 この後スイカゲームに熱中して3駅乗り過ごしました。やっぱりほどほどにしないとだめですね。

未来「そもそもこの作品自体が存在しないね」

沙羅「唐突なメタ発言・・・よく考えたら今回メタ発言ばっかりだったね」


 沙羅さんの絵は私よりずっとずっとうまいんだろうな・・・

次回は江戸幕府が続いた世界線です。


一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

インターネットことはじめ 第1回インターネットの先駆け、ARPANETの始まり

https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No66/0320.html


posfie 「静岡県、豪雨災害で死者も出る『知事が国葬に出ないから天罰』『楽しそう。県民はお水が好きなら災害も娯楽』」

https://posfie.com/@inori1995/p/sYMfFNm


ツイートやドット絵に○億円?!【バブル解説】NFTバブル

https://www.youtube.com/watch?v=7hGvttsvXC4&t=87s


chakuwiki もしインターネットが存在しなかったら

https://chakuwiki.org/wiki/もしインターネットが存在しなかったら

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