「ブゥリャリャベリュルゥリャだってよ」
本日、平成二十八年、四月四日、火曜日。
お外の天気は、雲一つない見事な快晴です。
部屋の窓から見える飽馬川桜堤の桜は満開。
そんな絶好のお花見日和に、今日も私こと「兎白サナエ」は、学校にも行かずにお家にいます。
「おいサナッ! 腹が減ったぞッ! 飯はまだかッ!」
「うん、あと少しで終わるから、ちょっと待っててね~。」
「おうッ!! 早くしろよなッ!!」
そんな私の後ろでプリプリ怒っているこの子は「ブゥちゃん」です。
どうやらお腹を空かせているらしく、ややご機嫌斜めな模様。
ブゥちゃんの本名は……ブ~ララ~ベルラララ~――とか、なんかそんな感じです。
正直長くてよく解らなかったので、諦めてブゥちゃんと呼んでいますが、本人も大変気に入っているようなので、なんか大丈夫です。
因みにブゥちゃん本人も自分の名前を普通に噛みます。
自信満々に噛むので、それがまた可愛いです。
そうそう、一見すると小学校低学年くらいに見えるこの子は、我が兎白家の立派な居候さんです。
勝気なお転婆顔に、長くて綺麗な薄いブロンドヘア。
私が昔着ていた、お古の真っ白なワンピースを着ています。
子犬のように懐っこくて、子猫のように愛くるしい容姿。
そして驚くことに、なんとブゥちゃんは悪魔なんです。
嘘じゃないですよ、本当に悪魔なんです。
その証拠に、背中には如何にも悪魔っぽい小さくて可愛らしい羽根がちょこっと生えています。
その羽根もちゃんとパタパタと動きます。
可愛いです。
「ビッフテキ!! ビッフテキ~!!」
「ビフテキはないよ~。」
「なにぃっ!!」
「ごめんね~。」
こんな元気いっぱいのブゥちゃんがやって来たのはほんの三ヶ月前、一月の事です。
なんかすごい大雪が降っていた日の朝でした。
寒空と豪雪の下、何故かブゥちゃんは水玉模様の水色のパジャマ姿で我が兎白家の前に倒れていました。
二階の部屋の窓からそれを見た私は慌てて助けに行き、そしてプルプルと震える可哀想なブゥちゃんを暖かい兎白家に迎え入れました。
どうやらお腹を空かしていたようなので、その後はウチでご飯をご馳走したんです。
そしたらいつの間にか居ついてしまいました。
因みにお父さんとお母さんは「サナに可愛い妹が出来たね。」と喜んでいたけど、本当にそれで良いのかなって感じです。
「おいサナッ! いつまで待たせんだッ! はやく飯食わせろッ!」
「あ、うん。もう終わりにするね、ごめんね~。」
「おうッ!! ビフテキにしろなッ!!」
「え~?」
さてさて、いい加減そろそろ終わりにしないと、また怒られちゃうかな。
ひとまず今朝の日記はこのくらいにして、今からお昼ご飯の準備をしようと思います。
冷蔵庫の食材的にビフテキは無理だけど、トンカツなら作れるかな。
「ブゥちゃん、お昼トンカツでもいい?」
「トンカツだとッ!? 神かッ!!」
もう本当に可愛いです。