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猫とキミとわたしと朝顔
ピチチチチ―
朝です
「にゃあぁぁー」
―ふあぁぁー
と大あくびの黒猫のあなた
「おはよう黒猫ちゃん」
とわたし
キミはまだ爆睡中
カーテンを開けて、お日様の光を取り込みます
今日も良い天気
蝉たちも朝からオーケストラの状態
「あら、朝顔が咲いている」
とわたし
庭の隅にいつの間にか朝顔の種が芽を出して、蔓が伸びて、
今朝花を咲かせたみたいです
「にゃあ?」
―“朝顔”ってなあに?
と黒猫のあなた
「ほらよ。朝顔っていうのは朝花が咲くから、朝顔だな」
と、ようやく起きてきたキミが黒猫のあなたを抱いて、庭の窓を開けて花を指さす
「おはよう」
とわたし
「おはよう」
とキミ
「にゃあ」
―おはよー
と黒猫のあなた
「朝顔って、本当に朝だけ咲くから、儚い花よね」
とわたし
「花の色は色々あって、キレイだけどね」
とキミ
「そう言えば、小学生の頃育てたなー朝顔」
「懐かしいわねー」
とキミとわたしの昔話が始まる
「にゃあぁぁ……」
黒猫のあなたは、まだ眠いみたい
「もうちょっと寝る!」
「起きないと。朝ごはん食べよ」
今日の朝の記念に、朝顔の押し花作ろうかしら
夏の一日が始まります