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猫とキミとわたしと泡々
キミが
「一回、泡風呂に入ってみたい」
と言うから
「じゃあ、やってみようか」
とわたし
「にゃあ?」
—泡のお風呂ってなあに?
と黒猫のあなた
「じゃあ、あなたも入ろうか」
と誘ってみる
「みゃ……みゃあー」
—い、嫌だよ。何か、嫌な予感!
と後ずさる黒猫のあなたをワシっと掴んでお風呂場へ
泡々 ブクブク ごしごし ワシャワシャ
キミが浴槽で泡風呂を堪能中
洗面器で黒猫のあなたも泡風呂中
「みゅー……」
—泡のお風呂ってこーゆーこと……
キミがふざけて
頭の上にソフトクリームを作る
わたしもふざけて
黒猫のあなたの頭の上に
泡のタワーを作る
泡々 ゴシゴシ ぶくぶく わしゃわしゃ
「みゃーみゃー」
—もう、いいよー
泡のしっぽもバタバタ
「ブクッシュ!」
「へクチ!」
ブワッと泡が広がる
洗面器の泡も飛び散る
「そろそろ出ようか」
とわたし
結局、今のでわたしが
泡だらけです……
「きみともう一回入ろうか」
とキミ
「ふざけないでよ」
とわたし
「みゃー」
—どーでもいいけど、そろそろ泡を流してちょーだい……
黒猫のあなたとキミとわたしの泡々の思い出