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猫とキミとわたしと読書と雨
キミとわたし
梅雨の雨間にお家で読書タイム
黒猫のあなた
お外の散歩に行けず
窓の側で
雨を見上げている
しっぽパタパタ
左右につまらなげに揺れる
キミが
ゆったりと足を組んで
ソファーでミステリーを読む
わたしが
ファンタジーを
黒猫のあなたの側のクッションに座って読む
パタパタパタとしっぽ
ポツポツ、ザーザーと雨
パラリパラリと
ページを捲る音
黒猫のあなたに
「本でも読む?」
と聞いてみるわたし
「にゃーにゃー」
—ぼくには無理。つまらない。字読めないもーん。
だって
キミと目が合って
笑っちゃう
「でも、猫缶の“スペシャル”は読めてそうだな」
とキミ
黒猫のあなたのお腹が
とたんに
きゅるきゅるー
と鳴る
キミのお腹も
ぐるぐるぐー
と鳴る
そろそろ黒猫のあなたのご飯時間かな
人間もご飯の時間だ
読書タイムも終わり
キミの本と
わたしの本のページに
黒猫のイラストの栞
「さて、作ろうか」
「にゃーん」