猫とキミとわたしとコロナの日々
「コロナ、コロナ、コロナ……。毎日この文字と情報を聞かない日はないな」
とキミ
「そうね」
とわたし
キミとわたしは自宅でテレワーク中
向かい合って、リビングの二台のノートパソコンでそれぞ仕事中です
黒猫のあなたは、居間のクッションの上で丸くなって眠っています
外出にマスクは欠かせない
帰ったら手洗いうがいも欠かせない
事あるごとに消毒も欠かせない
コロナの日々は世界を一変し、こうしてすっかり馴染むまでに日常を変えてしまいました
たくさんに人たちが亡くなり
わたしたちの周りでも、感染する人が出てきました
本当に怖いです
「ねえ、もし、わたしたちがまだ離れて暮らしていたのならこうして毎日顔を合わせることは、きっとできなかったよね」
「ん? そうだなー」
と伸びをするキミ
丸まって寝ていた黒猫のあなたも起きて伸びをしています
いくらテレビ通話で顔を見ることは出来ても
大事な人たちと直接会えない
そんな人たちはたくさん居るんでしょうね
わたしは考えます
「にゃあ~?」
―どうしたの?
二人とも黙ってしまったので
キーボードを打つ音も止まり、静かになってしまったので
不安になってしまったみたいです
わたしとキミに
黒猫のあなたが交互にすり寄ってきます
「大丈夫よ」
とわたし
「大丈夫さ」
とキミ
わたしとキミは顔を見合わせました
「こうして、大切な人がちゃんと居るのだから希望を持つしかないわよね」
とわたし
「いつか明るい日は必ず来るからな」
と穏やかに笑うキミ
たとえ、離れていようとも心は近くに居る
キミも黒猫のあなたも居る
「にゃあ」
―僕、癒しになっているかな?
「ええ、あなたはわたしたちの癒しよ」
とわたしは微笑む
「「ありがとう」」
とわたしとキミ
こうした日々が、あとどれくらい続くのかしらね……