猫とキミとわたしと焼き芋
パチパチパチ
これ、何の音?
正解― 焚き火の音です
「にゃー?」
―何で葉っぱを燃やしているの?
黒猫のあなた
不思議そうに焚き火を見ています
秋も深まった11月です
お隣さんからさつま芋をたくさん貰ったので
せっかくだからお外の庭で焼き芋をしてみることにしました
「あぁ……楽しみ」
キミはもう、想像の中の焼き芋によだれを垂らしているみたい
「残りのお芋は……スイートポテトにでもしようかしら」
わたしは枝の先でアルミホイルに包まれたさつま芋を転がしながら思案中
黒猫のあなたは、あったかい焚き火の近くに寄りたいらしくて……
「にゃっにゃっにゃっ」
―あつっ、あつっ、あつっ
と、迷っているみたいです
ぴょんぴょんしています
猫って、本当に熱いものが苦手みたい
パチパチパチ
じーーっと、待って、待って、待って……
焼き芋の出来上がりです!
ゴロン、と燃えた落ち葉の中からアルミホイルに包まれたお芋を取り出して
軍手をして拾って
「熱っ!」
「気を付けてね」
とわたしとお芋を持ったキミ
ほっほっほっと両手でボールみたいに行き来したら……ホクリと割ります
「綺麗な黄金色ね……」
「もうたまらん」
アツアツ ホクホクの焼き芋に目が釘付けです
「にゃーん?」
―僕って食べられるの?
と黒猫のあなた
聞かれて「はて」とキミとわたし
「猫って、さつま芋大丈夫だったかしら」
「知らんなー」
「にゃー!」
―そんなー!
ショックのあなた
そんな黒猫のあなたをしり目にキミとわたしは焼き芋を頬張ります
「「ああ~美味しい‼」」
「にゃ…」
あなたはすっかり拗ねちゃった
あとで猫缶スペシャルをあげるからね
焼き芋 焼き芋ホックホク
秋の美味しい美味しい一つだね!




