猫とキミとわたしと風鈴
チリーン チリリリーン
夏の夕暮れ
少し涼しくなってきたから
窓を開けて風を入れてみます
軒先から吊るした風鈴が涼しげに音を鳴らします
チリリーン チリーン
「にゃあ……」
―今日も、暑かったなぁ……
と黒猫のあなた
「そうねー。今日も本当に暑かったわね」
とわたし
団扇を仰ぎながら夕涼み
「まだ暑いよー。クーラー入れようよー」
と床で伸びているキミ
「だって風があるんだもの。それに夕方だから少し涼しくなったでしょ?」
と、窘めるわたし
キミをパタパタ仰いであげる
「にゃあ、にゃあ」
―だらしないねー
と黒猫のあなた
呆れ気味にして、しっぽをパタパタ
チリーン チリーン
風に風鈴ゆらゆら、揺れています
「しょうがないわね。じゃあ、夕食前だけど冷えたビールでも飲みましょうか」
「よし、枝豆用意する!」
シュタッと起きて台所へ向かうキミ
黒猫のあなた
キミの変わり身の早さにポカーン
わたしは苦笑しながら
台所の冷蔵庫の前に行きます
暑い、暑い夏の夕方の夜がくる少し前の一幕
チリーン チリリーン
風鈴が鳴らす音で
夕涼みをしながら、キミとちょっと早い乾杯
そんな夏の一光景
本当に、本当に毎日暑いですが、皆さん大丈夫ですか?
早く、涼しくなる日が恋しいものです。