猫とキミとわたしと手持ち花火
今年は花火大会が中止だから
キミとわたし
「なんだか寂しいね」と話をしていました
「みゃあ?」
―花火ってなあに?
と、横で話を聞いていた黒猫のあなた
「そういえば“花火”ってあなたはまだ知らないわね」
とわたし
「どれ、いっちょ今夜やってみますか」
とキミ
そして、夜になりました
黒猫のあなたとキミとわたし
お庭に出ています
「にゃあ?」
―何をするの?
「まあ、見ててみな」
とキミ
一本の細い棒を取り出して
先っぽに火をつけると……
シュワワワワー!
「みっ!」
―わっ!
ビックリした黒猫のあなた
後ろに飛び退ります
「手持ち花火ね!懐かしいわ」
とわたし
シュワワワワー
バババリリー
ジュワワワー
色とりどりの炎と光が
黒猫のあなたとキミとわたしの顔を照らします
ちょっとビビり気味の黒猫のあなた
でも目は炎にくぎ付け
「こんな夏もいいわね」
「寂しくないだろう?」
「にゃあ」
最後は線香花火で締めくくり
「にゃあ……」
―綺麗だな……
手持ち花火で、今年の夏を少しでも楽しもうよ
手持ち花火って良いですよね。
する時は、必ず広い場所と近所に迷惑にならない場所で。
お水を用意して、後片付けもしっかりしてくださいね。
黒猫のあなたからのお願いです。
「みゃん!」