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5話 アンデッドとの実験とオークの襲撃

 野盗のアジト制圧した時に奇妙な感覚に俺は襲われた。

 不思議と野盗たちの死体を見てもなにも感じなくなっていた。

 それよりも気になる現象が起きているからだ。

 周りの人間は気づいていないのか、死んだ野盗たちから何かが抜け出しているのが見える。

 それをゴーレム達が吸収しているのがわかった。

 これはもしかして、人間の魂ではないだろうか?

 ゴーレム達から僕に流れ込んでくる力を感じる。

 僕は興味本位でその力の一部を死んだ野盗に注ぎ込んでみた。

 

 「グガガガ」


 と声にならない音を口にして死んだはずの野盗が動き出した。

 野盗は今、アンデッドとして蘇った。

 

 「アンデッドだと、まさかいくら何でも早すぎる!」

 

 と父が俺と死んだ野盗の間に入り込む。

 アンデッドとかした野党は父に剣を振りかざす。


 キンっとおとがして、父がアンデッドの剣を受け止める。


 「こいつ力が増してやがる!」


 後ろからオットーさんが弓矢で攻撃して矢が刺さるが、アンデッドに痛みはないのかゆっくりとオットーさんに振りむき攻撃対象を変更した。


 「逃げろオットー!ただのアンデッドじゃない!」


 父はすかさずアンデッドの後ろから背中を切りつけるがそれでも倒れない。


 今度は母が呪文を唱える。

 

 「ホーリーレイ!」


 母が唱えたのは光属性の攻撃魔法だ。

 アンデットにはそれが効くのか、


 「グオオオ」


 と雄たけびを上げる。

 俺は、自分のした過ちに気づくがもう遅い。

 すまないと心で思いながら、


 「ファイアボール」


 俺が生み出した、アンデットは炎に焼かれてもう一度死んだ。

 アンデットが炎に包まれ死んでいくときに俺は確かに耳にした。

 俺の方を向いて、


 「めい、お、う様」


 と。

 

 「一体なんだったんだ。今のアンデットは? とにかく一度アンデットが発生したんだ、野盗たちの死体はここで全て焼いていく。急げよ、またアンデットが生まれても困る」


 自警団たちと僕のゴーレムで協力して急いで死体を外に運び野盗達を火葬にする。


 あのアンデッドは明らかに俺を見て冥王と呼んだ。

 冥王になるのは、死んでからじゃないのか?

 俺はまだ生きてる。

 息もしてるし、心臓の鼓動だって感じられる。

 なのに何故だ?


 「大丈夫かグレイ?」


 「うん、ちょっとびっくりしたけどね。父さんこそ大丈夫?」


 「ああ、父さんも母さんんも問題はない。しかし今回も大活躍だったな」


 「アンデットってあんなにすぐに出てくるものなの?」


 「いや普通ではありえないな。アンデットが発生するのにはもっと時間がかるはずだ」


 そうなのか、これからは気を付けよう。

 無暗に使うと恐ろしい事になりそうだが、使いこなせればまたとない戦力になる。

 しかしこの冥王の術は皆には知られるわけには、いかないな。

 そして、野盗のアジトから出てきた品々を村へもって帰る。

 なんでも野盗の者は討伐した人の者にしてもいいらしい。

 なんて物騒な世界だろうと思ったが、この世界の命は軽いのだ。

 ただ、一応は街に行って報告する義務があるとのこと。

 明日から早速報告に行くらしい。

 街までは馬で2日の距離らしいので、俺も行きたがったが、今回はダメだと言われてしまった。

 仕方なく、今日は休んで、明日からは、いつもの日常だ。

 翌日になると、畑仕事をして、午後からは自由時間だ。

 俺は、いつもの魔法の練習をする。

 今練習しているのは亜空間魔法だ。

 別次元につながる俺だけの世界を創造していく。

 ある程度は形になっているが、何分、容量が少ない。

 しかし今日は容量がだいぶ増えていた。

 たぶんだが、昨日の野盗との戦闘で俺自身の何かが強くなったのだろう。

 これで、ゴーレム部隊を即時展開できる。

 そうと決まれば、ゴーレム部隊を亜空間にしまうがどうやら今の俺の力では、10体が限界みたいだ。

 まずはゴブリンを見つけて実験の開始だ。

 俺は一人、森の中に入りゴブリンを探す。

 ちょうど、3匹のゴブリンを見つけた、巣を壊滅したばかりだから、きっとはぐれのゴブリンだろう。

 俺はゴーレムを展開させて、ゴブリン達を逃がさないようにする。


 「アイススパイク」


 最近覚えた、氷属性の魔法だ。

 簡単に言えば、氷の杭だ。

 それをゴブリンの心臓めがけて打ち出す。

 見事に命中しまずは1匹を仕留める。2匹がこちらに気づくがゴーレムに取り押さえさせる。

 そして死んだゴブリンに、


 「ダークソウル」


 を使ってみる。

 予想通りゴブリンはアンデッドになってたち上がった。

 

 「お前に命令する。あの2体のゴブリンにとどめをさせ!」


 アンデッドとかしたゴブリンは僕の命令に従い、2匹のゴブリンにとどめを刺した。

 やはり俺が生み出したアンデッドは俺の命令に忠実なようだ。

 だとすると生きているのに冥王の力が使えている事になる。

 

 更に実験を重ねるためにゴブリンを探す、今度は2匹のゴブリンを見つけた。

 アンデッドとかしたゴブリンに再度命令する。

 

 「あの2匹を殺せ!」


 ゴブリンは、静かに歩み寄り2匹のゴブリンに襲いかかる。

 1匹目を軽く心臓を狙い息の根を止める。

 すかさず、2匹目にとびかかり、首を掻き切り殺して見せた。

 俺の考えが正しければ通常のゴブリンよりもアンデッド化したゴブリンの方が強い、しかも進化しているようにも見える。

 なぜなら先ほどよりも若干だが体つきが良くなっている。

 その日は夕方ギリギリまでゴブリン狩りを続けた。

 そして帰り際にこのまま狩りをを続けるように命令だして、今日は家路についた。


 翌日になって、森の中に入ると、アンデッドとかしたゴブリンの体は一回り体が大きくなっており、体も黒くなっていた。

 魔物を狩り続けてやはり進化している。

 そして僕の中にも力が流れ込んできている。

 自分自身が強くなっているのを感じる。

 

 「よし今日も魔物を狩るぞ」


 俺はさらに魔物を狩り続けた。

 もちろん俺が戦う時は魔法で後衛に着いて前衛はもはやブラックゴブリンとかした配下に任せる。

 こうして、父が帰ってくるまで狩りは続いた。


 父が帰って来てからは狩りは中止にする。

 ブラックゴブリンも亜空間で待機してもらう。

 父は無事に冒険者組合にも報告して、報奨金も貰って来た、後程自警団で分配するそうだ。

 それからはいつものように午前中は畑仕事、午後からは自警団の稽古と忙しい毎日が続く。

 そしてまた、月日は流れ、俺が10歳になったときだった。

 僕が、生み出したゴーレムにも狩りをさせると、ゴーレムもまた黒く染まってより硬く強くなった。

 ブラックゴーレムとブラックゴブリンは亜空間にしまって。秘密兵器として使おう。

 そんなことを考えていた。


 ある日の事だ、村が少し騒がしかった。

 近くの村が魔物の群れに襲われて壊滅したという話しがでてきた。

 なんでも近くにダンジョンが見つかり、しばらく人に見つからなかったせいで、モンスターの間引きができていなかったようだ。

 ダンジョンとは無限の資源が取れると言われ、冒険者達の命をかけた仕事の場でもある。

 それが人知れずに生まれ、モンスターのオーバーフローが起きたらしい。

 今は、街の領主様が騎士団と冒険者達と協力してことに当たっているらいしが、はぐれのモンスターが現る可能性があるために留意せよとのお達しがでたのだ。

 この村もいつモンスター達に襲われてもおかしくない。

 俺は父に言われて壁の厚さを倍にするように頼まれた。


 「グレイ、村の壁の厚さを倍にすることは可能か?」


 「うん、大丈夫だよ父さん」


 この4年間で、俺の魔力も大幅に増えている。

 頼まれた壁の厚さを倍にして、さらに強度もつよくする。

 自警団の見回りも強化されしばらくは夜も見張りが付くことになっている。

 次の日の昼頃だ、、カンカンカンと非常事態の金がならされた。

 多分、モンスターだ。

 僕は父が率いる自警団のみんなと合流する。

 

 「数はどれくらいだ?種族は?」


 「ざっと見ただけでも100くだねえ数だ。多分オークどもだ」


 「よし、グレイは物見やぐらから魔法で遠距離攻撃で少しでも数を減らしくれ。それとゴーレム部隊の召喚も頼む。他の者は配置について白兵戦の用意だ。ケガをしたものは、後方に下がって、マリアの治療を受けるように。では戦闘開始だ」


 俺は、やぐらに立って攻撃魔法をいくつも展開する。

 

 「ファイアーランス! 燃え尽きろオークども!」


 無数のファイアーランスがオークに直撃する。

 それでもオーク達は前進してくる。

 オットーさん率いる弓兵部隊も矢を射かける。


 俺ももう一度魔法を展開して攻撃を続行する。

 ある程度近づいてきたら俺のゴーレム部隊を突入させる。


 「よし、今だうって出るぞ!」


 父の掛け声のもと白兵戦が始まった。

 やはり父は強い、オーク達を物ともせず、に切り伏せていく。

 父の援護は入らないだろう、僕は下に降りてみんなの援護にまわる。


 油断はしていなかった。

 順調にオークの群れをさばいていたのだから。

 

 「グオオオオ」


 大きな咆哮と共に僕は気が付けば吹き飛ばれていた。

 一体どこから、まずは冷静に自分にに回復魔法をかける


 「ヒール」


 敵をみれば、他のオーク達より、ひときわ大きなオークが居た。


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