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32話 侯爵家のとり潰しとネクロマンサー

 アーデン家の依頼で盗賊団の壊滅を依頼されて、奴らの根城を突き止めたが、アドルフ・ハーゲン侯爵が関わっていることがわかった。

 俺達は現行犯で捕まえために奴らが動くのを待つ。


 翌日、兵士達は鎧を脱ぎ、盗賊団の恰好をして、アジトから出ていく。

 俺は、奴らのアジトを亜空間にしまい、奴らの逃げ場をなくす。


 そして、盗賊団とかした、アドルフ・ハーゲン侯爵の私兵達の後をつける。

 

 どうやら公爵家の領地に向かい、護衛の少ない、商人の馬車を狙う、つもりらしい。

 何時間かすると、ちょうど護衛の冒険者が3人しかいない、商人の馬車が通りかかった。

 俺は、アドルフ・ハーゲン侯爵の私兵が逃げ出せないように、配下達を囲うように配置する。


 すると、盗賊団とかした、私兵達が動き出した。


 「そこの馬車止まりな!」


 奴らはまず弓矢で威嚇攻撃をする。

 護衛の冒険者達もすぐに臨戦態勢にはいるが、私兵達の数は30人ほどいる。

 

 「抵抗しなけりゃ、命だけは、助けてやるよ」


 下卑た声で私兵達は、笑いながら馬車を包囲する。

 

 「それはこちらのセリフだ」


 俺達は逆に盗賊団を包囲して言う。


 「無駄な抵抗は辞めて、お縄につくのです」


 「あなた達に逃げ場はありません」


 と、ミコとサーラ。


 「っな、罠か!?」


 アドルフ・ハーゲン侯爵の私兵達は散り散りに逃げようとするが、俺たちは、軽く全員を捕まえる。


 それを啞然と見ていた、商人と護衛の冒険者達。


 「黒い軍勢、まさかSランクパーティーの(シュバルツ惨殺者マーダー!?」


 今回は誰も死んで無いのにその二つ名でまだ、呼ばれるのか。

 

 「突然の事ですまない、君たちを囮に使わせてもらった」


 すると、商人が、


 「いえ、こちらに被害はありませんし、むしろ助かりました。ありがとうございます」


 「これから、俺達は、こいつらを連れて、公爵家に向かう」


 「私どもも、公爵家アーデン様が直接治める領地に向かう途中でした」


 「なに、そうなのか。ならば囮に使った礼として、道中私達も護衛に付こう」


 「それは、光栄です! Sランクパーティーに護衛など滅多にないですからな」


 俺は、護衛をしている、冒険者達にも声を掛ける。


 「あなた達の邪魔しないように心掛けて行動する。一緒に公爵家までの領地まで協力して行こう」


 「こちらこそ、よろしくお願いします。俺達じゃあの数相手じゃ勝ち目はありませんでしたから、Sランクパーティーと行動を共にするのは、光栄です」


 こうして、俺達は、公爵家に向かう事になった。

 道中は何事もなくすすみ、無事に公爵家にたどり着いたき、衛士達に盗賊団を引き渡す。


 「アーデン様、無事に盗賊団を捕まえました」


 俺達はアドルフ・ハーゲン侯爵の私兵を盗賊団として、捕まえた事を説明する。


 「何!? それは真か?」


 「ええ、この耳ではっきりと聞きました。奴らのアジトも抑えています」


 「おのれ、アドルフめ、どうりでやたらとルルシュの婚約の話しを持ち出し来ていたのか!」


 ヴァルフ・アーデンは怒りに燃えていた。

 あとは、捕まえた捕虜の証言があれば、大丈夫だろう。


 「これだけの証拠が揃っていれば、問題ないのではないですか」


 「相手が侯爵家だからな、簡単には取りつぶす事はできん。まあ、現当主の首を挿げ替える事はできるだろうがな。だが、アジトがアドルフの領地にあるなら、中々手がだせん」


 「そこはお任せください。すでにアジトごと、亜空間にしまってあります」


 「何と!? それは真か? グレイ殿にはいつも驚かされるな。早速見せてくれないか?」


 俺達は、裏庭に移動して、アドルフ・ハーゲン侯爵の私兵達のアジトを亜空間からだす。


 中に入り、私兵達の鎧を発見する。

 間違いなく、アドルフ・ハーゲン侯爵の紋章が入った鎧が見つかった。


 「グレイ殿、このアジトを我が領地内に設置することは、可能か?」


 「もちろんです」


 「よし、では指定した場所に設置してくれ、すぐに我が領軍が行けるように手配する。これでアドルフもお終いだ」


 俺は、アーデン様の指定した場所にアジトを設置した。

 後は、アーデン様がうまく事を運んでくれる事を祈ろう。


 それから数日ご何故か俺達は王宮に呼ばれていた。

 要件は、先のアドルフ・ハーゲン侯爵の件でだ。

 何故に俺が呼ばれることになった……。


 俺は今、王の謁見の間にて跪いている。


 「表をあげよ、Sランク冒険者グレイよ」


 「はっ」


 俺は、王の声で跪いたまま王を見上げる。

 王はまだ年若く30前後と言った所だろうか。

 煌びやかな衣装に身を包み、所々にマジックアイテムを身に付けている。

 きっと、安全の為の措置だろう。


 「此度の働きは、ヴァルフ・アーデンから聞いている。よくぞ、アドルフ・ハーゲンの陰謀を見破ったな。ハーゲン家は公爵家のひいては、我が民の安寧を脅かした罪でとり潰しの上、財産も没収し、領地は我が王家の直轄領にした。何か褒美を取らせようと思う。何か希望はあるか?今なら爵位を与えることも可能だぞ」


 どうする?

 爵位など貰っても俺に領地経営は無理だ。

 欲しいのはあるが、駄目元で聞いてみるか?

 最悪はこの城を抜け出して、他国に逃げよう。


 「陛下、恐れながら、1つだけお願いがあります。私には闇属性の適正があります。禁忌とされている、ネクロマンサーの秘術を使う事をお許し下さい」


 そう言った瞬間周りが、ざわつく。


 「何故ネクロマンサーの力が必要なのだ?」


 「私は何度もダンジョンのオーバーフローを起こしたダンジョンに立ち向かいました、その度に命を落とすものもいます。我が配下達だけでは、いずれ、私とて命を落とすやもしれません。私は、まだまだ死にたくない、もっと強くなりたいのです。その可能性を増やすためにも、モンスターをネクロマンサーの力で配下に置き、戦力の増強を図りたいのです」


 「そなたは、死んだ兵士に安息を与えず、更に戦わせるつもりか?」


 「もし、その人間が望めばそう致します。望まれる事のない人間には使用しないと誓います」


 「ふむ、どうした物か。アーデン、貴様はどう思う?」


 「グレイ殿なら正しく使いこなせると思います」


 「宰相はどうだ?」


 「私は反対です、禁忌とされているネクロマンサーの魔法を使うと言う事は、我が王家に封印しているネクロマンサーの本をみせると言う事になります。そのような危険は侵せません」


 「アーデンは賛成、宰相は反対か。では、こうしよう。グレイが自分で研鑽を積み我が国の禁書に頼らず自ら使えるなら、認めるものとする。今から、貴殿には禁忌魔法の使用許可をだす。ただし、実験のために罪なき者を殺めた時は、容赦はせぬ」


 「はっ! 心得ました」


 王家のお許しがでた。

 これで、人目を気にせず配下達を使う事ができる。

 禁書には興味があるがまあ、元々、駄目元で聞いてみたのだから、これで満足するべきだろう。


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