表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/43

18話 ライカンスロープとダークエルフ

 ハーピーの配下を作るために、俺たちは巣へと赴いていた。

 ハーピーとは体と頭は女の体で手足が鳥のモンスターだ。


 航空戦力が欲しい所だったのだ。

 本当は飛竜のような存在も欲しいが、今は贅沢は言ってられない。

 グランパレスへ着くまでに戦力の増加は急務である。

 巣は近くの山の山頂あたりにある。

 

 「ミコ、サーラできるだけ死体をきれいにしたいからなるべく一撃で倒しくれ」


 「了解です、グレイ様」


 「畏まりました」


 このあたりに人の気配はないし、シャドウウルフ達に辺りを警戒してもらう。

 もし人が現れたら、即座に亜空間に逃げ込み様子を見るつもりだ。

 俺は亜空間から黒い配下達を呼び出す。

 さあ狩りの時間だ。


 ここからは俺も本気を出す。

 いきなり現れた、俺の黒い軍団にハーピーたちもいきり立つ。

 俺はできるだけ襲い掛かるハーピー達のカウンターで心臓を一突きで倒していく。

 その後にすぐに空中で旋回している、ハーピー達に魔法放つ。


 「スタンライトニング」


 魔力を消費を抑えた雷属性の攻撃で相手をしびれさせることができる魔法だ。

 落ちてきたハーピー達にとどめを刺していく俺の配下達。

 今回ばかりはミコにも剣を持たせている。

 ミコのハンマーの一撃では使い物にならなくなるからだ。


 「キエエエェェ」


 と叫びながら現れたのは、ハーピークィーンだ。

 他のハーピー達よりひときわ大きい存在だ。

 だが今の俺たちの敵ではない。

 

 「ダーククラウド、スタンライトニング」


 を唱えて空中での利点をなくす。

 他のハーピー達はまた、次々に落ちてくるが、ハーピークィーンは冷静にしびれながら地上に降りてきた。

 動きの遅くなったハーピークィーンなどもはや赤子も同然だ。

 俺は油断なくハーピークィーンも仕留めた。

 倒した、ハーピーとハーピークィーンはダークソウルで配下に加えていく。

 これで多少の戦力にはなるだろう。

 他にも巣がないか探索している時だ、シャドウウルフが人影を見つけたようだ。

 俺たちは、姿を隠して人影に近寄る。

 このあたりには特に何もないはずだが……。

 

 「おい、本当にハーピー達は全滅していたのか?」


 「ああ、間違いない。遠くの方で戦闘音が聞こえたんだ、だから確かめに行ったら、全滅していた。だが、数が少ないんだ、ハーピークィーンの死体も見つからなかった」


 「冒険者が死体事、持ち去ったって事は考えられないか?」


 「あれだけの数を相手にして、更に死体事持ち帰るなら相当な人数がこの里の近くに来た事になる。流石にそれは俺でも気づくぞ」


 ふむ、どうやら俺たちが討伐した、ハーピー達の事みたいだ。

 二人ともどうや普通の人間に見えるが?


 「とにかく、長に報告だ、ダークエルフ達との協定もある、下手に動けないぞこれは」


 なに、ダークエルフ達だと、それは是非にもあって話し合いたいものだ。

 俺は、男たちの後をつけていく。

 人間にしてはいい動きだ。

 さぞ強いのだろうな。

 里の入り口付近に来た時だ。


 「まて」


 「ちっ、俺たちとしたことが」


 「つけられているな」


 「どうする?」


 「ここで始末する、相手は3人だ」


 「里は目の前だ、応援を呼ぶか?もし、其の3人がハーピー達を倒した奴らなら厄介だぞ」


 「それこそありえないだろう、あの数のハーピー達と死体を何処にやったというのだ? そこに隠れている奴出てこい。臭いでわかるぞ」


 どうも普通の人間に見えたが違うようだ。

 完全にバレている。

 ここは大人しく出ていくか。

 しかし、臭いでバレたのか。


 「今出ていく。先に行っておくが此方に敵意はない」


 そういって、俺たちは姿を現す。


 「人間にドワーフにダークエルフだと!? どういう事だ!?」


 「そちらのダークエルフ殿に聞く! 貴殿はダークエルフの里の使者か?」


 「わたしは、通常のエルフから最近堕天したものだ。使者ではない。そちらの会話にダークエルフの話しが出てきたのでつけさせてもらっただけだ。同胞に会えるとのではと、思ってな」


 とサーラが受け答えする。


 「では後ろの人間とドワーフなんだ!?」


 「私の仲間だ!」


 「どうする? 話がややこしくなってきている。ここは、里まで連れて行って長の判断に任せよう。万が一があっても3人だけでは里の連中だけで十分対処できる」


 「それしかなさそうだな。 妙な動きをするなよ、これから里長の判断を仰ぐ」


 「わかった。そちらの判断に任せよう」


 と俺が答える。

 

 俺たちは村の入り口で待たされている。

 こんなとこに村があったとは知らなかった。

 ここはたぶん隠れ里なのだろう。

 村の入り口では俺たちを警戒してか数名が見張りに着いている。

 女や子供たちも俺たちに興味があるのか遠巻きにこちらをみている。

 しばらくすると一人の老人が出てきた。

 

 「旅の者よ、何故この村に近づいた」


 「先ほども言ったが、俺たちの仲間にはダークエルフがいる。そちらの話ではダークエルフとどうも内容までは知らないが協定を結んでいるらしいじゃないか? そこで、ダークエルフに会わせてもらいたい」


 「会ってどうする? そこのダークエルフの女でも引き渡すつもりか?」


 「引き渡すつもりはないぞ。サーラは大事な仲間だ。ただ、冥王について話しがあると伝えればダークエルフ達も俺の話しを聞きたがるはずだ」


 冥王の名を出した時に村全体が騒ぎだした。

 どういう事だ?


 「静かにせい!」


 里長の一言で周りのざわめきは収まった。


 「どうやらその話しは、儂らも聞く必要がありそうじゃ。いいじゃろう、ダークエルフ達にも連絡を取ってやる。しかし、話しの内容によっては命はないと思え」


 「その時は此方も抵抗させてもらうだけだ」


 「ふん、言いよるわい若造が。今日はこの里に泊まるがいい。明日の昼にはダークエルフ達も来るであろう」


 そして次の日の昼、約束通りにダークエルフ達がやってきた。

 

 「そなた達か、冥王様について話しがあると言う者は?」


 「そうだ。まあ話すよりは見てもらった方が速いな」


 俺は亜空間の拠点を見てもらうために亜空間を開く。


 「これは空間魔法か!?」


 「ここは俺の小さな箱庭になっている。まあ中に入ってみてくれ、まだまだ暗いがマシにはなっている」


 そしてダークエルフ達と村の里長が中に入る。

 俺の亜空間はまだまだ成長している、すでに大きな町がすっぽりと入るぐらいには。

 そしてそこに並び立つ我が配下達。


 「ここは一体なんじゃ?」


 「それにあの黒いモンスターはなんだ?あれでは、まるで伝承に出てくる冥王様の黒い軍勢!? まさか、貴方様が冥王だと?」


 「半分は正解だ、取り敢えず、一度亜空間から出ようか」


 俺たちは、亜空間から出た。


 「答えて頂きたい、半分正解とはどういう事だ?」


 「俺はまだ完全に冥王にはなれていないと言う事だ」


 「しかしあの黒い軍勢は完全に伝承に出てくる冥王様の軍勢に酷似している」


 「貴方の要求はなんだ?」


 「俺の要求は至ってシンプルだ、私の配下に加わって欲しいダークエルフよ。そしえ里長、真実を知ったからには、そちらの真実も話してもらおう、この隠れ里はライカンスロープの隠れ里で間違いないな」


 「何故それを!?」


 「簡単なことだ、ライカンスロープもまた闇の眷属だ。そしてダークエルフとも交流があるならなおさらだ。長よ、あなた達も私の配下に加わって欲しい」


 「貴方の言う通り貴方が本当に冥王様として、今は、戦も起きていない、魔王と勇者の戦争もない。そんな中であなたの配下になった所で……」


 「そしてせっかくの血筋を途絶えさせるのか、人間達に追い込まれて。それでいいのか?私の配下になり力を取り戻せ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ