16話 修行
父と母にからかわれて、次の日の朝。
俺たちは移動を開始した。
行先は、まだ誰にも見つかってないダンジョン。
今や俺専用のダンジョンとかしている、パウロに任せているダンジョンだ。
そこで、2人の能力強化を図る。
通常の冒険者より、俺のダークソウルを受けているから能力強化にももってこいの場所だ。
「こんなところにダンジョンがあるなんて」
と、サーラ
「ここは俺専用の狩場だ。お前たちの能力強化のためにも今日はここのダンジョンで周回をする」
するとパウロがダンジョンから出て来て俺の前に傅いた。
「お久しぶりでございます。冥王様」
「元気そうで何よりだ。パウロ紹介しておく、ドワーフのミコにダークエルフのサーラだ。2人とも俺の配下となった。あとの新たな配下は亜空間にいる、後で紹介しよう。言っておくがこの2人は生きている」
「そのようですね。先に契約をすましたのですね」
「まあ、そういう事だ」
俺は亜空間にいるリッチとワイトを呼び出す。
「お前たちもここで周回を繰り返しさらに能力の向上を俺に見せてくれ」
「はっ。畏まりました、必ず能力を伸ばしてまいります」
と、ワイトとリッチもダンジョンに潜っていく。
「さて、俺たちも入るか」
こうしてダンジョンアタックの修行が始まった。
1日目は何とか10層にたどり着けたが守護者部屋まではたどり着けなかった。
2日目からは守護者部屋に3人でアタックしたが、かなりきわどかったので、1層から10層を周回することにした。
1週間もすれば、2人の能力も大分あがり、危なげなく10層の守護者部屋をクリアすることができた。
一度町に戻り、ギルドで常設依頼を換金しておく。
もちろん怪しまれない程度に数は調整しておく。
1カ月もすれば2人とも冒険者ランクがDランクに上がりもう少しでCランクだ。
実力的にみても2人はすでにCランクはある。
今度は、正式に発見されてる、ダンジョンに挑む。
すでに発見されているダンジョンは10層のボスがいきなりゴブリンキングになる。
俺専用のダンジョンより強力だ。
しかし、力をつけた2人は順調に10層の守護者部屋まで来ることができた。
「ここからが本番だ。俺はできるだけ手出ししないが、できるだけ2人で倒せるようになってくれ」
扉を開き、俺たちはゴブリンキングと対峙する。
まず動いたのサーラだ、弓矢でゴブリンキングを牽制する、そこへミコがハンマーで攻撃を仕掛ける。
ゴブリンキングにミコの強烈一撃が入り、ひるんだ隙にサーラが魔法を当てる。
「エアカッター」
風属性の刃の攻撃でゴブリンキングに傷をつけていく。
さらに弓矢で足元を攻撃して少しでも機動力を奪う。
そこにミコがハンマーで膝を潰しにかかる。
おもわず膝をつくゴブリンキングに二人が攻撃を仕掛ける。
ミコはハンマーでゴブリンキングの頭を、サーラがショートソードで体を切り伏せた。
危なげなく2人はゴブリンキングの討伐に成功する。
11層からも俺たちは順調に敵を殲滅しながら進んでいく。
20層の守護者部屋はたしかオークジェネラルとその取り巻きが多い部屋だ。
流石にここは、2人だけではきついので俺はオークジェネラル以外の雑魚を担当する。
「俺が取り巻きの雑魚を担当するから、2人はオークジェネラルの相手を頼む」
「了解です、頑張りましょうサーラ」
「分かりました。ええ2人ならいけるわミコ」
20層の守護者部屋の扉を開く。
「ファイアーストーム」
で、俺は先制攻撃で取り巻き達とオークジェネラルとその取り巻きを分断する。
「今だ、行け!」
2人は阿吽の呼吸で動き出す。
俺は、取り巻きがオークジェネラルに近づかないように更に魔法をつかう。
「ファイアウォール」
これで取り巻き達は近づけない。
俺は敵を黒剣で切り伏せていく。
取り巻きの雑魚を片付ける頃には2人もオークジェネラルを倒していた。
ゴブリンキングより弱いとは言え、確実に二人の能力は上がっている。
この調子ならオークキングも倒せるだろう。
21層の雑魚たちもほとんど、2人だけで倒していく。
ここからもできるだけ敵を見つけて殲滅していく大事な経験値だ。
無駄にはできない。
22層、23層と順調にクリアしていくが2人の体力が落ちて来ているので大事を取って、25層で比較的安全そうな場所で休憩を挟む。
ダンジョンに潜ってもう6時間はたつ。
ここは一旦引き返して再度21層から挑戦した方がいいだろう。
ダンジョン内での無理は禁物だ。
「2人とも疲れたろう? 今日はこの辺にして、引き返す。明日もう一度21層からやり直そう」
「そうですね流石にちょっと疲れてきました」
「私もです。グレイ様の意見に賛成です」
とミコとサーラ。
俺も最初は何度も周回を繰り返しながら動いた。
死んでしまっては意味がない。
まあ俺の場合は、冥王とし復活するが、二人はアンデッドになってしまう。
その冥王もアンデッドの予感はするが、今は生き残る事が大切だ。
そう簡単に死んでたまるか。
休憩が終わり俺たちは21層へと戻り転移結晶で地上に戻った。
このままギルドに常設依頼の達成の受け付けをしてもらって、本日は終了だ。
今日は、2人には宿を取ってもらう事にした。
昨日みたいに父と母がまた勘違いというか、からかわれているだけなのか分からないし、俺の心の問題だが。
次の日の朝、俺たちはもう一度21層に挑む。
21層は昨日よりも早いペースで敵を倒していく事ができている。
やはり体力の温存は必要だ。
途中途中で休憩を挟みながら30層を目指す。
そしてついに30層の守護者部屋までたどり着いた。
いよいよオークキング戦が始まる。
「俺はできるだけ、サポートに回るから2人は攻撃に専念してくれ」
「了解です」
「はい、お任せください」
そして、扉を開く。
俺は初っ端から魔法を放つ。
「アイスフロスト」
いつものようにオークキングの動きを阻害する。
そこにミコがハンマーで殴りかかる。
が、盾で防御されてしまう。
「かかりましたね、アースインパクト!」
ミコのハンマーから土属性の爆発が起きる。
近距離での攻撃により、よろつくオークキング。
「ガアアア!」
と雄たけびを上げてミコに剣を振るう。
しかし、ヒュンヒュンという風切りの音と共にサーラの矢がオークキングの剣をもつ腕に矢が刺さり軌道がずれて、ミコにその攻撃が当たることはなかった。
サーラは、あらかじめ自分の弓矢に風属性をエンチャントしてスピードを上げていたようだ。
さらにサーラの攻撃が続く。
「トルネード」
すべてを切り裂くかのような風の刃の竜巻が起こりオークキングに直撃する。
そこからは、早かった。
ミコとサーラがオークキングに接近戦を行い常に死角を二人でカバーしあいながらオークキングを追い詰めていき、見事に倒した。
結局俺のサポートはさほどもいらなかったみたいだ。
30層の扉が開き俺たちは転移結晶で地上に戻った。
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