運営からの宅配便
作者の悪ふざけ章、開幕!
あのニールとの激闘を経て一日。
私は、ログインせず平凡に過ごしていた。
なぜって?そりゃゲーム内がやばい事に
なってるからだよ。
あの大激闘を見て掲示板とプレイヤーが
協力して私を探し、色々聞こうという
腹づもりのようである、ということを
奥間と福音から聞いた。
私はそんなことしたくない。
なので、これから一カ月、ログインせず
怠惰に過ごそうと思う。
そんな矢先、
ピンポーン!
「宅配便でーす!」
またか。
どうせ兄の物だろう。
「えー、藤野永華さんでいらっしゃい
ますか?荷物が届いています。」
私の?何が届いたんだろう。
やけに大きな箱だ。人一人入りそうな程に。
諸々の手続きを済ませ、箱を受け取る。
「ありがとうございました〜!」
早速部屋で開封する。
箱の中身は、一通の手紙と、箱の中に
箱が入っているというマトリョーシカの
ような状況だった。
手紙に目を通す。
何々、、?
「こんにちは。運営です。
まず、謝罪させていただきます。
貴方様が倒されたニールは、
本来もっと後に登場するはずだった
キャラクターでした。
ですが、こちら側の手違いで、
このような早期の登場となりました。
ですが、貴方様がニールを討伐して頂いた
おかげで、早期の問題解決に至り、
プレイヤーの大規模な引退を防ぐことが
出来ました。
その事で貴方様に、弊社が倒産しかけない
事態を救って頂いたご恩をお返しする為、
弊社が開発中の新商品「ステラドール」
を貴方様に差し上げます。
これは、自分だけのロボットを作る
商品であるのですが、
搭載するAIはどうするのか、
パーツはどうするのか、など様々な問題
がまだあります。
ですが、この試作品は、
外見パーツ、及び搭載AIを貴方様の
召喚獣である「ファル」様の物を使用する
事で、その問題をクリアしています。
なお、エネルギーは、普通の人間と同じで
食事で賄うことができ、食費は試作品の
為、多少は我が社が
負担させていただきます。
そして、当商品の使用可能年数は
80年程度であり、保証は恩があること
から、完全に修理不可になるまで、
とさせていただきます。
防水などは完全であり、ほぼ人間と同じ様
に生活することが可能です。
最後に、我が社の危機を救って頂き、
誠にありがとうございます。
運営より。」
と、言うことが書かれていた。
ということは、この中にファルが入って
いるのか。
箱を開ける。
そこには、事前に知っていなければ、
人間と見紛うほど精緻に作られたファル
のロボットが入っていた。しかし、
重大な問題があった。
「なんで裸なの、、、!?」
そう、ファルが一糸纏わぬ姿だったからだ。
せめて下着だけでも着せてくれれば良かった
のに、、、!!何もかもが人間そのものの為
目のやり場に困る。同性だけど。
とりあえず、クローゼットの中の
私のワンピースを着せる。
買ったのはいいが、似合わないと思い余り
着ていなかったものだ。
下着は、私とファルでは付けているサイズ
が違うので、今度買おう。
さすがに付けて無いのはまずい。
中にファルと一緒に入っていた
説明書を読んで、諸々の起動準備を
済ませる。そして、最後に起動コードを
設定、入力する事でステラドール、、、
いや、ファルは起動する。
起動コードは、最初の一回と、点検や修理に
出す時に使う必要があるようだ。
コードは、う〜ん、そうだ。
ファルがドラゴニュートになった
日付にしよう。「0421」っと。
そうして設定が終わり、ファルが起動する。
さあ、どんな事か起きるのか、今から
楽しみだ。
技術革新でとんでもない素材、及び構造が作れるようになっているのが
作中世界。




