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リバイブ・イルサルバトーレ!

とてもいい出来になっているはず!

過去最高の長さで贈る

ファルのサイキョーパワーアップ回!

寂しげな城だった。

だが、なぜか歌が聞こえてくる。


「ーなぜ、」


「ねえ、何か聞こえない?」


「いえ、なにも。ライカさんは?」


「いや何も。サクラは?」


「私も聞こえないよ?聞き違いじゃない?」



でも、確かに聞こえた。


「ー彼は、」


やはり聞こえる。


(ご主人、それは本当ですよ!)


こいつ、直接脳に!


(いえ、すいません。ご主人。

スキルの中に、ご主人と感覚を繋いで

能力を強めるものがあり、その応用で話し

ています。そして、おそらく私が聞こえて

いるものが、ご主人に聞こえているのか

と。このイベントという催し、初見殺しも

あり得ると考え、勝手に使って

いました。)


そういうことか。

ならいいか。深くは考えない!


(ありがとうございます、ご主人!)


「ー私を裏切って、」


にしても重要そうな事をペラペラといってるな、この声の主は。


「どうしたの?早くいこうよ!」


サクラが急かす。

さて、行こうか。

あれから2時間が経った。

この城の中には様々なトラップが仕掛け

られており、なおかつ時折モンスターも

出てきて、とても時間がかかった。

なお、途中の見つけた宝箱はすべて開けた。

その中身は、ポーションなどの消耗品。

剣などの装備、そして最後に、求めていた

ナノスーツが手に入っていた。


あの歌の内容は恋人が何故自分を裏切ったのか、問いかける歌だった。


そして、粗方部屋を調べ終わり、

最後の部屋を調べていた。


「何、この本?読めないよ?」


サクラが何か見つけたようだ。

わたしが見てみると、日記のようだった。


「私に貸してもらえる?」


「いいよ、読めないけどいいの?」


「いいのいいの。貸して。」


多分またファルと繋がってるから読めるとか

だと思う。私は本を読み始めた。

内容を掻い摘んで説明すると、

王様と王妃様が仲睦まじく暮らしていた。

だがある日、王様が結婚指輪をなくして

しまう。国中探し回ったが見つからない。

そこで王妃様は、隣の国の姫に王様が

浮気しているのではないかと考えた。

そうかと思う行動が多々あった為、

王妃様はそうであると確信し、

王様を問い詰めた。

帰ってきた言葉は

「来ないでくれ!」だった。

王妃様は怒り、王様を殺してしまった。

と、いう話だ。


読み終わって、全体を見て気になる所を

見つけた。


厚さが少し厚いのである。

読める部分は全て読んだ。

つまり、隠してある何かがある。

そう思った瞬間、考え事をしていて力が抜け

本を落としてしまった。

そうすると、中から便箋が出てきた。

中には、手紙と、一つの結婚指輪。


「なんだ、それ?」


ライカが尋ねる。


「待って、今読む。」


中身を読む。


「これを読む人がいるということは、

私はもう死んでいるだろう。

この手紙は私の死後、真相を知ろうとする

者が現れ、本に衝撃を与えた時、

読むことができるものだからだ。

私が結婚指輪をなくしてしまったのは

偶然ではない。

これは奴に勝つ為に必要なことだった。

奴とは、この国にいる竜人、ニールだ。

奴は、自らの妻としようとした我が妻、

ヒルデが私と添い遂げたことで、私を

恨んでいるのだ。奴は強い。

奴に勝つ為には、結婚指輪を見つけさせ、

ヒルデと私の道が別たれたと思い油断した

その時に倒すしかない。

その為の準備に、城を留守にすることが

多かった。妻には迷惑をかけた。

けれど、ついに私はニールを倒した。

だが、最後に奴は我が妻に呪いを残した。

「私に失望すると竜になる呪い」だ。

私はそれなら大丈夫だと考えた。

私と、我が妻の愛は本当だと考えていた

からだ。

けれど、私が結婚指輪をなくしてしまった

ことで我が妻は不信感を抱き、

城に帰ってきた時にはほとんど竜になって

しまっていた。

その姿を見て私は恐怖してしまった。

そして、私は我が妻に殺されかけた。

殺されかけた、というのは

ぎりぎりの所で死んだふりをし、

死んだと思った妻はどこかへ飛び去った

為だ。

私はニール対策として用意してあった

禁呪を使い、なんとか生き長らえ、

この手紙を書いている。

だがもうじき死ぬ。

けれど、これから書くことを出来る

ならば、そうしてほしい。

我が妻に、この真相を伝え、結婚指輪を

返してあげてほしい。

そうすれば、一時だけでも記憶が戻り、

優しい妻が戻ってくると

考えているからだ。

頼んだ。だが、出来ないのならば、

どうか、妻を止めてほしい。


ドラ王国王 ジーク 」


中々重い内容だった。

私は国王の願いを叶えたいと思った。

だって、こんな結末悲しすぎる。

絶対に叶えてあげよう。


「なあ、どんな内、ッ!」


そう言いかけた瞬間、城に衝撃が走る。


「わわ、何々!?」


「来ます!ご主人、王妃様です!

王様の願い、必ずや叶えましょう!」


やはり心を読んでいたか。

だが今この時は嬉しい。


「ええ、必ず止めましょう!」


そう言うと、この部屋に何者かが天井を

貫いてやってきた。


「ナゼウラギッタァァァァ!」


心はあの時のままで、恨みを糧に動く

王妃様が私達の前に立ちはだかる。

その前にこれを見てもらおうか!


「王妃様!これ見て!」


私が結婚指輪を出すと、王妃様は動揺する。


「ナ、ゼ、ソレヲ?」


「これは、あなたの夫が残した物。

王様は裏切ってなんかなかった。

王様は、あなたと自分の邪魔をする

ニールを倒したかっただけ。

その為に必要なことだった。

だから、王様は裏切ってない。

、、、、、ただの一度もね。」


「ア、アァ、ジー、ク、ゴメン、ナサイ、

アナタ、ハ、ウラギッテナンカ、

イナカッタ、、。」


そう言うと、王妃様の姿が変わり、

竜になる前であろう姿に戻り、

その隣に王様らしき人が立っていた。


「ありがとう。私の願いを聞き入れてくれて

本当にありがとう。」


「こちらこそ。あんな結末は

許せないからね。」


「ははっ。こいつは手厳しい。

だが、本当にありがとう。お礼にこいつを

あげよう。」


そう言って、王様らしき人は何かを

私に手渡す。


「これは?」


「こいつは私達の結婚指輪だ。

死んだ私達には、もう必要ないからな。」


「私も本当にありがとう。

あなたがいなければ、こんな結末は

なかった。本当にありがとう。」


「いえいえ。」


「お礼に、あなたの竜人の力を強くして

あげる。」


「えっそれ大丈夫な奴ですか?」


「フフッ、大丈夫よ。私も本当は竜人だった

のよ。だから、ニールに言い寄られいた

んだけど。そして、この力は救世主の力。

私と夫がこの国を作るため、手に入れた

とても強大な力。けど、あなたの竜人

なら耐えられる。そして、きっと強く

なってあなたを守る究極の矛となるわ。

あなたたちは、どうする?」


そう聞かれ、私はこう答えた。


「私はファルを信頼しています。

だから、ファルの選択が私の選択です。」


そう言うとファルは笑って、


「はい、救世主の力、受け取ります。

だって、まだまだ強くなりたいですもん。

私に、ご主人を守る力をください。」


「そう。ならこの力、正しいことに

使ってね?」


そう言うと、王妃様から力が溢れ、ファルに

流れ込む。そして、ファルが七色に光りだした。

白、黒、赤、青、緑、黄、紫。

光が収まると、そこには髪も、尻尾も、全て

が色鮮やかになったファルが立っていた。


「ご主人、ありがとうございます。

これで私は、もっと強くなりました!」


ステータスを確認してみた。


ドラゴニュート・イルサルバトーレWLV1

HP5500/5500

MP4500/4500

総合力AA

力AA

魔力AA

速さAA

〈スキル〉

〔救世主の息吹〕それは救済の一撃。

〔救世主の力〕全ステータス2倍。

〔救世竜武術〕世界を救う竜の武術。

〔救世竜の威圧〕敵に極大のステータス

低下効果

〔救世主の心眼〕その目は全てを見通す。

〔ドラゴンチェンジ・スピード〕

素早いドラゴンに変身する。

〔ドラゴンチェンジ・パワード〕

力強いドラゴンに変身する。


とんでもない事になった。

ステータスはアホみたいに上がったし、

スキルもなんか凄いことになってる。


「フフッ、凄いでしょ。それが、救世主の力

よ。私の代で途絶えてしまったものを、

アナタがまた復活させてくれた。

これについても、本当にありがとう。」


本当に凄い力だ。


「ありがとうございます!

私の友達を本当に強くしてくれて。」


「いえいえ、これは私の願いでもあるから、

気にしないで。」


「ヒルデ、そろそろだ。」


「ええ、もちろんよ。最後にもう一度だけ

言うわ。その力、正しい事に使ってね?


「当然ですよ。私、寝ることが好きなだけの

召喚士ですもん。」


「ふふ、そうみたいね。」


「ああ、私からももう一度、

ありがとう」


「私もよ。私の勘違いを正してくれて

ありがとう。じゃなきゃ、

私の勘違いは正されず、

こんな結末はありえなかった。

本当にありがとう。」


そう言って二人は消えていった。

城を、綺麗な七色に満たしながら。

あの後、変化した城の中を探索し、

再出現した宝箱を開けていった。

驚いたことに、アイテムの名前に全て

「竜人夫婦の祝福」

というものが付いていた。

効果が少し長くなったり、強まったり

して、強くなっていた。

そんなこんなで今日はもう終わろうという時

全員から呼び止められた。


「待って、フジカ説明してもらおーか!

何をしたの?んでもって何をおこしたの?

全て、みんなに分かるように説明して!」


サクラの言うことに私以外全員が賛同する。


そうだった。

みんなは歌は聞こえておらず、

本も手紙も読めていなかったか。

それからしばらく説明をした後、


「うっうう、よがっだ。よがづだよぉ〜。」


「いい話だなぁ、本当に。」


「うわぁ〜ん、王妃様ぁ〜!」


話の途中でみんな涙が出始め、

終わるころには完全に泣いていた。

そうなった皆を慰めて、全員ログアウト

させて、私もログアウトしようとしたら、

ファルに呼び止められた。


「ご主人!本当にありがとうございます!

これで、これでもっと強くなって、

あなたの役に立つことができる!

本当にありがとう!大好きです!」



そうか、やっぱり私が好きか。

満面の笑みを浮かべ、私はログアウトした。


なお、結婚指輪はえげつない効果を

誇っている。

実は、イベントはマルチエンディング

方式であり、複数の終わり方がある。

①王女様を倒す(バットエンド)

②王女様を救おうとする。(救えずバットエンド)

③王女様に結婚指輪を見せる(トゥルーエンド)

④王様を禁呪で復活させ、王女様を

連れて行かせる。(一応グットエンド)


他のプレイヤーも①、②、④までは

クリアしているが、③はまだ無理。

というか発見されておらず、ノーヒント

で攻略した主人公一行はすごい。

なお、本は一応法則性があり、

見る人が見ればわかる。たぶん

黒い「我が魔王!」とか言ってる人の

本と同じで

「読めるけど意味がわからない」

みたいなヒントにはなるけど、

「流れ星」と言った感じで、

初めて聞くと抽象的でわからないが、

調べていくと分かる感じ。

手紙は普通に読める。だが、ギミックに

気づいても、衝撃を与えようとは

思わないので実質気づいてない。

なお、結婚指輪を見せれば③は達成の

為、本が読めない人は「は?」って

なる。手紙は一応読むと大体分かるが、

多少わからない部分がある。

なお、イルサルバトーレは作者の悪ノリ

によって作られたものの、強化自体は

イベントでするつもりだったので実質

プラマイゼロ。

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