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不便の発明家  作者: アオニシキ
番外編
19/19

裏 発芽愛の一目惚れと写真の裏


 美稲ちゃんの協力で発明部を立ち上げてのんびりとした日々を送っていたけれど、さすがに少し寂しい。新入部員だ! 新入部員さえいれば問題なくなる。でも、そんなにいっぱい来ても困るなぁ。

 そんなことを思いながら校舎の裏側の方で勧誘していたら雑踏から疲れたような男子が出てきた。落ち着けるところを探しに来たのかな?


 その男子を見た途端、どこかに置き忘れた記憶が戻ってきたような気がした。あの時の男の子だ。何の確証もないけどそんな風に思った。


ねえ、あの一言から不便を探すようになって、毎日が楽しくなったんだよ。君のおかげ。なんて思いが口からこぼれないように声をかける。


「私と一緒に、不便を楽しんでほしいの!」


 なんだかプロポーズみたい、そんな風に思いながら曽倉甲斐君、に声をかけたんだ。



 ずっと、ずっと言いたかった、君に話したかったことがたくさんあるんだ。そんな思いのまま君に話し続けた。でも本当にあの子かなんて確信は無いからなぜこんなことを? と聞かれたときは趣味だよ! なんて言ってしまったけど。


 そんな中で、甲斐君。と呼ぶのが恥ずかしくて、でも曽倉君は絶対に嫌で……自然と後輩君って呼ぶようになった。きっと君があの子だと確信が持てないから臆病になっちゃってるんだ。


「こういう事だったんですね、『不便を楽しむ』って」

「そうなんだよ! せっかく作ってもむだ扱い、そりゃあむだだけどいいものだと思うんだ! こうやってお話しできるからね」


 でも、後輩君も不便を楽しむことを受け入れてくれて、こうやってお話が出来るのがとても嬉しくて……気が付けばポットが沸騰してたけど無視して話をつづけた。


 後輩君と話すのが、とても楽しくてむずがゆくて……とても幸せ。

 効率ばかりでは得られないような穏やかな時間がそこにあった。



 家に帰って私はいつぶりになるだろうか、というような発明品を作った。不便にするためじゃない。便利になる物だ。でも、これを世の中に出す気はない。私は私のためだけに発明品を作るんだ。

『声を分析して昔の声を予測する機械』

 これを使って、自然と後輩君の幼い頃の声を聴いた。あの頃の私を吸ってくれた声そのままで……うれしくてうれしくて、幼い頃に戻ったかのように、私は一人でずっと泣いてた。



「愛ちゃん! 何でそんな目が赤いの! 泣いたの泣かされたの、誰が悪いの!」

「美稲ちゃん、落ち着いて。嬉しかったんだよ。発明部に新入部員が正式に入ったんだ」


 後日、そんな後輩君の話を美稲ちゃんにしてたら、後輩君がやってきていた。美稲ちゃんは緊張してるのか私を隠すように立っているけど。後輩君が見えないよ!


 後輩君がそそくさと去ったあと。美稲ちゃんは私に向かって言う。


「あいつのせいなの?」

「後輩君が悪いんじゃないよ? あとやっぱり緊張してたんだね。やっといつもの調子に戻った」

「違うって……」


 ため息をついた美稲ちゃんに昨日の発明品について説明して。後輩君について話す。とっておきの宝物を教える遺体に胸が高鳴っていた。




 ボケるカメラを後輩君に紹介した、翌日。美稲ちゃんが私に渡したいものがあると言ってきた。


「何?」

「昨日撮ってた写真を二枚な、愛ちゃんが喜びそうだと思って」

「美稲ちゃんも一回ボケちゃってたもんねー」

「いや? アタシは一度も失敗してないよ?」


 え? 昨日たしかに私と後輩君を二回撮ってたと思うんだけど?

 そう思った私に渡された写真は、私と後輩君のツーショット、それとっ!


「え! 何で後輩君一人だけの写真があるの!」

「ボケたふりをして撮っておいたんだよ。嬉しいでしょ」

「ありがとう! 美稲ちゃん!」


 うっわ、どうしようこれ! 家に写真立てとかあったかなー。なかったら作ろう! そうしよう。


「本当にうれしそうだな、よかった。じゃあ、私はこのあと少し呼ばれているから先に行くな。部室に行くのは遅くなりそうだ」

「うん! また部室で!」



 そう言って別れたのはいいけど、なかなかやってこない。この写真を見たら後輩君はどう思うかな、恥ずかしがるのかな? 隠してた方が良い? そんなことを悶々と考えているといかんはすぐに過ぎていた。


 美稲ちゃんと後輩君は新入部員を連れてきていたのだ! もーう! 今日だけで一体何回プレゼントをくれるのかな! 嬉しくてたまらないよ!


 新入部員の軽井君に押され気味の美稲ちゃん。みていて私の知らない一面が見れて。なんだかポカポカとした気持ちに包まれたのだった。


……だけど、軽井君にロリ扱いされたのは嫌だったなー子供じゃないからね!


 けど、軽井君に警戒だとか言われてた後輩君、かわいかったなぁ。




番外編もここまでにします。



以下、作者のボヤキです。


本当なら美稲ちゃんに自覚させられる発芽ちゃんも書きたかったけど、ピンと来なかったのでボツで……

裏側でこんなことがあったんだーくらいに思っててください。

軽井君ももっと活躍させたかった。後半で美稲ちゃんと軽井が出てこなくなったのは軽井の作戦だったりします。曽倉が自覚した裏側で発芽ちゃんも心境に変化があってあんなイチャイチャに……なんて設定もあったんですが話が盛り上がらないのでこっちもボツで。


それではまた、どこかで

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