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4/28(水) 『始まりの夢と非日常の始まり』

投稿しては消して、投稿しては消して、長続きしないなー。

ついでに題名がちゃんと合ってるのかも不安だし...

そんな訳でとりあえず、投稿します。

 「ようこそ、少年」

 目の前にシルクハットを被ったスーツ姿の男が立っていた。

 「君に商談がある。メイドを買わないか?」

 「は?」

 突然の事で目の前の男が何を言っているのか理解出来なかった。

 だが、明白な事が一つだけある。これは夢だ。

 初めてではあるが、明晰夢という物なのだろう。

 それなら、それで自由にさせてもらおう。

 「メイドだよ。メイド

 私は男の憧れだと思っている

 少年、君もそう思わないかね?

 可憐で魅力的な彼女が『ご主人様』の為にご奉仕をする」

 真っ白な空間に突如、メイド服を着た少女達が現れた。

 それはまるで瞬間移動でもしたのかと思うようにパッと何もない筈の空間に現れたのだ。

 普通ならあり得ない。やっぱり、これは夢なんだ。

 そう自覚させられる。

 「好きなように命令して、自身が好きなような事をしてもらう

 あんな事やこんな事を至られ尽くせり

 今なら安く売ろう

 どうだ?少年、買う気にはなったかね?」

 確かにメイドというのは二次元的において魅力的な存在である。

 それに今並んでいる彼女達はどれこれも魅力的な美少女ばかりだ。

 「基本的に値段はどのくらい?」

 「そうだな。基本的に一人、100万円だな」

 高過ぎる。何だ、その金額は

 いいや、確かにそれぐらいの値段かもな。人間を買うのだから、当たり前なのかもしれない。

 「それと、少年

 注意事項を一つ、言っておこう

 彼女達は人間ではない。正確には元人間で今は悪魔っていう事だ

 だから、彼女達の主食は魂だ

 食らった魂は彼女達から排出され、細かく分解された後に輪廻の輪に戻される

 メイドを一匹買った際にはちゃんと食事をさせるように。そうでなければ君の命も彼女の口の中に入ってしまうからな」

 「元...人間?」

 意味が分からない。やはり、これは夢なのだろう。

 それに彼女達が悪魔だと言われても素直に納得がいかなかった。

 「まぁ、いいや

 一番安いのってどれ?」

 現実的に値段が高過ぎる。一応、夢じゃなかった場合を含めて、慎重にいく事にした。

 「一番、安いのか

 欠陥品になるけど、それでもいいかい?」

 メイド商人の男がそう言った。

 「別に構わない」

 「そうか」

 男の目の前にまたもや、メイド服を着た美少女が現れた。他のメイドと違う点を上げるのなら、左目は眼帯をしており、左腕と右足は何やら黒い。まるで人の肌ではなく、金属のような外見をしている。

 「欠陥品?」

 「彼女は欠陥品さ

 言語を喋れず、見ての通り左腕と右足は彼女の肉体ではない。機械仕掛けの腕と足

 こんな美しくない姿をした彼女なんて買い手なんかいない

 今までもずっと売れ残ってきた」

 「値段は?」

 「10万円程度だ

 買ってくれるのなら、9万にまけてもいい」

 「じゃあ、彼女(ソレ)を買う」

 「本当に彼女でいいのか?」

 9万円は安い。学生の身としては安くはないが、100万円よりかは遥かに安くなったと言える。

 それにこれは夢だ。目が覚めてもここで買った物は手に入らない。

 「ああ、それでいい

 安く、夢が買えるんだったら、それにこした事はないと思うけどな」

 「少年がそう言うのなら、9万で彼女を売ろう」

 男はそう言うと髑髏のような形状をした指輪を俺へと差し出した。

 「これは君が買い取ったメイドを服従させる為の指輪だ

 買い取ると決めたのなら、これを早速付けてくれ。そうすれば、商談成立だ」

 「服従の指輪か......」

 そうマジマジとその悪趣味な指輪を観察し、これは夢だから覚めた後は何もないとそう思い、俺は指輪を装着した。

 グサリ

 装着したのは右手の人差し指。装着した途端、ビリビリと激痛が走る。

 指輪をした所から血が流れ始める。

 「契約完了」

 そう男が言った瞬間に、俺の目の前は真っ暗になった。

◇◇◇◇

20XX年4月28日水曜日

 「ごめんなさい」

 誰もいない教室で俺の目の前で頭を下げる彼女がいた。

 「忍とは付き合えないよ」

 彼女は俺の彼女ではない。だが、どうして彼女が頭を下げているのか理解している。

 俺は彼女に「付き合って欲しい」と言った結果がこれだった。

 彼女とは幼馴染みで昔からいつも顔を合わせていたが、彼女自身からすれば当たり前の返答なのかもしれない。

 「こっちこそ、悪かった

 今日の事は忘れてくれ」

 別にお前なんか好きじゃないし、軽い気で冗談で言った事なんだからといった風に平静を装いながら、彼女に背を向ける。

 内心、はぁと溜め息を吐いたものの、ダメージは甚大だ。

 家が隣同士なので明日からどんな顔をして合わせればいいのか、困惑している。

 困惑したまま、その場に彼女を残して教室を去った。

 馬鹿か。俺は何を自惚れて告白なんて事をしてるんだよ。

 昔から顔を合わせてるからって、彼女の何を知ったかぶってたんだ。

 アイツが俺に気があるんだとか、何を勘違いしてたんだ。

 俺は気違いだったんだと、自身で自身に止めを刺す。

 時刻は17:00で空は未だ、青い。

 俺はぼんやりと駅の椅子に座っていた。後十分程度で電車が到着する。

 「見付けた」

 その待ち時間の時だった。

 俺の目の前に飾りの少ないシンプルなメイド服のような物を着た少女が出現した。

 三つ編みのおさげに丸眼鏡といった感じの地味な感じではあったが、彼女の口元は狂気に満ちていた。

 彼女の顔は狂気の笑顔に満ちていた。満ちた狂気の笑顔で片手には機関銃を持って、その銃口はこっち向けられており、

 「死☆ね」

 その言葉を放ったと同時に銃声が鳴り響いた。

 その訳が分からない状況で自身が死んだとそう自覚した。

 だが、俺は死ぬ事はなかった。

 変わりに俺の目の前に見覚えのある後ろ姿がそこにあった。

 彼女の登場によって、その銃声は止まる。

 「真打ち登場ぉ~?

 何、邪魔しちゃってんの?ていうか、撃たれちゃってんだから、死ねよな~」

 機関銃のメイドは狂気染みた笑みを浮かべたまま、悪態を吐く。

 十数発もの弾丸を彼女自身は受け止めた。だというのに、彼女は倒れる事なくそこに立っていた。

 チャリン

 金属が落ちる音が聞こえた。それはコインや硬貨が落ちる音ではなく、コインのように平で円形の物ではなかった。

 ふと、足元を見るとそこには弾丸落ちていた。

 次々とチャリンチャリンと音が鳴る。

 おそらく、これは

 弾丸が排出されている?

 彼女の背後にいる俺は彼女の足元に落ちる複数の弾丸を確認する。

 彼女の姿はおそらく、向き合っている彼女同様の服装している。それと左腕と右足は黒い義肢を身に付けていた。

 その姿にはどこか見覚えがあった。

 俺は彼女とは出会った事はない。そう、この現実で彼女のような存在に出会した事なんてなかった。

 「チート行為は反則なんじゃないの~」

 それに対して彼女は何も答えない。

 「ねぇ、何か言ったらどうなの?

 そのお口はただのお飾りじゃないでしょ?」

 そう言いながら、彼女は彼女へと銃口を向ける。

 それでも彼女は口を開かない。だが、その代わりに右手を前へと出して、その手に握られていたのは刀だった。

 いつの間にそんな物を握られていたのかなんて分からない。

 ただ、これは彼女なりの決意表明というのは誰にだって分かる。

 『これからお前を殺す』という宣言だ。

 その次の瞬間、彼女の姿は消えた。そう思った次に三つ編みおさげの眼鏡メイドは自身の機関銃を盾に彼女の刀から身を守ったが、その機関銃は刀によって貫いてしまっている。

 「......チッ」

 そう舌打ちをした後に機関銃から手を離し、前方の相手に蹴りを入れる。だが、その攻撃をいとも簡単に素早い動きで回避する。

 彼女達の捨てた武器は一瞬にして、消失し、今度は互いの手には武器を持っていた。それがどこから出したのかは検討が付かない。

 義肢のメイドはさっきと同じように刀を持って、眼鏡のメイドの片手にナイフを持っていた。

 お互いに彼女達は駆け出した。

 目にも止まらない速さで彼女達は交じり合う。ぶつかり合って聞こえてくる音は鉄と鉄がぶつかる金属音。

 尋常ならざる、殺し合いが俺の目の前で繰り広げられている。

 おそらく、攻めているのは義肢のメイド。それを防戦で対応しているのは眼鏡のメイド。

 スピードでは勝っていても、ギリギリの所で刀は届かず、パワーで負けている為に防いだ刀は押し返される。

 ギリギリ守りに相手の攻撃から身を防ぐ事が出来ているものの、攻めに転じきれずいる眼鏡メイドとスピードは勝っていても攻めきれずいる義肢メイド。

 互いに互いを凌ぎを削っていく。

 だが、この戦いに終止符を打たれる事になる。

 彼女の体が発火した。発火したのは眼鏡のメイドではなく、義肢をしたメイドだった。義肢のメイドは地面へと倒れる。

 「いや~、白熱した戦いだったね~」

 と変わらずの笑みで彼女はそう言った。

 彼女の左手の人差し指に火が灯っている。

 「でも、ざ~ん☆ね~ん

 君の負け。冥土の土産に教えてあげる。メイドだけに 

 私の特典はパイロキネシス

 最初から侮らずにこれを使っていれば、簡単に勝てたのに、君のおかげで教訓出来たよ~

 そんな訳だから、地獄にでも堕ちろ

 パートナーが死んだ人間には興味がないなぁ~

 ラッキーだったね、少年君♪」

 そう言って彼女はその場から消えた。

 何だったんだ......。この現状が意味不明でどうしてこんな惨状に招かれなくてはならないのか理解が追い付くなんて事はあり得なかった。

 「おい...」

 燃え盛る火だるまになっている彼女へと近寄った。

 「あ、あー。あー。あー」

 苦痛の表情に炎が身を焼いて苦悶に喘いでいる。彼女は未だは生きている。

 俺には関係ない。

 さっきあった出来事は殺されそうになったけど、身の覚えがないし、こいつが勝手に割って入ってきただけだ。

 こいつが割って入らなかったたら?

 確実に死んでいた。

 「くっそ...」

 俺は制服の学ランを脱いで彼女をはたく。とにかく、この炎を消すのが先決だ。

 しかしながら、はたいていても炎は消えずいる。

 それならと俺は急いで自動販売機へと走った。

 水なら何でも良かった。ペットボトルの飲料水を彼女へとぶっかける。

 自身の小遣い、千円を消費して火だるまになっていた彼女の炎はどうにか消す事が出来た。

 「おい、大丈夫か...?」

 そう質問するも彼女から返答が返ってこない。体は焦げていて、酷い状態だった。

 「嘘...だろ」

 目も開いておらず、確実に死んだと思っていた。

 彼女は急に目を開き、起き上がった。

 焼け焦げていた筈の体は即座に再生し始めた。そして、いつの間にか焼け焦げていた筈の服装すらもさっきの出来事はなかったかように元通りとなっていた。

 「治った......?」

 何なんだ、お前。

 そう質問したかったがここじゃ質問出来そうにない。

 幸いにもここには人が今、誰もいないがここには監視カメラも置いているだろうから、もしかしたらかなり厄介になっているかもしれない。

 「とりあえず」

 場所を移そう。そう言おうとしたのだが、そこには彼女の姿がなかった。

 忽然とあの義肢のメイドは消失した。

 「何なんだよ......」

 そんな発言をしたと同時に電車がやって来てしまった。

 とりあえず、この現場から逃げ出すようにして電車に乗り込んだ。

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