あなたには侍女がお似合いだわ
「シャルアンはいるかしら? 誰かその3をお呼びして!」
「かしこまりました」
「リルーゼ皇女さま。き、来ました。僕に何かご用でしょうか?」
「あなた、シャルアン。侍女におなりなさい!」
「はっ……? じ、侍女? ぼ、僕は……お、男ですよ? 侍女になんてなれるわけが」
「ふふ、あなた中々綺麗な顔立ちをしているわ。あなたは従騎士なんかよりも、わたくしの侍女として傍にいた方が幸せなのでは無くて? 正直に言うのも罪にはならないのよ? そうなのでしょう?」
「ぼ、僕は皇女さまのお傍にいたい。で、でも、従騎士としてお守りしながら傍にお仕えしたいんです。だ、だから、その願いにはお応えするわけには――」
わたしに逆らうなんて気に入らないわね。皇女の言うことに歯向かう様な従騎士なんていらないのよ。それでもやはり、ただ斬り捨てるには綺麗すぎて勿体無いわね。こうなれば強制的になっていただくしかないわ。
「シャルアン。あなた、つべこべとうるさいわ。ここで斬られて人生を終えるか、侍女になってわたくしの傍に仕えるか、お決めなさい」
「ううっ……じ、侍女に……なります。で、でもずっとじゃないですよね?」
「そうね、わたくしが次の侍女を見つけるまでかしらね」
「そ、そんな」
ふふ、これでいいわ。これでうるさい従騎士は残り2人になったわ。とりあえず、性別がどうであれ見た目が綺麗であれば、十分侍女として生活させることが出来るわね。ふふふ、楽しみだわ。
「皇女様、新たな侍女……いえ、シャルアン様をお連れしました!」
「入らせなさい」
「は」
「あぅ……うぅっ、ど、どうしてこんな」
「まぁ! 思った通りの可憐さだわ! 肌もそこらの侍女より全然綺麗だわ。シャルアン、近くに」
「は、はい」
これよ! この、まるで汚れを知らない町娘の様な無垢な子を傍に置きたかったのだわ! 侍女として置くにはあまりにも勿体無い位の肌の白さを感じられるわ。そうよ、従騎士になんて戻してあげるものですか。
「シャルアン、明日はわたくしと一緒に、お庭と街区へ行きますわよ! そこであなたを国民にお披露目しますわ。あなたも宮廷のお庭と同様の美しさがあるの。きっと国民はあなたを認めるに違いないわ」
「そ、そんな……そんなのは、困ります。僕は――」
「あなた、外に出たら僕と言うのは禁じるわ! 外へ出たらわたくしと手を繋いで一緒に歩きましょう。楽しみね。うふふっ」
そうよ、むさ苦しくて色々とうるさい従騎士なんてわたしには不要なのよ。早いところお父様にはその旨をお知らせして、宮廷から従騎士の姿を無くさせてみせるわ。第一、危険な事なんてあるはずがないもの。




