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もし普通(仮)の高校生が異世界で魔法を極めたら  作者: ぎるばあと
第一章 序・異世界ライフ
3/30

2.ステータスとスキル

 温かい。

 

 久しく人と抱き合ったことのない俺は、久しぶりに人肌の温もりを感じていた。

 がっちりと抱かれていて愛情を感じる。

 まるで身動きが取れないというオマケつきではあるが。

 

 冷静に現状を分析しよう。

 

 俺は今、虎にくるまっている。

 いや、もはや捕えられているといったほうが正しい表現かもしれない。

 きっと俺は今晩のおかずなのだろう。

 

 (短い異世界ライフだったな……)


 俺が生を諦めて哀愁を漂わせていると背後から、


 「おや、お目覚めかい?」


 と声が聞こえてきた。


 声の主を視線で辿ると、そこには黒いローブを身にまとった老婆が立っていたのだった。


 「うちのタマがこんなに懐くなんて珍しいねぇ」

 「あ、懐かれてたんですね。てっきり俺は捕獲されているのかと思ってました」

 「タマはベジタリアンだからね。あんたみたいにまずそうな人間は食べないよ。大方あんたについたムラサキダケの香りが気に入ったんだろうね」


 あの毒キノコもどきか・・・。焼いて食べた俺ぐっじょぶ。


 「ところでここはどこですか?正直俺は現状がよくわからなくて」

 「ふむ。嘘をついているわけではなさそうだね。まあ私も久しぶりに人に会えて気分がよいわい。知っていることは教えてやろうかの」


 タマから解放された俺は老婆の自宅へと案内され、そこで自分がここに来た経緯を正直に話してみた。

 

 老婆は少し驚いた表情を見せたが、どこか納得した様子であり、俺が聞いたいくつかの質問にも丁寧に答えてくれたのだった。


 まずこの国の名前はアインスというらしい。

 

 かつて人間と魔王との間に戦争が起こり、魔王の討伐に成功した13人の英雄がそれぞれ国を興したのがこの国の始まりだそうだ。

 

 魔王は討伐したものの生き残りの魔族が多数存在し、その魔族が現在では13の国の一つを滅ぼしてそこに住み着いているらしい。

 

 そして老婆の名前はバーバ。


 元々は魔法使いとして国仕えをしていたそうだが、現在は隠居中。

 

 煩わしい人付き合いを避けるため、人払いの結界を張り巡らして隠遁生活を送っていたのだが、そこに俺がひょっこり現れたため驚いたようだった。

 

 俺が異世界から来たといっても疑わなかったのは、過去にも似たようなことがあったことや、そもそも人払いの結界は常人に破れるものではなく、空間転移の方が現実的だと思われたためらしい。


 ちなみにこの世界は察しの通り剣と魔法の世界であり、ステータスが存在する。

 現在の俺のステータスは、


 人族:轟 龍二

 HP:20/20

 MP:1/10

 腕力:F

 敏捷:F

 体力:F

 知力:F

 運 :F

 

 スキル

 火魔法 F

 水魔法 F

 風魔法 F

 土魔法 F

 光魔法 F

 鑑定  F

 不屈  F

 素質

 ???


 とこんな感じである。

 

 レベルという概念は無く、鍛えた分だけその鍛えた能力値が直で上がるらしい。

 

 スキルには熟練度があり、使えば使うほど熟練度が貯まり、ある一定の数値に到達するとスキルのランクが上がる仕組みになっているとのことだ。

 

 俺の「素質」のように熟練度がないスキルもある。

 

 ちなみに「素質」は通常より、スキルの熟練度や能力値の成長が上がるスキルだ。

 かなりレアなスキルらしく、そこはかとなくチートの香りがするスキルである。

 

 不屈はMPが0という極限状態に陥って覚えるスキルとのことで、ある一定の条件を満たすことで後天的に覚えるスキルの代表例である。

 

 ただしMP0の状態はなんらかの障害や後遺症を負ったり、下手をすると死に至る可能性があるとのことで、一般的な人は「不屈」スキルを所持していないらしい。

 

 不屈スキルはその取得リスクに見合った効果はあり、ランクが上がるとあらゆる状態異常を無力化したり、不眠不休でも動ける肉体になるといった、これまた中々にチートなスキルである。

 

 ゲームのやり込みが大好きな俺は、このチートスキルをフル活用しほとんど眠ることなく、老婆のもとで修業を積みながらひたすらに能力値とスキルの熟練度を上げていくのであった。

 

 


 そして三年の月日が流れた――

 

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