0.プロローグ
「さてどうしよう」
ここは森だな。
俺は少し冷静に現在の状況を分析することにした。
俺の名前は「轟 龍二」とても中二病な名前だが本名だ。
年齢は今年で16歳になる普通の高校1年生。
趣味はラノベとアニメとゲームというごく一般的な日本人である。
今俺は見知らぬ森の中にいる。
どうしてこうなったか少し過去を遡ろうと思う。
高校一年生になった俺は、趣味の読書やBD鑑賞を豊かになものにしようと決意する。
お金を稼ぐためにアルバイトをすることになり、今日はアルバイト初日である。
現在は夏休みであり、一ヶ月間フルにアルバイトをしようと、泊りがけのゲームデバッグの求人を見つけて応募し採用された。
指定された場所に出勤し、そこで出されたジュースを飲んだ後の記憶がない。
俺は持ち前の中二病頭脳をフルに回転させ、現在の状況を理解した。
ここはきっと異世界だ。そして俺はチート能力で大活躍。ハーレムを築き上げ勇者として奉られることになるんだ・・・。
(さあ、出でよ炎。その力を持って目の前にあるすべての木々を焼き尽くしたまえ!)
口に出すのは恥ずかしかったため、心の中でそんなことを考えながら右手を振りかざしてみる。
(まあさすがに何も起こらないか)
そう考えた俺は、自分の指先を見て驚愕することになる。
そこにはライターの火ほどの青白い炎が、煌々とゆらめいていたのだった。