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第2話 彼女との出会い

 どうせ風井明日香です。 ………あ、間違えた。どうも、自己評価低い系小説書き、風井明日香です。


 今回の話からヒロインが登場します。ベッドに横になりながら、必死にどんな女の子にしようか想像してる私は変態ですか? あ、変態ですか。そうですか。


 結局昼飯を奢ることになり、パンを二、三個買うはめになった。


「真人の奴、ここぞとばかりに高いの頼みやがって……」


 小銭がなくなり少しばかり軽くなった財布を恨めしげに睨みつつ廊下を歩く。


 時は放課後。今は、朝の香苗先生との約束のために図書館へ向かって歩いてる所だ。

 頼まれてすぐ二つ返事でOKしたが、実は理由がある。


 一つは、ただ単に俺が手伝いたかったと言うこと。


 俺は昔から『縁の下』の役割が好きだ。

 点数稼ぎという訳でもないのだが、頼まれると自然と力になりたくなり、手伝ってしまう。

 こんな性格になったのも少しは理由があってのことなのだが、たいした話でもないので今は話さないでおこう。


 もう一つは、入学してから一週間なのにもう委員会の活動をしている人に興味が沸いたということ。


 先ほど言った通り、俺は縁の下が好き。だから率先して委員会の活動を引き受けたその人に感銘を受けた。

 同志とまでは行かないかもしれないが、少しは話が合うのでは?と思ったのだ。


 まあ、今回の目的はあくまで手伝いなので、二つ目の件は後回しで行くつもりだが。


 そんなことを考えていると、図書館の扉の前に着いた。

 出来るだけ音を立てないように扉を開け、中に入る。


 図書館の中は結構綺麗にされていて、面積は教室三個分ほどだろうか。

 利用者は十人程度で、紙を捲る音だけが響き、図書館独特の雰囲気が漂っていた。


 入って右手に学習用の机などがあり、奥には多くの本棚、左手にはカウンターがあった。


 一瞬、少し本棚を物色してみたい衝動に駆られるが、なんとか抑え込みあらためて香苗先生を探す。

 しかし、図書館を隅々まで探したも香苗先生は見当たらなかった。


 うーん、図書館担当と言っても、さすがに常時図書館に居るわけではないか。


 しかし、このままではやることも分からないままだ。

 どうしたものかと考えていると、ふと二つ目の目的を思い出す。


「(図書委員ならカウンターにいるのかな…?)」


 そう考えながらカウンターに目を向ける。

 すると、案の定カウンターにはそれらしき人がいた。

 そしてあることに気付く。


「女子か……」


 カウンターに座っていた人は、本を読んでいるのか顔は伏せてしまっているが、髪や制服を見るに女子と判断できた。

 そう考えると二つ目の目的が完全にナンパな訳だが……。

 まあどちらにせよ本来の目的は手伝いな訳だし特に気にしないでおこう。


 ……と思ったものの、香苗先生が見つからない今、香苗先生の行方を知ってそうなのは図書委員くらいなもので……。


 俺は思いきって、その図書委員の女子に話しかけることにした。


「あのー、すみません。少しお聞きしたいことがあるんですが……」


「………」


 あれ? 聞こえてないのか…?

 そのあと数度彼女に話しかけるも、何故か俯いたまま反応がなかった。


 しょうがないので肩に手を置く。

 しかし、それでも反応がなかった。俺は少し嫌な予感がして、少し強めに肩を揺さぶる。

 すると、彼女の体が少し動いた。

 俺が安堵すると同時に、彼女はゆっくりと顔を上げ──


「……ほえ?」


「ほえ?」


 彼女は寝ぼけているのか変な声をあげる。

 彼女は少し目を擦ると、状況を把握したのか慌てた様子で話し初める。


「す、すみません! 少しうとうとしてて……」


 うとうとと言うかぐっすりだった気もするが……。まあいいか。


 顔を上げた彼女をあらためて見る。

 全体的に整った顔立ちで、ぱっちりと開かれた瞳も相まって、とてもかわいい印象を受ける。

 髪は少し長めで濃いめの茶色、左側の髪を耳の上で纏め、サイドテールにしてあり、その近くには桜の花の髪飾りがついていた。

 そして、もう一つ上げるべき特徴がある。


 そう……眼鏡である。


 彼女は眼鏡っ娘だったのだ。

 俺は基本二次元の眼鏡っ娘が好きだ。しかしその影響か、最近は三次元の眼鏡っ娘にも反応するようになってしまっている。


 彼女の掛けていた眼鏡は、ピンク色のプラスチックフレームで、俗にアンダーリムと言われる、レンズの周りのフレームが下にのみあるタイプの眼鏡だった。

 元の顔がいいのもあるのか、これまで見てきた三次元の眼鏡っ娘の中でも一番と言っていいほどかわいい。


 俺がそんなことを考えていると、彼女はまだ少し恥ずかしそうにしながらも気を取り直して話し始める。


「そ、それで、ご用件はなんでしょう?」


「えっと、香苗先生に言われて図書館に来たんですけど、先生が見当たらなくて」


「あれ、もしかしてお手伝いの人ですか?」


「あ、はい。そうです」


「そうでしたか。香苗先生は今日会議があるとかで来れないみたいです。でも先生から話は聞いているので大丈夫ですよ」


 そう言って彼女は微笑む。

 俺はその笑顔に少し鼓動を早めながらも質問する。


「あの、見たところあまり忙しそうには見えないんですが……」


 俺は香苗先生から「人手が足りない」と言われて手伝いに来た。だから、てっきり慌ただしいイメージを持っていたのだが、そんな感じではなさそうだ。さっき居眠りしてたし……。

 彼女は少し苦笑いしながら答える。


「あ、うん。たしかにカウンターの仕事はあまり忙しくないんですけど」


 そこまで言うと彼女は「よし!」と言って立ち上がる。


「ちょっと付いてきてくれますか?」


 そう言ってカウンターから出てくる。すると、彼女の全身が目に入った。

 身長は俺より十センチほど低く、スタイルは特段いい訳ではないが、出るところは出ていて女の子らしい感じだった。


 カウンターから出てきた彼女は、そのまま図書館の扉に向かって歩いていく。


 俺もそれに続こうと数歩歩いた所で、ドアノブに手を伸ばしていた彼女が「あっ!」と言って振り返る。

 俺が不思議そうに彼女を見つめていると、彼女は少し気恥ずかしそうにしながら言う。


「あの、まだ自己紹介してなかったよね?」


 そういえばそうだった。まだ彼女の名前すら聞いていなかった。


「えっと、私は佐倉愛美(さくら めぐみ)。愛に美しいでめぐみね」


 彼女は、見た目に合った可愛らしい名前だった。思わず「いい名前ですね」なんて返してしまった。


「えへへ、ありがと。そういうあなたは?」


「あ、杉浦浩介です。えっと、三水(さんずい)に告げるの浩に、介です」


 指で空中に書きつつ説明する。


「杉浦浩介くんね。よし覚えた!」


 佐倉さんはそう言って可愛く微笑む。気付けば、佐倉さんは砕けた言葉遣いになっていて、可愛い笑顔と合わさり思わず少しドキッとする。


「よし、じゃあ自己紹介も終わったし早速行こっか」


 佐倉さんは、そう言って意気揚々と図書館を出ていく。


 「何処に行くんだろう」や「カウンターの仕事はいいんだろうか」など色々疑問はあったが、あんなにかわいい眼鏡っ娘と話すことができた幸福感の前では、そんな些細な事はどうでもよくなってしまった。


 お読み頂きありがとうございます。


 まず、第1話の投稿から間が空いてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 これからは出来るだけ早く投稿できるよう尽力いたしますのでよろしくお願い致します。


 今回の話で、ようやくヒロインが出てきました。その影響か結構、描写や言動に気を使いました。


 次話以降の展開についてなのですが、正直作者の私にも分かりません。ノープランですみません…。

 しかし、『ハッピーエンド』で『完結』させることだけはお約束いたしますので、ご安心ください。


 ちなみに、具体的な展開は決まっていませんが、超展開になることはありません。

 いきなり異世界に転生したり、不思議な力に目覚めることもありません。普通のラブなコメディです。



 少々後書きが長くなってしまいました。

 小説のアイデアは出にくいのに後書きだけさらさら書けるという、なんかもう作家としてどうなんでしょう。

 そろそろ後書きが本編より長くなるかもしれませんね。あ、駄目ですか。そうですか。


 最後に。感想欄では感想並びに誤字脱字報告も受け付けております。気楽にお書きください。

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