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02 両親へ

「えい! やあ!」

「そうです。上手です」



俺は今、木刀を両手に持ち気合の入った掛け声と共に素振りをしている。

雲一つない大空からは日差しが心地よく指している。


目の前には教師役のおっさんがおり、俺の汗と共にむさ苦しさをよく表しているといっていいだろう。


前回の外国人出現困惑エピソードからすでに4年が経ち、トラックに轢かれる前に思った運動について、俺は見事に実行に移すことができたのだった。

これが俺の望んだ結果だというのなら、あの時の自分を殴ってなりたい。

この素振りが運動だと仮定したものだとしても、あの時の思いは何の神様も信じていないが、受験の合格発表前に神頼みする事に近い心境だったはずだ。


ブルーな気持ちになったついでに、大した親孝行もしてあげられなかった両親に近況報告をしようと思う。


拝啓

お父さん、お母さん。

俺の記憶が正しかったのなら会社に向かう途中で事故にあったはずです。

そしてそのまま俺は帰らぬ人になってしまったのでしょう。

そんな俺は、見知らぬ新しい地で2度目の生をうけたのです。

2人目の母親のことを謎の外国人ナースだと勘違いしてしまった事もありました。

言葉も分からず必死に覚えるという事もしました。

これまでの人生の中で1番頑張ったことだといえるかもしれません。

ここまでですでに違和感を思えてくれたのなら、まだボケは始まっていないだろうと思いますから安心してください。

そうです。2度目の生をうけたのです。

しかも、ここはグランオルフィード王国という国だそうです。

どこだかさっぱり分からないですよね。

でも大丈夫です。なにせここは地球ではありませんから。

魔法や魔術なんてものが存在するファンタジー異世界なのです。

ファンタジー異世界なんて分からないですよね。ええ問題ありませんとも。

俺も困惑しました。しかし、人間少しの時間があればなんでも受け入れることができるものなのです。

ですから、お父さんもお母さんも心配しないでください。

俺は、現在5歳になるところです。

日本には帰れそうにありませんが、すくすくと元気に育っています。

事故にあう時に思った運動も見事に行動に移すことができました。

強制的にというおそろしい言葉が先に付きますが、それには目を逸らしてください。

新しい両親は2人とも美形で俺も将来に期待がもてそうなのです。

他にも驚くような事があります。

新しい両親なのですが、なんとこの国の国王と王妃なのだそうです。

ですから、俺はもれなく王子だという事になります。

ウィリアムなんていうかっこいい名前もいただきました。

あなたたちの息子は有名になることができましたよ。そのことは誇ってくれてもいいと思います。

文明的には21世紀日本には全然かなわない国ですが、魔法・魔術という新しいものも存在するすばらしい国でもあります。

貴族なんていう日本じゃまず聞かないような単語も当たり前のように出てくる場所でもあります。

戸惑いも多いですが、どうしようもないので、心機一転頑張っていくつもりでいます。

ですから、これからもお体に気負つけて頑張ってくださいね。



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