第977話 「特別閑話 ドゥメール亭へようこそ!」
愛読者の皆様!
遂に本日1月25日が
『魔法女子学園の助っ人教師』第3巻の発売日です。
ぜひお手に取って頂ければと思います。
笑顔のジョゼフィーヌとオレリーの表紙が目印です。
※天候の関係で入荷が遅れている場合は、恐縮ですが、書店様にお問合せ下さい。
1月23日から、書籍版発売日の1月25日までの3日間、
『魔法女子学園の助っ人教師』第3巻
発売記念の特別閑話をお送り致しています。
本日は最終の第3弾です。
次回更新分から通常版へ戻ります。
何卒宜しくお願い致します。
オレリー・ボウは生活費を稼ぐ為に、ヴァレンタイン魔法女子学園の校則に違反し、王都の居酒屋で働いていた。
しかし、ルウが病弱だった母アネットを治癒魔法で全快させた。
その結果、アネット、オレリー母娘はフランの紹介により、元子爵夫人のドミニク・オードラン宅に住み込みで働かせて貰える事となったのである。
健康且つ元気になった母と共に、新生活が始まるオレリーであったが、実は密かな望みを持っていたのだ。
オレリーは居酒屋で働いていた時、学園に露見しないよう厨房の洗い場で働いていた。
ホールで、華やかに颯爽と働く同世代の女子達を、羨ましそうに横目で見ながら。
更にオレリーが羨ましく思ったのは……ホール担当の制服が可愛いメイド服であったから……
そして……今日、遂にオレリーの夢が叶う事となった。
ドゥメール邸大広間に、「すっ」と立つひとりのメイド少女。
当然、この屋敷の使用人ではない。
シックな黒のワンピース、可愛い白いフリルのエプロンにエプロンと同色のフリルのカチューシャ。
少女は……メイド服を着こんだオレリーであった。
ずっと待ち望んでいた、メイド服着用の夢が……遂に叶ったのである。
ちなみにオレリーが着ているのは、普段ドゥメール邸で使われている制服をオレリー用に、更にアレンジしたものだ。
元々スタイルの良いオレリーは、メイド服をバッチリ着こなしていた。
清楚で可憐なオレリーを見て、ルウは思わず笑顔になる。
「おお、可愛いな、惚れ直したぞ、オレリー」
「本当ですか! 旦那様。旦那様に褒めて頂くと……私、自信が湧いて来ます。頑張りますから、ずっとずっと見ていて下さいね」
ルウと結婚したオレリーは……
地味な蛹が、華麗な蝶になるように著しく変貌した。
元々癒し笑顔の素敵なスレンダーガールは、美しい女性として開花したのだ。
こうなると……他の妻も指をくわえて見ているわけがない。
準備は万端であり、続いて大広間に堂々と入って来たのは……
ジゼルである。
「旦那様、私はどうだ? メイド服、……似合っているか?」
ジゼルのメイド服は、少しデザインを変えてあった。
彼女の好みを入れて、騎士が装着する鎧風な趣きを入れてある。
実はオレリーも含めて、今回着用する全員のメイド服は特注品なのだ。
「おお、凛々しく勇ましい最強メイドだ。惚れ惚れするぞ、ジゼル」
「凛々しく勇ましい最強メイド! それも、惚れ惚れするだと! おお、旦那様、嬉しいぞ! 私にとって最高の誉め言葉だ」
「ねぇ、旦那様、ボクはっ!」
ジゼルに続いて、大広間に入って来たのはナディアである。
彼女らしく、知的な趣きのメイド服だ。
「おお、可愛い学生メイドという感じだ。すぐ食べたいくらい可愛いぞ」
「うっわ! すぐ食べたくなる学生メイド? ああ、早くぅ、教え子の僕を口説いてぇ、食べちゃってぇ、旦那様ぁ。いや、先生だな。……ああ、ボクってぇ、先生といけない関係になっちゃうよぉ~」
完全に、自分の世界に入ってしまったナディア。
ジゼルが、冷たいジト目で見るがお構いなしだ。
「待って下さいませ! 私はいかがでしょうかっ!」
続いて入って来たのは、ジョゼフィーヌ。
彼女らしく、贅を尽くした豪華絢爛なメイド服である。
「おお、ジョゼ、気高い王女様みたいだぞ」
「王女様! ああ、ジョゼは嬉しゅうございます! 幸せですわっ」
「待って! 私も負けていられないわ!」
ジョゼフィーヌの言葉が終わらないうちに、大広間へ入って来たのはフランである。
フランは思い切って可愛さを排除し、大人の魅力たっぷりなメイド服だ。
何故か、彼女の手には乗馬用の鞭が握られている……
「おお、素敵な教師風メイドだな」
ルウが褒めた瞬間。
「びしっ」と鞭で床が鳴らされた。
「うふ、ルウ、さあ、来なさいっ! 私がた~っぷり手ほどきしてあげるわ」
フランが、色気たっぷりにウインクした瞬間!
「全員、ちょっ~と、待った! この私を見なさいっ」
「え?」「おおう!?」「えええっ!」「あわわ……」
大広間へ入って来た人物を見てオレリー、ジゼル、ナディア、ジョゼフィーヌの悲鳴に近い声が交錯した。
「さあ、ルウ! みんなもしっかり見て! 私はどう? 魅力的?」
「お、お、お、お母様!」
「アデライドさん!?」
「理事長!」
「おお、なんという存在感だ!」
「す、凄いよっ! ボク負けた」
「素晴らしく妖艶ですわっ」
腕組みをして、メイド服姿で立っていたのは何と!
この屋敷の主……アデライドであった。
意外にも、スタンダードなメイド服をばっちり着こなしている。
「おおお、奥様~っ、何という、何という可憐な! ま、舞姫降臨です! す、素晴らしいお姿ですっ!」
メイド姿のアデライドを見た家令ジーモンは、感動のあまり鼻血を出して倒れてしまったのであった……
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
東導の別作品もお願いします。
☆『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』新パート連載中!
https://ncode.syosetu.com/n4411ea/
※『魔法女子学園の助っ人教師』とは微妙に違う
ヴァレンタイン王国における、のんびりスローライフな田舎ワールドです。
故郷に帰りたかった青年が謎の死を遂げ、15歳の少年になって異世界転生!
バトルは少々ありますが、基本は田舎の村で美少女達とスローライフ。
畑を耕したり、狩りをしたり、魚を釣ったり、結婚した美少女達と日本の昔遊びなど。
スローライフ最中、自らの転生の謎を解き、様々な人々と、出会い&別れを繰り返す。
結果、逞しい『ふるさと勇者』へと成長して行く話です。
本日1月25日朝、更新予定です。




